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54・慎大戦物語(下)

えーほんとお久しぶりのウドの大木です


ただただお詫びするばかりですが、もしまだ覚えてらっしゃる方がいましたらよんでやってください

よぉ、ちょっ…………待て、今話し掛けるな!…………あぶなっ!まてまてまていくら何でもそれ無理ぃっ!…………アブねぇ!今のマジ危ねぇ!

何だよ話し掛けんなよ今忙しいんだよ!

はぁ?何してんの?避けてんだよ逃げてんだよ!

ふぉあぁぁぁぁっ!死ねる!軽く死ねちまうぜ!

だから何だよ!…………は?経緯を問う?えぇいコレを見ろ!





《超回想!》






太陽サンサン!ご飯も超美味い!夜喜さんめちゃくちゃ料理上手いなぁ

心はルンルン気分でお散歩してるのだが、心なしかちょっぴり覇気を感じる夜喜さん。やっぱりちょと前の嬉し恥ずかし珍事件が原因なのだろうか?謎深まるばかりなのだが気にしたら負けなんじゃね?


「慎様、私の顔に何か付いていますか?」

「ほわぁっ!なな何でも無いでおじゃるよ!夜喜さん可愛いなぁとか思っただけでおじゃる!」

「………御冗談を」

かーわーいーいー!!マジ照れしてる夜喜さん超可愛い!

「私などの事より、慎様の事を御聞かせ下さい。高校では部活動等をしていらっしゃるのですか?」

「部活かぁ。助っ人なら何回かあるけど基本は帰宅部っすよ。家の手伝いとかありますからねー」

「慎様程の素質があれば全国も十分狙えると思うのですが」

「それ霞にも言われたっすね。でもそんなことしてたらせっかくの面白いイベントに参加出来ないじゃないっすか?」

まぁそのおかげでこうやって会いに来ることも出来るわけだし。数多の運動と言う名のリンチとか修羅場を越えてきた俺からすればルールに縛られた試合なんておちゃのこさいさいだ!

「では、慎様は高校卒業後の進路などは?」

………………。あれ?拙者大学とか行けるレベルの知能あったっけ?加弥とどっこいな筈だけどな保体意外ギリ赤点圏外だよな?

「もし………、仮に慎様が宜しければ………私共の働くゆきしろに来ては如何でしょうか?実働部隊でその才を振るって頂くと大変有り難く存じます」

あっれー?なんか就職先一件確保しちゃった?しかもすっげぇ行きてぇ!

未来の自分にアドバイスを頂くべく、電波総受信中の俺の横では夜喜さんが少しだけ不安そうに見てる表情にキュンキュンしたのは内緒で御座るよ?

「今すぐ決めて頂かなくても結構です。頭の片隅にでも留めて頂ければ幸いです」

「そ、そおっすか」

取り敢えずこの話題は回避出来たが…………いずれは決めないとなぁ

ぽかぽか陽気の午後の日差しの下、俺と夜喜さんは特に目的も無くふらふらと散歩を再開した





なんつぅかホントまったりした時間だなぁ。やっぱ京都ってだけあって風情?みたいな感じのオーラバンバンくるぜ

おぉ!生舞子Han発見!ビバ京都ぉぉ!

「慎様、彼方の舞子は観光の方ですよ。本来舞子は夕時から仕事が始まりますので日中あの様に出歩く事は滅多に御座いません」

「なんですと!あぁ夢が一つ壊れてしまった」

「慎様は、舞子が御好きなのですか?」

「京都=舞子のイメージがガキの頃からあったからなぁ。でも今は中居服も捨てがたいと思う今日この頃」

「そうですか」

夜喜さんスマイルきたぁぁぁぁ!あれか?今ギャルゲー的解釈だと高感度+1だろ!ふほほほ!まだまだこれからだぁ!

「私も幼少の頃舞を学びましたので、もし機会があれば見て頂きたいものです」

「絶対見ます!いぃや見せてください!」

夜喜さんの舞だぞ!超見たいに決まってんじゃん!寧ろ俺が舞う!

「阿波おどり…………でしょうか?」

「いえ、適当音頭でございやす」

そんなちょっと恥ずかしさに攻め立てられてる拙者を他所に、夜喜さんに近付く二人の影。制服姿なので学生さんかな?

