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冥界

作者: 柊也

嘆く夜 小さな赤児 俺を呼ぶ

夜空から手招きをする見知らぬ児

悲しみを殺すためにと歩こうか

星空を歩いてみてはおもしろい

目の前を横断するは流れ星

色々と言ってるうちに見えてきた

見知らぬ児 小さな赤児 笑ってる


目の前は 透き通る水 花畑

花達が笑っているよ 向こう側

目の前の河を渡れば花畑

あの花の一つ一つが亡き命

魂が花となっては笑ってる

様々な魂がある 様々な

花達が笑っている 仲良さげ


河渡る 大きな悔いもあるもんだ

出る涙 流れる涙 落ちていく

水かさも歩いて行けば深くなり

知らぬ間に顔が水にと浸かってる

河の水 俺の涙と混ざり合う

あそこにも思い出話ありまして

夭折もやはり悲しいものでして

でも渡る 訣別である あの世とは

もう決めた 俺はこの世で生きていく

流れ出る涙も水で洗われる


花畑 俺がいるのは花の中

一輪の花になっては笑ってる

日々経つと記憶があやふや 忘れてく

いつしかは何も考えず在るだけの

花になる? きっとそうだよ 花畑

毎日を笑って過ごして見つめるは

周囲かな しかし周りは花だけだ

ひねもすに笑っているよ花達は

儚いね 記憶もいつか完全に

消えるのだ この世の掟? 仕方なし……


永遠に明るいこの世 陽ないが

何故なのか消えない明かり照らしてる

そのせいで朝か夜だか分からない

それすらもないかも知れぬ この世では

そんな中 一羽の小鳥現れて

くちばしで俺を掴みて羽ばたいた

飛ぶ小鳥 花の俺にと語りだす


あの花達は装飾だ

ここに一人で住む者が

寂しき心惑わすに

魂だけの者集め

それを眺めて過ごすのだ

わたしは小鳥 あの世では

人が飼ってる小鳥です

人に飼われて何年も

死んだも同然 ペットとは

何て残酷 毎日を

小さな籠で過ごしては

死ぬまで同じ過ごし方

退屈のせい悲しみで

生き霊となり飛んできた

生き霊となり来てみては

あなたがいたの 驚いた

夭折なんていけません

戻りましょうよ わたくしと

上へ上へと飛んでけば

陽はないけど雲がある

厚すぎる雲 抜けてけば

あちらの世へと戻れます

戻りましょうよ わたくしと

生きてるようで生きてない

身を持って知る このわたし

綺麗な花はどうでした?

あなたが望んだものでした?

さあ、生きましょう! 生きましょう!

楽しいこともあるでしょう!

だってあなたは人間よ?

あなた次第で自由さえ

手に入れることできますよ

わたしは別に怨みなし

別にあなたに怒りなし

わたしにとって怠惰とは

運命ですよ怠惰とは

さあ、あなた方! 生きましょう!

もうすぐ抜ける 厚い雲

では、また会おう! さようなら!


寒き夜に部屋で一人で泣いていた

知らぬ間に泣きながら持つ鉛筆を

生きるとは辛いものだよ なあ小鳥

今日も俺 想いを紙に綴ろうか


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