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罠師の魔王と取説少女のダンジョン経営(旧題:六畳一間ダンジョン攻防記)  作者: 佐崎 一路
地下1階 ロクでもない魔物娘たちが増えました
12/50

地下1階 2部屋(その6)

----------------------------------------------------------------------------

Name:虚空(通称:アカシャ)

Rank::Dungeon Master

Class:Der Erlkönig

Level:8

HP:2550/2550

MP:2240/2340

Status:

・STR 297

・VIT 388

・DEX 471

・AGI 263

・INT 590

・LUK 21

Point:10001/10022

Skill:『迷宮創作(Lv1)』『召喚魔法(Lv1)』『土魔法・ピット』『ダウジング(Lv2)』『鑑定(Lv1)』

Title:『異界の魔人』『罠師の魔王(トラッパーズ・デビル)

Privilege:レアリティ☆☆☆以上装備ガチャ(1/1)[初回monster撃退・駆除特典]

     レアリティ☆☆☆☆☆以上魔物ガチャ(1/1)[初日enemy撃退・駆除特典]

----------------------------------------------------------------------------


 ダンジョンマスター生活も一週間目を迎えた。


「……いまさらだけど、俺のステータスって一般的に見て、どうなんだろう?」

「どうとは?」

「虚弱貧弱脆弱無知無能じゃ」


 テーブルを囲んで昼食(チョコ・ジャム・クリームの菓子パン三種類)を食べながら、ふとそう疑問を口に出すと、ヤミが小首を傾げ、フィーナは当然という顔でうそぶく。

 ちなみに1,000ポイントで取得した『鑑定』でヤミを見てみると、

----------------------------------------------------------------------------

Name:『Dungeon Manual』830083版(通称:ヤミ)

Rank:-NO NAME-ダンジョン専用奥義書(grimoire)

Class:禁断の魔導書の精霊

Level:8

HP:1950/1950

MP:2340/2340

Status:

・STR 275

・VIT 367

・DEX 471

・AGI 249

・INT 590

・LUK 211

Skill:『人化』『迷宮知識(Lv2)』『異界知識(Lv2)』

Title:『異界の魔人の下僕』

---------------------------------------------------------------------------

 となっていて、なんつーか全般的な能力が、俺に準拠(依存?)しているのがわかる。

 ところがこれがフィーナになると、

----------------------------------------------------------------------------

Name:Delfina(通称:フィーナ)

Rank::-NO NAME-ダンジョン一階守護者

Class:NAIAD

Level:??

HP:????/????

MP:?????/?????

Status:

・STR ????

・VIT ?????

・DEX ?????

・AGI ????

・INT ????

・LUK 11

Skill:『精霊魔術(Lv65)』『水操作(Lv89)』『水の癒し(Lv7)』『言語理解(Lv9)』

Title:『水の乙女』『神々の寵愛を受けた者』

---------------------------------------------------------------------------

 と、レベル差が大きすぎるのか、ほとんどが文字化けして読み取れなかった。

 それでもHPとMPが四桁五桁まであるのはわかるし、ステータスも一部五桁を越えているところを見ると、残りもおそらくは四桁後半なのは想像できる。

 で、これでレアリティ☆☆☆☆☆でなおかつ非戦闘系なのだから、最高レベルの☆8とかなると、どんな数字になるのかと想像するだけでも戦慄ものであった。


「……ああ、なるほど。一般的な比較対象がいないので、現状の強さを客観視できないという意味ですか」

「ふん、愚かであるな。強さとは比較するものではないぞよ。目的があってこそ成立する概念じゃ。目標を見定め達成できるかどうかが強い弱いの目安じゃ」


 納得するヤミと、なにやら高尚な禅問答のようなことを口出して嘲笑するフィーナ。


「いや、まあそうかも知れないけど、俺は俗人だから『スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?』レベルの話でないと理解できないんだ」


 俺の返答に「これだから凡俗は……」と、フィーナは眉をひそめてジャムパンに齧りつく。


「そうですね。そういった比較であれば、同じLv8程度の原住民のHP・MPともに二桁。ステータスは、いずれも一桁か多くても10台前半ですね」

「つまり、この世界の人間の8~10倍の能力があるってことか」


 幼稚園児に対するレスラーみたいなものか。

 まあ凄いっちゃ凄いんだろうけど、隔絶しているって程でもないな。


「そうですね。もっとも原住民の中には戦闘に特化した能力や、スキルを所有した者も多くいますから油断は禁物です」

 俺が調子に乗らないように念を押してくるヤミ。


 一方フィーナといえば、

「そうじゃ、おぬし『レアリティ☆☆☆☆☆以上魔物ガチャ』をまだ使用しておらんのじゃろう? この際、戦力の増強のために使用したらどうじゃ? いつまでも後生大事に持っておっても宝の持ち腐れであろうに」

 あっけらかんとガチャの使用を薦めてきた。


「「『レアリティ☆☆☆☆☆以上魔物ガチャ』か(ですか)……」」

 思わず同じレアリティ☆☆☆☆☆のフィーナをまじまじと見据える俺とヤミ。

「なんじゃ、その目は!?」


 いや、だってなあ……最低でもこのレベルだろう。下手をしたらコレが二倍になるわけだ。鬱陶しいことこの上ない。

 そんな俺たちの不信の眼差しを不安の表れと捉えたのか、

「安心せい。いかな相手であろうがこの高貴にして、天上に知られた美貌の妾が取りなして進ぜよう。大船に乗って気で存分に召喚するがよい!」

 そう胸を叩いて豪語する。


「「…………」」

 不安しかなかった。

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