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戦争は宣言により始まる

初めての投稿となります。よろしくお願いいたします。

挿絵も描いたので貼ってあります。苦手な方も居ると思いますが、あった方がいいと思ったので貼りました。苦手な方はすみません。


アドバイス等、よろしくお願いいたします。

投稿頻度はたぶん遅いと思います。挿絵はあったりなかったりすると思います。

挿絵(By みてみん)




 生物が、物理的に到達できる最高地点を「F」と言う。

 だが82年前に突如として、その地点Fを超える生物たちが現れた。

 人々は科学的に説明のつけられないその生物達を「魔物」と呼んだ。



挿絵(By みてみん)



・prologue


 最高地点、それは限界と言う意味ではない。努力でどうにかなる、努力が報われる、そういう範囲の頂き。ある種の常識とも言えるもの、それが最高地点。生身の人間にとっての山頂と同じだ。

 山頂というのは、頂きに登った達成感と同時に高揚感を与えてくれる。だが、それだけではない。天才は時折雲の上の人物と称されるが。その分厚い雲を自らの足で超えて頂きに立つのだ、優越感だってある。

 それになによりも、美しい景色が見れる。

 そして気付く、山の頂き、その上には星がある事に。自分の小ささ、世界の大きさを思い知る。


 雲の上の人物と称される天才。魔物とは全生物にとっての雲の上のその上、言わば星。星が墜ちた存在、それが魔物。星が落ちてきたら隕石、天災だ。天才ならぬ天災。もはや生物とは思えない程の力、科学的に説明のつけられない生物。それが、魔物だ。


 その魔物の、一番初めに現れた魔物は現れ出た時にこう言って来た。そう、言葉を発したのだ。初めの魔物には知性があった。そして、名もあった――「我が名は Clown=Lord 神に創られし神の愚像、故に愚者の王。我 Clown=Lord は――」威厳と奇怪さを併せ持つ形容しがたい声。耳元で囁く王を名乗るその魔物。皆がその声に振り向いた。世界中の誰しもが耳元で囁いて来た声の主を観ようと振り向いた。

 だが、すぐ後ろには何者も居なかった。でも、数十m後方に何かが居るのは嫌でも分かった。世界中の人々の意識が数秒間、削がれ殺がれた。その事で様々な事故や問題いが発生したが、命の瀬戸際に居るその当事者達でさえ数十m後方に居る何か―― 姿の見えない Clown=Lord の存在に、魂を犯し蝕んでくるその存在に見苦しく発狂した。

 死よりも恐ろしいそれは、狂気そのもの。いやそれさえも、狂気でさえも足元に及ばない存在。それが一番初めに現れた魔物 Clown=Lord。

 この魔物のおかげで、人々は魔物は存在してはいけない存在だと理解した。


 この下に書いたのは、Clown=Lord 出現時の生き残りが証言・随筆したものを纏めたものだ。着色も何もしない。外見が知りたくて、調べて纏めようとしたものだ。だから、ただ纏めた。それだけだ。


「毛穴全てに目が湧き出てきてこちらを見てくる。嫌なものまで見せてくる。やめてくれやめてくれやめてくれ… 」「吹出物の様に全身に沁み出て来た口、その口が何かを貪る音が絶え間なく聞こえてくるんだ」「不純物が身体に入ってくる不快感に自我が保てなかった」「湧き出、沁み出た。嘘みたいだろ綿飴みたいだろう」「目と口を吹出物を潰す様に押し出していたんだけどね。でも、我慢できなくて掻き毟ったの―― ぶち。ガリ。ぐちゃっ。ぷち。ガリ。ぐちゃ。って」「毛穴の目が潰れて、体液とコラーゲンからなるガラス体が漏れ出てくるんだよ。爪に小さな歯が引っ掛かり、歯茎舌ごと全てが引きずり出てきてスッキリしたんだ。止められなかった」「皮膚が剥がれたあとに、砂利の様な不純物が筋線維に付着しているのに気がついてね。それが気に食わなかった」「気持ち悪いだろう」「掻き毟りたい。掻き毟る。掻き毟る」「耳の中にまで」「口の中にまで」「叩きつけようとしたら落ちたんだ。水をかけた綿あめみたいに溶けたんだよ。信じられるかい?街がね、溶けたんだよ」「数十m後方にいると感じただけで、あああああああああああああああああああああああああああ――」「私は、Clown=Lord を見たわ」


