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今日も窓の外は土砂降り。
エマに怒られたので反省してる姿を見せようとリオネル様とダンスの練習をする事にしました。
リオネル様と練習するのは久しぶり。
子供の頃は毎週、一緒に練習してたのに…。
リオネル様と踊るのは楽しい。
何曲でも踊り続けられそう。
「レティシアは楽しそうに踊るね」
「リオネル様と踊るのは、とても楽しいので…」
にっこり微笑むとリオネル様も微笑んでくれた。
「リオネル様とだけ踊れたら良いのに…」
思わず呟くとリオネル様は私をぎゅっと抱き締めた。
「俺も誰とも踊らせたくない」
「私と踊りたい物好きなんて王太子殿下くらいですけどね…」
ふふふっと笑うとリオネル様の手に力が入った。
「リオネル様…?」
「誰にも渡さないよ」
「私の事なんて誰も欲しがりませんよ?」
アレクシアならまだしも私を欲しがる人なんて居る訳がない。ランベール家のハズレ姫と陰で言われている事は私だって知ってる。
だからリオネル様が私の事を好きになってくれただけで嬉しい。
一生に一度の奇跡。
「リオネル様、大好きです」
リオネル様の腕の中で小さく呟くと耳元で「俺もだよ」と囁かれた。
リオネル様の唇が降ってくる。
「レティシアは俺の宝物だよ」
早く結婚したいな…。
卒業したらすぐに出来るのかな?
リオネル様とずっと一緒に居たい。
ダンスの練習をしたせいか夕食の後、ウトウトしてきた。
「もう休む?」
「もう少し一緒に居たいです…」
「でも眠そうだよ?」
眠いけどリオネル様と一緒に居たい。
今夜も一緒に寝たいな…。
でもエマに物凄く怒られたし今日は絶対に自分のベッドで眠るようにときつく言われてしまった…。
「リオネル様……」
「もう、君は……」
私が言いたい事が分かったのかリオネル様は「後で来るよ」と囁くと部屋から出ていった。
しばらくしてペンダントの淡い光と共にリオネル様は現れた。
どうしよう。
リオネル様と一緒じゃないと眠れない病気になってしまったかもしれない。
誤字報告ありがとうございます




