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うちのばあちゃん  作者: 戸神奏英
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ばあちゃんの膝

うちのばあちゃんは身体が丈夫で力がかなりある。


ばあちゃんはさほど痛いところはないが、心配してほしいのか膝が痛い とよく言っている。病院に連れて行っても何もないと言われ整骨院に週一で通っている。


私の息子の大輝(おおき)が生後6ヶ月になったころ、大輝がばあちゃんにくっつくようになった。ハイハイしてばあちゃんの元へ行ってはケラケラ声を出して楽しそうに遊んでいる。

「華ちゃん、(おお)くんが私から離れなくて可愛いのよ〜。」

ばあちゃんが嬉しそうに言ってきた。そりゃぁ曾孫がここまでくっついてきたら嬉しいよね。

「大輝もばあちゃんと一緒にいるのが楽しいんだよ。ニコニコしててこっちまで楽しくなるよ。」

私はそう言って洗濯物を畳んでいた。


『うぇーーーーん』

大輝の泣き声が聞こえてきた。

私は急いでばあちゃんと大輝の元へ。

おもちゃで頭をぶつけて泣いたらしい。

でも膝が痛いとしょっちゅう言っているばあちゃんが大輝を抱っこしている。

「えっ?ばあちゃん、大輝のこと抱っこして大丈夫なの?」

膝が痛いのに大丈夫かと思いばあちゃんに言った。

「何が大丈夫なの?大くんが泣いているんだもん。」

「ばあちゃん膝が痛いんじゃないの?大丈夫?抱っこ代わるよ。」

「あー、膝ねぇ、そうだ痛かったんだ。」

私に聞こえないくらい小さい声でばあちゃんは言った。


それから一週間が経ってばあちゃんが思い出しかのように膝が痛いと言ったので私が

「整骨院連れていこうか?」

と言うと

「いや、大丈夫かも。整骨院お金もかかるし。」

ばあちゃんが小さい声で言った。

大丈夫かも って。今まで整骨院かかっていたのに急に。きっと曾孫の力だ。ばあちゃんも大丈夫だと言っているし今度膝が痛いと言ったら整骨院連れていこう。


何年も膝が痛いと言っていたばあちゃんは重いものを持つことを無かったが、毎日大輝と遊んでは抱っこして、お米が10キロ入っている袋を軽々と運び、大輝と よーいドン で庭で走り回るようになった。


それからというもの、かれこれ2年近く経つがばあちゃんは膝が痛いと一度も言っていない。


「ばあちゃん、膝はもう大丈夫なの?」

2年も膝のことを話していないので久しぶりに聞いてみた。

「膝?私の?」

ばあちゃんが不思議そうに聞いてきた。

「うん、前は膝が痛いって言ってたからさ、最近どうかなー。と思って。」

「もう大丈夫だ。心配ない。ただボケてきたのがねー。」

膝の話と違う!ボケてるのは歳ではなく天然だよ!

と言おうと思ったが我慢して

「そっか。ばあちゃんには元気でいてほしいからさ!」

と、私は明るく言った。

「うーん、私は後は死へのカウントダウンだけだからね。」

暗い顔でばあちゃんが言ってきた。

おーい、急に何か怖いこと言わないで。なんて返したらわからないよ。

「大丈夫。」

これしか言葉に出なかった。

「まあ、私は病気もしていないし大くんと一緒にいたら長生きしちゃうわ、あはははは。」

ばあちゃんが大笑いした。

「あ、うん、長生きしてよね。」

なにこの急展開。びっくり。笑っているし気にしないようにしよう。という気持ちを込めて話した。

「さて!お外へ言って走ろーう!」

ばあちゃんが大輝に向かって元気よく言った。

「おー!!!!」

大輝も楽しそうに返事をして2人で外へ行った。

っておーい!2人で外へ行くのはいいがうちの横は大通りで危ない。

「ちょっと〜!私も一緒に行くから待って〜!」

私も外へ行き、ばあちゃんの走っている姿を見ながらしみじみ今日も平和だと感じた。




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