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55・慎大戦物語(事後処理)

と、いうわけで、なんとか一ヶ月で更新したわけですが、拙者、今いる会社を辞めることになりまして、これからいつも以上にバタバタしてしまうので更新遅くなるかもしれません


それでもなるったけ早く書き上げますので何卒よろしくお願いします


では、慎お説教タイムスタートです

さぁ始まりました、夜喜さんとの談話タイム。またの名を尋問タイム

ベンチに正座しながら夜喜さんのお声を待ちます。前を歩く親子の視線がとても痛いです

「パパー。あの人たちどうしたのー?」

パパさんは笑顔で子供の手を引いていきます。何か通じるモノがあったのでしょう、パパさんはこっちを見て軽く頷いて行きました。きっと励ましてくれてるに違いありません

「さて、慎様」

「はっ!何でありましょうか!」

「………もっとリラックスして頂いて構いませんのに」

後ろめたい気持ちが有るのか、拙者の心が許してくれません

「慎様がよろしいのでしたら構いませんが」

夜喜さんは苦笑いしながら視線を前に向ける。あれ、何か急に重力が5割り増しした気がするんだけど

「慎様、皆様に大変人気でしたね………」

「い、いえいえ。その様な事は一切」

「慎様は歳上の方の方が好きなのですか?」

「………まっさかー。ソンナこと無いアルヨ?」

無意識に震えてしまうのは致し方あるまい。だって恐いんだもん

「慎様は、私が幾つか御存知でしょうか?」

夜喜さんの歳?えーっと、愉々姉ぇとタメと考えて、愉々姉ぇも夜喜さんも働いてるから…………まぁ高卒としても19くらいかな?さっちゃんさんは後輩なら18と見ていいと思うから…………

「19ってとこすか?」

「………14です」

「パードゥン?」

「私は14歳で御座います。奇しくも未知流様と同じで御座います」

俺はベンチを離れ、立派な太い木に近付いてしっかり捕まえてから…………メゴンっ!

「HAHAHA、夜喜さん冗談が上手いね」

「慎様、取り敢えず額の止血をさせて頂きます」

あれ、なんか視界が紅くなってるぜHAHAHA

「つか夜喜さん、本当にマジッすか?」

「本当で御座います。御孫様から伺ってると思っていたのですが」

「霞って伝えることと伝えないことってしっかり分けてるからなぁ」

クルクル包帯を巻かれながらちょっとだけ考えてみた。あれ、拙者って炉裏派だっけ?いや、違う。断じて違う。拙者的に夜喜さんの大人の仕草にズキュゥゥゥゥゥンだから…………つまり問題ないでしょ?でしょでしょ?

「よし、私的年齢対処クリア」

「………如何なさいましたか?まさか先程の衝撃で脳に」

「いやいや無い無い。ぜっんぜん問題ないで御座るよ」

「左様ですか……」

プリティーナース夜喜さんの治療が終わり、またまたベンチに座り直す俺達…………く、空気がおもてぇ!夜喜さんから半端ねぇ後悔オーラ吹き出てやがる!いや、ここでこれを解消出来たらギャルゲー的解釈でフラグゲッチューじゃね?

「あのー夜喜さん?」

「何でしょうか?」

「俺は夜喜さんの年なんて全然気にしないっすよ?」

「それはつまり、御自身が無節操であると認められるということですか?」

思わぬ返しキタァァ!

「愉々様は19ですし、沙里様は18。私は一番したで14ですから…………若ければ宜しいのですか?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

言い返せないよぉぉ!どうやっても反論できないよぉぉ!

「ま、慎様!御気を確かに!」

「いいじゃないっすかぁ!夜喜さん基本大人びてるけどたまにスッゲェ可愛い仕草するからギャップ萌えすんだもん!なんすかあの恥ずかしい時の表情、反則級に可愛いでしょ!お持ち帰りしてぇもん!」

「え……その…………ま、慎様」


「それにあのスタイルで14とかぜってぇあり得ねぇって!もし周りがロリ野郎とか言ってももう開き直るしかねぇじゃん!甘んじて受け入れてやんよ!ロリ上等だよバカ野郎!」

「…………(赤面)」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁおぐっ」

周りの視線に耐えきれなかった夜喜さんに容赦ない一撃を受けて、俺はちょっとお昼寝タイムに移行した




「………慎様の御馬鹿………大馬鹿です」

襟首をつまみ一息で担ぎ上げる。周囲を一瞥すると、今まで此方を伺っていた皆様は足早に公園を離れていきます。賢明な判断です


旅館に着くまでの間、私は今日の出来事を思い起こし、己の器の小ささを恥じておりました

愉々様の様に、ただ己の心に正直に生き、沙里様の様に強引に距離を詰め、未知流様の様に常に想い続ける

私は………慎様の隣に立つ事が出来るのでしょうか。慎様の隣に立つに相応しい女性になれるのでしょうか

慎様は何を望むのでしょうか。私は応える事が出来るのでしょうか

「慎様」

「…………」

「慎様」

「…………返事がない。ただの屍のようだ」

「慎様」

「えっと……はい」

「私は……」

「ねえ夜喜さん」

私の言葉を遮る様に重ねて話しかける慎様

「見当違いな事言ってたら恥ずかしいんだけどさ、焦らなくてもいいんじゃね?」

「焦る………私がですか?」

「うん。なんとなくね。まだ夜喜さん14なんだし、これからもっと色々な事あるんだからさ。愉々姉とかさっちゃんさん位の歳になったらでも遅くない気がするぞ。俺はちゃんと待ってるからさ…………出来ればこの台詞も担がれてない状態で言いたかった」

