104.side ダイアナ
ライラの涙は止まらず私は涙を拭って背中をさする事しかできない。
エミリオルートの悪役令嬢ライラ。
バッドエンドの場合、エミリオとライラの結婚式で終わる。
たぶん、ライラにも可能性はある。
「ダイアナ様、話を聞いて頂いてありがとうございました」
ライラの瞳には、まだ涙が浮かんでいるけど、少しスッキリした顔をしている。
ライラの気持ちは無駄では無いと思う。
ライラの想いがエミリオ様に伝わりますように…。
そう思っていたら次はエミリオ様に呼び出された……。
さすがに婚約者以外の異性と二人きりは良くないのでリアム様にも同席して頂いた。
「突然、呼び出して申し訳ありません」
「いえ、私は大丈夫です…」
私は大丈夫なのです、私は…。
ただ、リアム様の機嫌があまり良くない。
いつもと同じ様に見えるけど、いつもより眉間の皺が深い…。
「リアムも婚約者殿を呼び出して申し訳ない…」
「いや、かまわない」
「あの、お話とは何でしょうか?」
リアム様の機嫌が悪いので早く本題に入りたい。
「ライラの事なのですが…貴女と逢うと出掛けた日、目を腫らして帰ってきたのです…何か心当たりがあれば教えて頂きたいのですが……」
「あ…えっと……」
ライラの気持ちを私が言える訳もなくて…。
困って視線をさ迷わせてしまう。
「ライラにも悩みがあるようで…相談されたのですが…」
言葉を慎重に選びながら答えるけど、しどろもどろになってしまう。
「私には言えない様な話なのでしょうか?」
ええ、言えません!!
ライラの涙は貴方が原因です!!
「できれば、そっとしておいてあげて欲しいのです」
わざと眉を下げて困った顔をしたらエミリオ様も深くは聞いてこなかった。
「話は終わったのか?終わったのなら俺達は失礼する」
突然、リアム様に手を引かれて挨拶もまともにできずに、その場を後にした。
リアム様に力強く手を握られて少し痛い。
歩幅も、いつもみたいに私に合わせてくれていなくて足が縺れそうになる……。
「リアム様……」
リアム様は、やっと足を止めてくれた。
「ダイアナ、俺以外に可愛い顔を見せるな」
は?え?
「お前は、ただでさえ可愛いのに、さっきみたいな顔をしたらエミリオが勘違いしてしまうだろう!!」
「しません!!しません!!誰もしません!!」
慌てて否定するけどリアム様は納得していない。
「お前は可愛いのだから気を付けろ」
そんな事を真顔で言われると笑ってしまう。
「そんな風に思ってくれるのはリアム様だけです」
にっこり微笑むとリアム様の眉間の皺が、また深くなった。




