第七話 「始業式の翌日」
「行ってきます!」
俺は学校へと向かう。
今日は始業式の翌日でオリエンテーションが行われる。
「あ〜 早く話して〜」
いつもなら面倒くさがる、その行事も今は楽しみでしかなかった。
普段より早い足取りで学校へ向かう。
「おはよう〜」
新学期初日だが、二年目ということで、いつもとは変わらない様子だった。
そうだった、一つだけ違っていた・・・・・・
窓際の席を見渡す。
「サヤカちゃん、ウチの学校の教科書持ってるの?」
「まだ届いてないんだ。届くまで見せてもらえると助かるなっ」
次は教室の後ろ側だ。
「も〜 モモちゃんやめてよ〜」
「肌すべすべで気持ちい〜」
そして、廊下からは大きな声が聞こえてくる。
「やば〜い、遅刻する〜!」
「ユイ、ギリギリセーフだね」
そう、昨日転校してきた彼女達、俺の元妹候補の三人がいること以外は。
話しかけたい・・・・・・
でも、今話しかけに行くのは難しそうだな。
「席に座りなさい〜」
8時30分を過ぎ、担任の先生が教室へ入ってくる。
「じゃあ、今日は予定通りオリエンテーションをやるよ」
クラスから歓声が湧く。
その中には、もちろん俺の声も。
「みんな積極的に交流して仲良くなってね〜」
「は〜い」
みんなと・・・・・・ いや、今日の俺の目標は、ただ一つ。
「彼女達に俺の名前を覚えてもらうんだ」
午前中のオリエンテーションが始まるーー
続きを書く予定のなかったこの物語ですが感想をくれる方が何人かいらっしゃり、とても嬉しかったので続きを書いていくことにしました。
週1更新となりますがぜひこれからも宜しくお願いします。