表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白色の少年  作者: ななる
1/4

(1)

これは『うちのドッペルゲンガーはなかなか俺を殺さない』の外伝です。そちらを読まれていない方は、ぜひそちらからお読みいただけると嬉しいです。


(1)



「ねぇ、ママ?」


少女は彼女の袖を引っ張った。


「遊ぼ?」


外は真っ暗。月すら今日は顔を出していない。


「ねぇ、遊ぼ遊ぼ?」


少女が動くたび、かかっている布団がずれていく。


「ダメですよ。もう夜ですから、おやすみなさいの時間です。」


彼女は出来るだけ小さな声を心掛けた。


「でも眠たくないもん。」


「目を閉じて、じぃっっとしていたら自然と眠たくなりますよ。」


「嫌々!眠たくないから眠たくないんだもん!」


ベッドの上で足をバタバタさせる。


うーん……遊ぶといっても……うーむ。


「なら、羊さんを──」


「それは無しで。」


うーん、仕方無いですね……


彼女は布団から少し腕を出して、空中に複雑な模様を書き出した。しばらくして、それがちゃんとした『陣』を描いたとき、空中に一つの絵が現れた。


「遊ぶことはできませんけど、これで我慢してくださいね。」


少女はすでに空の絵に夢中だ。


「じゃあ、始めますね──」


─────────────


『白色の少年』


昔々、ずうっと昔、まだ神様がいた時代、人々はお金や土地のために様々なところで戦争をしていました。


戦争、といっても村と村が戦う、とても小規模なもので、その後に起きる、いわゆる『世界戦争』とはかけ離れたものです。


そんなある日。当時一番強かった村で不思議な子供が生まれました。


髪も皮膚も瞳の色も、全て真っ白な男の子。


その子の母は、その子を生むと同時に死んでしまいました。次の日にその子の父も死にました。兄弟はいません。


─────────────


「何で死んじゃったの?」


「代償、です。」


「だいしょー?」


─────────────


産まれたばかりの一人ぼっちの男の子。誰か引き取ってくれる優しい人が現れそうなものですが、何しろ白い子供でしたから、誰も気味悪がって引き取ろうとはしませんでした。


当時、白色は世界の終わりを表す色として嫌われていたのです。


町の人々が話し合った結果、その子の母の妹のところに預けることになりました。


彼女は最初は嫌がっていましたが、その子の親のお金がたくさん貰えることを聞いて、すぐに引き受けることにしました。


彼女は貰ったお金で、毎日いろいろなことをして遊び、その子をほったらかしにしていましたが、その子はどういうわけかすくすくと育っていきました。


────────────


「この子、この前の子に似てる。」


「ふふ、そうですね。」


────────────


その子には名前がありませんでした。五歳ぐらいになって、やっと今まで呼ばれていた「おい」とか「お前」が自分の名前ではないことに気がつきました。


その子には友達がいませんでした。五歳くらいになって遊び盛りというときに、義母はお金を使いきり、働かせられることになったのです。


その子にはわかりませんでした。愛とは一体何なのか。


家では義母にいじめられ、仕事にいってもいじめられる。いつもひとりぼっち。話し相手は雲の上。


ある日、義母が少年を奴隷市場に出すと言いました。まだ五歳の少年には、それがなんなのかわかりませんでしたが、良くないところなのだろうということくらいは分かりました。


必死に抵抗しましたが、五歳の力ではどうすることも出来ません。


ついに義母に体を持ち上げられてしまいました。


少年は心の底から思いました。


『こんな人、いなくなってしまえばいいのに。』


すると目の前が急に眩しくなって目を閉じると、体がドサッと床に落ちました。


周りに義母の姿はありません。


ちょっとの間探してみましたがどこにもいませんでした。


少年は自分が何かとても恐ろしいことをした、ということに気がつきました。


怖くなって数日間、じっと自分の部屋の中にいました。


時々、お腹が空くと、急に目の前が光って、食べ物が出てくるのでそれを食べました。


────────────


「──しばらくたって、ってあれ?」


少女はスースーと可愛らしい寝息をたてて寝ている。


「……続きは明日ですね。」


彼女は布団を少女にかけ直し、優しく撫でた。


「おやすみなさい、リンナ。」


こんにちは。ななるです。

この作品は『うちのドッペルゲンガーはなかなか俺を殺さない』の外伝です。そちらを読まれていない方は、ぜひそちらから!


今回は数回に分けて投稿です。


次回、「投稿はいつになるのか。」

次回があれば、またお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