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うちのばあちゃん  作者: 戸神奏英
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ばあちゃんのメガネ

うちのばあちゃんはメガネをかけて左手で字を書いて右手でお箸を持つ。


そんなうちのばあちゃん、夜寝るのが遅くて朝起きるのも遅い。だいたい9時起床だ。

私は息子と7時頃には起きてお着替えしてすぐは朝ごはん食べないので家の中で遊んでいる。


「おはよう〜」

いつものように ばあちゃんが起きてきた。

ばあちゃんが起きてきた時は私は息子に朝ごはんを食べさせていた。

「おはよう!」

私が言うと横で息子が

「あはははは」

と毎日恒例のひいばあちゃんが起きたら大笑いをした。この恒例の大笑いは今でも謎な習慣。


ばあちゃんは朝起きたらすぐ朝ごはんを食べる。

「今日も朝ごはん美味しい。」

ばあちゃんが私を褒めてくれた。

「ありがとう。」

私はばあちゃんの顔を見ず、そう言って黙々と息子にご飯を食べさせている。

「これは卵焼きかい?」

いや、どうみてもそれは 沢庵(たくあん)

見たからに形が違うでしょ。

「それは沢庵(たくあん)だよ。」

朝から相変わらずボケてるな〜と思いながら返した。

「あ〜沢庵(たくあん)かい。色が似てて。なんだか今日は目がぼやけるんだよね。歳かな。」

ばあちゃんはなんでも歳のせいにする。昨日まで見えてたものが1日で見えなくなるとこっちまで不安になる。

「ばあちゃん今日眼科行こうか?」

私はそう言ってばあちゃんの顔を見ると


「ば、ば、ばあちゃん!!!メガネ、メガネしてない!ちょっ、やめてよ、目がぼやけるのは歳関係なく病気でもなんでもない!メガネしてないだけだよ!」

呆れながらというか笑いながらというか・・・で、私はばあちゃんに言った。

「あらやだっ、ほんとだ!」

ばあちゃんは目に手を当てて言った。


ばあちゃんが自分の部屋にメガネを取りに行ってメガネをして戻ってきた。

「あ〜、これでやっと見えたよ〜。」

ばあちゃん、あなた、起きてきてから今まで見えなかったのかい?まあ、いっか、一件落着。


それからいつも通り平和に過ごしていてお昼すぎたころ広告を見ていたらメガネ屋の広告を見つけてメガネが安いことに気づいた。

「ばあちゃん!メガネ安いらしいよ!ばあちゃんのそのメガネ結構前から同じのしてるよね?」

とばあちゃんに聞いた

「このメガネはまだじいちゃんが生きてた頃に買ったんだけどそのころはまだ若かったでしょ?華ちゃんが生まれる前ぐらいだからね、それからずーーーっとこのメガネしてるの。」

安定のばあちゃんの昔話。って、おい、じいちゃんが生きてた頃って・・・えっ少なくとも15年前?ん?私が生まれる前って24年前?どんだけばあちゃん同じメガネしてるの!

「ばあちゃん、メガネ買いに行こう、新しいの作ろう!私がプレゼントするから!」

息子も連れてメガネ屋へ。


2時間ぐらいメガネ屋にいてやっとメガネが完成!


「こちらです、どうぞメガネをしてみてください。」

店員さんに言ってもらい新聞も用意してもらって新しいメガネをすることに。

「えっ、えっ、えっーーーー!」

ばあちゃんが驚いている。

「どうしたの?メガネ合わなかった?」

私は心配になりばあちゃんに聞いた。

「すごいよ華ちゃん!よーーーーく見える!こんな世界があったのね!」

そっちかーい!

よく考えればそりゃそうだよね、56歳から80歳まで24年間も同じメガネしてればそうなるよね。

「よかったね」

こんなに喜んでもらえたなら私も満足。

「華ちゃん、ありがとう、この日のこと一生忘れないよ。」

ばあちゃんに一生忘れない って言われたら変な感じがするなぁ。


家に着いてお父さんが仕事から帰ってきた。

「あれ?ばあちゃんメガネおしゃれになってるけど、どうしたの?」

お父さんがばあちゃんに聞くと

「なんのこと?」

ばあちゃーーーーーーん、昼間のあの忘れないって言葉はどこいったんだーーーー!!!!

「ばあちゃん、メガネ買いに行ったでしょ。」

私が呆れて言った

「あー!そうなのよ、華ちゃんが連れて行ってくれて、メガネを買ってくれたの。人生が変わった日だったよ。」

ばあちゃんも大げさというか・・・。

相変わらずばあちゃんも天然だけどそんなところも好きなんだよなー。


ばあちゃん、メガネ大事にしてね。

もうメガネを買った今日を忘れないでね。




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