「美しかった。光の霞に包まれた様な浮遊感と非現実感を味わったわ。白く透き通る様な、霞の様な、光そのもの様な、見た事もない程美しい女の形をした存在だったわ。私が見てきたどの女性のよりも。いや、全人類が見てきたどの女性のよりも美しい、恋や愛の見せる幻想も吹き飛ばすほどに「美しい」それさへも言葉足らずなほどに。これ以上の讃え賞賛する言葉が私の使う言語に無いから。例えようがないけど。狂気さえも消え失せてしまう程の美しさ 可憐さ 儚さだったわ。狂気でさえも足元に及ばない存在。少しでも触れてしまえば消えてしまいそうな、霞の様な女性。狂気を忘れ真白になった頭の中は更に白いもので、目の前にいる白い肌で白い髪の白い瞳をした霞の様な、そんな白麗の女性の事で埋め尽くされたわ。殆どが白なのに説明しつくせない。何という情報量… 私の頭は白麗の女の美しさを超えた存在を読み込もうとしてショートしかけていたんだと思うの。美しさを超えた存在。それが Clown=Lord だと思う、だって神が創った自らの愚像なんですもの。きっとあれが Clown=Lord よ」

「狂った正常位の様な奴だ」

「俺も Clown=Lord を見たんだが、理解したよ。あれは神様だってね。漫画やアニメとかだとピエロって裏切り者で食えない奴って印象だけど。Clown=Lord を見たときに思ったよ、ピエロ達は誰にも忠誠を誓わないんじゃない。ピエロ達は唯一 Clown=Lord にのみ不変的な永遠の忠誠を誓っているんだなって思ったよ。愚者の王どころか、神様だよ」




 正直、このれはよく分からなかった。幽霊やUFOと同じで見た人にしか感じた人にしか分からないものだと思う。見たり感じたりが無ければ無いのと一緒だ。

 狂気や美しさを超えた存在なんて知らない。感じ取った事が無い。百聞は一見に如かずとも言うし、いくら調べたり説明されても感じ取れなければ分からないこともある。でも、それでも発見はある。

 今回の調べて分かったことは、Clown=Lord の言った言葉の全文、その音声記録だ――「我が名は Clown=Lord 神に創られし神の愚像、故に愚者の王。我 Clown=Lord は此処に、神が死んだ事や遺言などを伝えにきた。

 三十神居る神ノ子が持つ全てのワールドに同時に話している。

 まず、先程も言ったし、そもそも分かっている事だと思うが、神は死んだ。

 そして次に遺言だ。言い直しはしない、質問も受け入れない。聞き逃し無きように」


 Clown=Lord はそう言うと一拍おき、再び話し出した。話し出したが、その口調は先程とは違っていた。


『あー、元気かい?子供達よ。私は、死にました。ビックリしたかい?神も私も死ぬのです。怖いよねー、君達もいつか死ぬんだよ。

 私の存在を、力を別けることで産まれた君達、私の子供達。一番上が<トキ>、次が<アイ>、そんな感じで名前付けて行って最後の三十番目が<カエ>だったね。存在を、力を別け与えることで君達を生み出した結果、私には死が出来ました。それで死にました。

 で、本題なんだけどね。

 さっきも言ったけど、いつか君達も死にます。んで、神が全員居なくなるとけっこう面倒な事が起こるので。《次の私を決めるゲーム》をします。私達の様な神々同士が戦うと、余計に面倒な事になるのでゲームをして決めます。君達ならもう気付いたと思うけど死なない方法は、私が別けた全ての力を存在を再び一つに集約する事です。

 なのでゲームに参加しないという事は、そのまま死を意味します。まぁ、勝つ事を志すように。

 で、ゲームに勝って集約点になることが決まった神が私の代わりとなり、死などの概念は無くなります。

 まぁ、こんな感じです。

 ゲームルールは Clown=Lord が決めるので、それに従いなさい。以上、終わり』


 自分が分かっていることは、他人も分かっていると思っている者の喋り方だ。子供であり神でもある相手に話しているのだからこれでいいのかもしれない。が、私にはぶっきらぼうで、不敬だが間抜けに聞こえる。これがが神の意志なのか、Clown=Lord の意志なのかは、私には分からない。


 一拍をおくと、Clown=Lord は再び話し出した。

「以上が、神の言葉だ。理解していると思うので、補助捕捉もしない。では、ゲームルールを説明する」それかの Clown=Lord の言葉は言葉と言うよりも図の様で、直接脳に染み込み浮かんでくる様だった。


   《ゲームルール》

・ゲーム方式――《代理戦争》※敵の殲滅が勝利条件。勝つのは、一神。

・ゲーム会場――《亡き神の懐たる世界》※集約点となる神に相続される遺産でもある為、壊し過ぎるのはよろしくない。

・代理者条件――《知恵と文化ある者達》※最小・一人~最大・国家。ただし、一種類のみ。道具や住処は可、家畜や菌も可。家畜や奴隷、眷属でも一定以上の知恵ある者は不可。

・開催期間―――《最後の一種類に至るまで》※繁殖して増えた者も代理者として認める。だが、他種族との混血者は上記のルールに反する為認められない。その為、会場に移ってからの他種族との繁殖行為やそれに準ずる行為で産まれた者は代理者としての資格は無いものとする。