「…………はい」

慎様を降ろして、今度は並んで旅館へと向かいます

慎様は、どこまでも真っ直ぐな御方です。私は、そこに惹かれたのかもしれませんね




楽しかったドッキドキ京都の旅も、お別れのお時間だぜ!くっ、寂しくなんてないやいっ!

「それでは慎様、御体に気を付けて」

「夜喜さんも気を付けて。今度はあっちに遊びに来てよ」

「はい。必ず伺います」

京都はドキドキだったなぁ。刺激が一杯

主に愉々姉とさっちゃんさんが絡んだ事故だけふのぉぉぉぉ!

咄嗟に身を引くと鼻先を掠めて彼方に消える矢。間違いなく訓練用じゃなく鋭利な方だった

「ちっ、また当たらなかったじゃない」

「さ、さっちゃんさん!貴女今何したか分かってるで御座るか!」

「ただ狙っただげじゃない」

「当たればそ☆く☆し☆じゃねえっすか!」

「五月蝿いわね!」

「い、痛い!弓で突っつかないで!」

「慎を苛めちゃダメ」

「愉々姉まで!」

なんてこったでしょう。何故お二方まで駅に召喚されたで御座るか?

霞の隣にいる恋華さんはしてやったりのVサインをしているので犯人は一目瞭然。でもちょっと茶目っ気あって可愛いなぁとか思っちゃったから許すしかありませんよ

そんな事考えてたら額にくっつく黒光りする鉄砲。どんなに控え目に見ても服の中から出せないサイズです

「慎様。そんなに年上がよろしいのですか?」

「HAHAHA、そんな事無いアルよー」

夜喜さんをセンターに並んだ三人衆。ちょっとでも逆鱗にふれたら新幹線の先頭に縛られて帰宅しなければならないだろう

霞にヘルプオーラを送ってみたが既に座席に座ってにこやかに笑っていやがる。ここぞとばかりに仕返しかこの野郎

「えー、短い期間だったけどホント色々あって楽しかったです。今度は俺達の街に遊びに来てください。案内しますんで」

「ふん。暇になったらね。うちは絶対アンタ負かすんやから他の奴に負けたらシバくからね」

「ぜ、善処します」

「これ………持ってきや。うちの近くの店の菓子や」

綺麗にラッピングされたお菓子を頂きやした。うわツンデレっぽくて可愛いなぁ!

何か言いたそうなさっちゃんさんだが愉々姉ぇがずいっと割り込んで来た

「慎、今度遊びに行くから。慎の部屋に連れてってね」

「いきなり部屋で御座るか!」

「…………うん」

ちょっ、何故にそんな潤んだ瞳で熱視線送るで御座るか!もしや男を魅せる日が近いので御座るかぁぁぁ!お、落ち着け我が息子よ、ステイステーイ。よーしよし


『間もなく、発車致します。4番口でイチャついてるそこの慎、さっさと乗れよバーカ!』

えぇぇぇぇぇ!アナウンサーキレやがったぁ!つか何で名前バレてんの!

「ちょっ!愉々はん!アンタ何言ってはるの!」

「大人の特権」

「愉々はん!」

もめだしだ二人を他所にもう出発って事で乗り込んだ拙者。夜喜さんは何も言わないでずっと俺を見ている

「それじゃ夜喜さん、また今度――」

会いましょうの言葉は夜喜さんに止められた。もう瞬間移動したんじゃね?的な感覚で目の前に現れて唇を重ねられた

ファーストキスってのは甘酸っぱいなんて言うけれど、霞は痛いって言ってた

俺的に夜喜さんのキスは………こう………ふにゅってしててほのかに花の匂いっていうかいい匂いがして夜喜さんの息づかいがZERO距離から放たれてイィィヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥ!みたいな感じでどうよ!

スッと離れた夜喜さんは頬を染めながら、今までで一番優しく微笑んでいた

「それでは慎様。また、御逢いしましょう」

見計らった様に閉じる戸を挟んで、ほんの少し涙目で夜喜さんは微笑んでいた

この先夜喜さんの隣に立つなら、あの涙に応えれるだけの男にならないと駄目なんだろうな

走り出した新幹線から京の街を眺めながら、俺は自分の将来を考えていた

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