ちょっと茶髪気味で活発そうな女子高生さん。あぁ、加弥をおっきくして髪切ったらこんな感じだ


隣の子は割りと大人しそうな感じだな。黒髪といい佇まいといい京美人って感じだ。お二人ともなんか釣竿入れる様に長いの背負ってるけど…………いやいやライフルなんて一般ピーポーは持ってないな。ふぅ、よくよく考えたらあの旅館軍隊とそのお知り合いが武装してるだけだもんな

「あっれ?宮蔵さんじゃない?今日って非番………もしかしてデート?」

「沙里様。此方は御孫様の御友人の慎様で御座います。本日は女将より、慎様の御世話を任されておりますので京を案内してる最中で御座います」

「なーんや。残念」

頭の後ろで手を組む沙里さんとやら。その横では困った顔をする京美人さん(仮名)

「さっちゃん、宮蔵さんは先輩なんやから敬語使わないかんよ?」

「はいはーい」

「もう。宮蔵さん堪忍して下さいね。クラブでみっちりしばいておきますから」

京美人がしばくとかこえぇなおい

「御気になさらず二羽様。御二人はこれから練習でしょうか?」

「今からふーさんにしばかれに行くんよ。加減してや?」

「ややわぁさっちゃん。部長に逆らったらあきまへんよ?」

うわすっげぇ嫌そうな顔。鬼部長みたいだなふーさん。それにしても又々夜喜さんのお知り合いみたいだな。愉々姉ぇとは同級生っぽいからこちらは後輩さんかな?

すると今度は俺に視線を向けるお二人。取り敢えず年上っぽいから気をつけ!!

「はじめまして。藤坂慎です」

「あらご丁寧に。うちは二羽りせ、よろしゅうね慎さん。京には旅行にでも来はりよったの?」

「そんな感じです。修学旅行で来たけどあんま観光出来なかったんで」

「ほな今日はゆったり観光しはってや。ほらさっちゃんも挨拶せないかんよ?」

しかしさっちゃんさんは何やら眉にシワを寄せながら見て…………いやもうハッキリと睨んでるよ。俺怒らせたりしてないよな?…………存在か?存在がそんなに気に入らないのか!

「うちは金城沙里。あんた…………なんか武道習ってたりするんか?」

「武道?いや暴力は振るわれまくってるけど格闘技とかはやってないですが…………何故に?」

聞くと同時に身を屈めて後ろに跳ぶ。微かに頭上を横切った風に嫌な予感を募らせながら体勢を整え追撃に備える

「何もしてへん奴が今のを避けるんかい。完璧に不意突いたつもりなんやけどな」

「さっちゃん!宮蔵さんとこのお客さんに何してはるの!」

「流石慎様。無駄の無い動きですね」

「く、宮蔵さん?何言ってはりますの?さっちゃんがお客さんにこない失礼なことしてはるのに」

しかし夜喜さんは、それが当然であるかの様に微笑みながら首を傾げる

「女将が、ただの一般の御客様の御世話に私を選ぶでしょうか?」

「…………」

「つまりは慎様も………私達と同じ、と言うことです」


「いや、なんか怒らせたならごめんなさい!ほんに堪忍したって!」

「…………うち、こんな弱腰の男に避けられたんか。へこむわぁ」

「と言いつつあからさまに狙ってますよね?」

「…………なんで分かるんや?」

「いや、雰囲気って言うか微妙に構え直してる辺りからなんとなく…………」

「ほんま何者なん。うちこれでも腕には結構自信あるんよ。これでゆきしろに内定もろたのに」

「…………それってあの改造重火器振り回して覗き滅却したり、月一で飛び降り紛いの軍事演習やってるあのゆきしろの防衛隊っすよね?」

「そうや。なんで知ってるん…………まさか覗き」

「……………………はは。まさか、いやそんな事しししてませんよ」

ここここ殺される!侮蔑の眼に射殺されてしまいそうで御座る!

「沙里様。先に申し上げておきます」

天の救いの如く現れた夜喜さんは、誰もが騙されてしまう程の微笑みと、恥じらう様に朱に染めた頬に手を当てながら

「慎様は、私を楽しませて下さる事の出来る、数少ない逸材で御座います」

そしてキッパリと言っちゃいました

「少なくとも、御二人よりも上です」

なんでしょう。今目の前のさっちゃんさんからとんでもねぇ殺気感じるんだけど。それに獲物を握る手に力入ってるし、構えからして…………棍じゃ無い

「薙刀か」

「ご名答。よう分かったな。うちらこれでも全国大会連覇中なんよ」

袋から引き出された薙刀を片手で器用に回しながら視線を全く反らさないさっちゃんさん。やっぺ、目がマジだ

「こっから本気でいこか。宮蔵さんがそこまで言うならうちらも引っ込みつかんからな」

「夜喜さん!事態が悪化してるよ!どうするのさ!」

「慎様、ファイト♪」

「卑怯って思うけど可愛いなこんちきしょう!」




《超回想終了!》



分かったか!避けてる意味が分かったぁぁぁぁ!掠った!今おでこでチっていった!