・殲滅認定条件―《文化と生命の死と消滅そして場外処分》※特定の慈悲ある処置などは例外とする。戦闘の意志無き最後の一人には温情を。

・禁止事項―――《神の手》※神は手を貸してはいけない。これは、代理戦争である。

・開催日――――《     》※異論は認めない。


「準備し励め。以上、終わり」



 これが、Clown=Lord の言葉の全文を収めた音声記録だ。音声記録、つまり、直接 Clown=Lord の言葉を聞いているわけではないのに、言葉が脳に絵を、図を書いてきた。空白に聞こえた開催日が脳に直接書かれた始める――世界が違えば時間などの概念も変わる。同時に30もの世界に話しているからだろう。空白に聞こえたソレが脳内で形になった。

「47年後」Clown=Lord が現れた日から47年後がゲームの開催日。私にはそう感じた。その日から私達の神は、ゲームの為の準備に励んだ。

 そう、私達の神は、世界に魔物を生み出し、それを続けた。他の世界でも同事が起きただろうな、それで死んでいった者達も多いだろう。でも、私… いや、私達。そのご先祖様は勝ち抜き、代理者に選ばれた。

 三番目に産まれたウミそれが私達の神だ。私達はその神に選ばれたのだ。


 そして、それが、82年前の事だ。

 ゲーム会場である《亡き神の懐たる世界》では、時間も言葉もほぼ全ての感覚、それを示すものが全てが統一された。

 そこで私達は知った《亡き神の懐たる世界》の現地民達が言う『魔物』とは私達の言葉で言う『私達』だった。

 私達代理者は、魔物だった。








「ご先祖様達は何故、魔物と言われながらも戦ったんだ?」まあ、戻りたかったのかもしれない。でも私は、この《亡き神の懐たる世界》で産まれ、生きてきた。そして、これからも… 「 …そうか、生きる為に戦ったのか、戦うのか。当たり前の事だよなぁ」世界は戦うように出来ている。世界が変われどそれは変わらない。

 でも、良し悪しはある「できれば、知識、頭で戦い競い合いたいなぁ」だが、無理な話だと思う。文化が違いすぎる。

 でも「将棋と言ったか、アレはなかなか面白かったなぁ」将棋と言う、三十番目の神の世界から来た者達、人間と言う種類の魔物が持っていた駒盤だが、なかなか面白かった。私好みだった。僅かではあるが、分かり合い繋がれる事もあるのだ。

 だがそれも『かった、だった』だ。もう、する… いや、指すと言うんだったか、もう指す者は居ない「消えた者の方が面白かった。なんて事は、よくある話しさ」強さと面白さが同義語だったなら、どれだけ良い事か「面白いなんて、感覚なんて、個人の自由」統一すべきではないものだ。だから無理な話しなのだ。

 でも「母国語を失わない共通言語は面白い」まあ、神からしたら、下らない事なのかもしれないな。そちらの方が、都合が良いからそうしただけだろう。

 踊らされているに過ぎないが、『私達』は所詮『魔物』なのだ。代理戦争と言うゲームに、ギャンブルに種族としてベットされた魔物と言う名のコインに過ぎない。『私』は所詮その『一枚』だ。


「楽しめればいいさ。踊らされようじゃないか。回り続けようじゃないか」パートナーのリードが上手ければ、知らない曲でも楽しめる。『パートナーへの信頼と好意が無ければ成り立たない』と言われれば終わりだが。神が相手で、そんな事を言う奴は居ないだろう。

「今日はここまでにしよう、情報収集は大事だが。これ以上、短い休みが短くなるのはごめんだからなぁ」私は秘匿回線プラグを左手首から抜き取り、情報流出防止の為のプロテクトを切った。私の使っているプロテクターは、直接接続情報以外全てをシャットダウンしてしまうので使い勝手は悪いが。ブレスレット型で取り扱いが楽だし、安心して情報収集と閲覧ができるので愛用している。


「失礼致します。5766大佐」プロテクトを切った事で、私の思考回線にメッセージが飛んできた「急ではありますが、先日の人間の殲滅について。その報告会の時間が、今から10分後となりました。ご了承ください。場所は A-367㊥です」

 私の短い休憩時間の終わり、それを告げるメッセージだ。(無視できたら楽なのになぁ)と思うがそれは出来ない「ああ、分かった。今から行く」メッセージを送った私は、休む為に身を委ねていた流動体マットから体を起こし部屋を後にした。

 したことへの評価を受けに、責任を取りに行く為に、昨日も今日も明後日も戦い続けるのだ。

「会議や報告会みたいな頭の戦いは、好きじゃないんだよなぁ」このゲームを終わらせて、愚痴が漏れなくなるまで休みたいものだ。

お読みいただきありがとうございました。

以上が、prologue となります。次からが本編です。たぶん…

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