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「胸の靄が消えてる…」


「え…?」


リオネル様が私を見るなり驚いて何度も確認をした。


「間違いなく消えてる」


「元の世界へ帰れるのでしょうか?」


「うん。大丈夫そうだね」


「良かった…」


ホッと胸を撫で下ろす。


「道標が、きちんと出来てる。本当に君が大切なんだね」


リオネル様は私の頭をポンポンと撫でると私をソファに座らせた。


「ちゃんと帰れるように送り出してあげるからね」


私のすぐ横に座るとリオネル様は私の身体に魔力を流し込んだ。


「リオネル様、お別れですね…助けて頂いてありがとうございました。リオネル様が私に気付いて下さって良かったです」


「ずっとレティシアを見ていたからね…」


胸の奥がキュンとした。

多分これはレティシアの感情だろう…。


「ゆっくり目を閉じて…次に目覚める時は元の世界だよ」


ゆっくり目を閉じると意識が遠くなる…。

ふらつく身体をリオネル様が支えてくれる。リオネル様の腕の中で私は意識を手離した。







目を覚ますとリオネル様が今にも泣き出しそうな顔をして私を見つめていた。


「リオネル様…?」


元の世界に帰って来た?

リオネル様の瞳から大粒の涙がポタポタと私の頬に落ちてきて冷たい。


リオネル様の頬に手を伸ばすと赤い小指と薬指のリングが目に入る。


私の身体だ。

ちゃんと帰ってこれた。


「リオネル様…」


「レティシア」


リオネル様がぎゅっと私を抱き締める。

震える肩を撫でるとリオネル様が私から身体を離した。


「リオネル様?」


「目覚めたばかりなのに…ごめん…」


大丈夫なのに…。


「大丈夫です。リオネル様、ぎゅっとして下さい」


リオネル様の胸にすり寄ると力強く抱き締めてくれた。

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