「ちっ。惜しい」

「こっちもか!」

「なんで当たらんの!なんでこれだけ狙ってるのに当たらへんの!」

「当たってたまるか!折れるわい!」

そんな一方的な死合を観戦する二人、一人は満足そうに頷く夜喜さんと、唖然とした表情で立ち尽くすふーさん

「あ、あり得へん。本気のさっちゃんが未だに一発も…………掠るのがやっとやなんて」

「先程も言いましたが実力は慎様の方が上です。ただ、慎様は女性に手を上げるのが少々苦手なようで、反撃しないからここまで長期の勝負となってるのでしょう」

「ほな、慎さんが反撃に転じたら………」

その問いに答えを出すように、割りと自然に取り出した清姫。鞘から無造作に引き抜き、鞘を此方に放り投げた


薙刀の刃音とは別の微かな音が聞こえ、確認する事も無く背に回した手で掴むと、左から横薙ぎに迫る模造の刃の先端を下から弾き上げ一歩踏み込む

沙里は弾かれた力に逆らわずに、下段から石突きを振り上げるが、左に踏み込んだ脚を軸に身を捻りギリギリで避け、沙里の目の前の鞘を放った

突然目の前の飛び込む鞘に反射的に頭を引き、身を後ろに跳ぼうと地を蹴る瞬間すくい上げる様に脚を払う

「きゃぁっ!」

後は頭から落ちない様にギリギリながらキャッチ。あれ、お姫様だっこするのって我が家の妹様以来だな

「二羽様、御理解頂けましたか?」

「…………はい」

「それにしても沙里様、なんて羨ましい」

「え?」

「………何でも御座いません。御気に為さらず」

なんかちょいと恥ずかしそうな夜喜さんにキュンキュンしながら、さっきから黙ってるさっちゃんさんに視線を落とす………え、ちょなんか泣きそうなんだけど!もしや足払い痛かった!

「うわぁごめんなさい!痛かったっすか!」

「ぐすっ。負けた………」

「く、悔し泣き?」

思い出した様に困った顔をするふーさんはチラッと夜喜さんを見ながら

「さっちゃんは昔から負けず嫌いで、ゆきしろの入社試験で宮蔵さんに負かされた時はほんま慰めるの苦労したんよ」

思わぬ暴露に真っ赤になりながり睨んでくるさっちゃんさん。だけど縮こまりながら涙目の上目遣いなんでただ可愛いだけなんだよね

「…………いつまでこうしてる気なん?」

「ふぉあ!申し訳ないで御座る!」

いそいそと降ろして、ふーさんにヘルプアイを送るとご免なさいっぽい返信が返ってきた

「…………」

背を向けて薙刀を袋にしまうさっちゃんさん。こっちに向くと同時にさっき仕舞った薙刀を思いっきり振って来やがりましたが何とか避けて臨戦体勢

「慎………だったよね。うちに完勝したのは宮蔵さんにうちの爺ちゃん。それとあんただけや」

「あー、その、光栄です?でいいのかな」

「必ずあんたしばいたるから、それまで他の奴に負けたらいかんよ」

「えっと、善処します…………あ、夜喜さんには勝てる気がしないんすけど」

「宮蔵さんは例外やろ。うちも全然勝てる気せーへん」

やはりゆきしろ最強は夜喜さんらしいな。恐るべし闘う中居さん

「………………それと、強い男は嫌いじゃない」

「ふえ?」

「………あぁもうまどろっこしいのは嫌いなんよ!今すぐ携帯出しや!」

「イエッサー!」

反射的に携帯を出してしまいなんかよく分からない展開のまま赤外線通信でアド交換しちゃったのだが…………痛い!夜喜さんの視線がチクチク刺さるよ!



「ほな、うちらは学校行きますさかい、失礼します」

「…………じゃあね」

さっちゃんさんとふーさんと別れて、またもや夜喜さんとぶらり旅再開。やっぺなんか夜喜さん超こえぇ。あぁサンサンと輝く太陽が憎いぜ

「慎様」

「ひゃいっ!な、なんで御座いましょ」

「沙里様の事、どう思ってらっしゃいますか?」

「さっちゃんさんすか?どうって………ちょっとおっきくした加弥みたいな感じでなんか親しみやすい?あと怒らせたら怖い」

ピッピロピロ。ピピロピロー。おや?携帯にメールが………さっちゃんさんだ

【あんたうちの悪口言ったら堪忍しないかんね】

こえぇ!

「慎様…………皆様に大人気ですね?」

殺される!今確かにな殺気を感じた!尋常じゃないくらいの殺気臭がプンプンする!おらぁドッキドキだぁ!

「慎様、そこにベンチがありますので、お話でもしませんか?えぇじっくりと」

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