105
雪遊びをしたのがよく無かったのか、少し体調を崩してしまった。
これではリオネル様に呆れられてしまう…。
薬を飲んで、ゆっくり目を閉じると私はすぐに眠りの世界に導かれた。
いつものはっきりしない夢。
そして、やっぱり私はリオネル様と手を繋いでいる。
よく顔が見えないけど夢なら良いよね?
リオネル様の胸に飛び込むとぎゅっと抱き付いた。
いつもならすぐに抱き締め返してくれるのにリオネル様はいつまでたっても抱き締めてくれない。
「リオネル様?」
顔を上げるとリオネル様の前髪が長くて表情が良く見えない。
そっと前髪を分けると頬を赤くしたリオネル様と視線が重なる。
「リオネル様?」
リオネル様は何か言いたげで、でも何も言わない……。
胸の奥がチクリと痛む。
夢の中のリオネル様は私の事が好きでは無い……?
たとえ夢でもリオネル様に嫌われたら私は耐えられない。
涙で視界が滲むとリオネル様は困った顔をするだけで、私には触れようとしない。
思わず顔を覆うと涙が溢れて止まらなくなる。
「レティシア?」
リオネル様が優しく私の名前を呼ぶ。
「レティシア?」
目を覚ますと私の涙を拭うリオネル様と視線が重なった。
「レティシア?」
リオネル様だ。
私の大好きなリオネル様。
「怖い夢でも見たの?」
「リオネル様が…」
また涙が溢れてくる。
ベッドから身体を起こすとリオネル様が肩を擦ってくれる。
「リオネル様、嫌いにならないで…」
肩を擦っていたリオネル様の手が力強く私を抱き寄せた。
「何があろうと君の事を嫌いになる事は無いよ」
リオネル様の手が優しく頭を撫でる。
「俺に嫌われる夢を見たの?」
小さく頷くとリオネル様は私の涙を拭うと目蓋に口付けを落とした。
リオネル様の腕の中で涙は止まったけど胸の痛みは消えなかった。




