43・夏休みとメリーさん
作者「新年!あけましておめでとうございます!」
一同「おめでとうございます!」
作「21年になりました。作者は今年で22になります」
霞「いらないからそんな情報」
作「霞君のハーレム地区は拡大しています」
霞「ホント勘弁して。これ以上増員したら消えてく人出てくるから」
作「知ったことか!芸術は爆発だ!」
霞「おい誰か、ここの痛い眼鏡に虐待教えてやって」
作「群がるな!お前等我先にと群がるな!」
霞「それでは本編をどうぞ。後書きには作者の作家仲間からのコメントが届いてますのでどうぞ」
夏休み
皆一旦家に戻り道具を纏めいざ行かん!っといった勢いで我が家に押し掛けてきたいつものメンバー。真っ先に来たのは意外にも慎
頬をぷっくり腫らしながら爽やかな笑顔でやってきた慎は着替え一式と野菜の山
「いやー母上がいつも世話になってるから持ってけってさ」
「お、すまないな。丁度欲しかったんだよ」
「気にすんな。それよか通知表見せたら案の定殴られてさ。今まで生きてて初めて『メメタァ!』って叫んじまった。意外にいいなメメタ」
「知らんがな。取り敢えず荷物は俺の部屋に置いとけ。二人が来たらメシだ」
「メメタァ!」
慎は出来そうで出来ない微妙なポーズを残し二階に姿を消した。深娜は部屋の整理をしてるみたいだしサクッと料理始めますか
せっかく頂いた野菜もあることだしパスタとサラダならすぐ出来るな。鍋に水を注ぎコンロにセット。野菜の鮮度と味は保証済みだから軽く千切って盛り付けるだけっと。沸騰したら塩を少々。豆知識だか塩を入れておくと沸点を高めて早く仕上げてくれるし沸騰した時の吹き溢れの心配がない。是非試して頂きたい
「霞ー。お世話になりまーす」
どうやら加弥が到着したみたいだ。顔を出すと玄関には大量の荷物が積まれていた。これは・・・・不味いな
「いやー暑い暑い。外凄いよ。遠くが歪んでるもん」
「それよりなんだその荷物の量は。まさか一人で担いで来たのか?」
「まっさかー。父さんに車で送ってもらった。そしたら家族総出で来ちゃってさ・・・・」
気まずそうに頭を掻く加弥の後からご家族の皆様が入ってきた
「えーっと、父さんと母さん。それと弟の良樹」
「すみません家の娘がお邪魔しちゃって」
加弥母はペコペコ頭を下げて加弥が恥ずかしそうに俯いている
「お構い無く。此方こそ大事な娘さんを預かる身ですので不備の無いよう努めさせて頂きます」
するとにこやかに笑っている加弥父と弟君が手招き。近付くと隅っこに追いやられた
「娘に手を出したら承知しないからな」
「兄ちゃん、姉ちゃん泣かせたらぶっ飛ばすからな」
何この親子おっかねー
「いや、加弥さんには一切手を出しませんから」
「テメェ、あんな可愛い娘に手を出さねえって気は正気か!?」
「姉ちゃんの可愛さが分かんねーのかよ兄ちゃん!」
この親子わけわかんねーよ。シスコン弟と子離れ出来ない父にも程があるぞ
「父さん!良樹!霞に何吹き込んでるの!」
加弥の一喝で逃げるように外へ走り出す親子。大甼家の力関係を垣間見た気がした
「それでは野崎さん。一ヶ月娘を宜しくお願いします」
「え?あ、はい。此方こそ宜しくお願いします」
加弥母は頭を下げお帰りになった。さて、一ヶ月とはどういうこっちゃ加弥嬢。抜き足で深娜の部屋に荷物を持ち込もうとしてる加弥はビクッとして空笑いをしている
「お手伝いするから見逃して♪」
「ウインクして可愛いポーズしても説明になってないから。それと深娜の部屋にその荷物は無理だからそこの部屋に置いといてね。慎!寝てねーで手伝え!」
「メメタァ!つかなんでバレた!」
「何分降りてきてねーんだ!さっさと手伝え!」
「メメタァ!」
さっきからうっさいな
加弥の荷物を持ち上げようとすると玄関先で車の停車音。ちょい待ち。まさか先塚さんもこんな荷物なんじゃ
「こんにちは。今日からお世話になります」
意外に小さい荷物ですね。いや流石洸夜。加弥みたいに無断で一ヶ月も泊まる神経してないみたいだ
「洸夜。荷物はこれだけか?」
「ん?今から父さんに運んで貰うけど」
洸夜さん洸夜さん。貴女もそんな荷物の量ですか。素で泣きますよ
「娘をよろしくお願いするよ霞君。それじゃ記念に一枚」
然り気無く隣に洸夜が移動してツーショット。そういや洸夜のパパさんプロのカメラマンだったな。父母そろってニコニコ笑っているのだがパパさんのカメラ捌きがエスカレートし始めて最終的に洸夜お姫様だっこまでさせられて満足そうに帰っていった
洸夜を見ると抜き足で深娜の部屋に移動しようとしてたので捕獲
「洸夜?君何泊の予定でこんな荷物になったかな?」
「えぅ・・・出来れば・・・・夏休み中居たいなって加弥ちゃんと話してて」
「・・・・なんで相談とかしないのかなー?」
「か、霞君!?」
「んー?」
「笑ってるのにすっごいこ、怖いんだけど」
「んー。取り敢えず加弥呼んできて。説教タイムはそれからね」
洸夜は無言で何度も首を振り逃げるように部屋に走り去った
「・・・・ちょっと」
「ん?どした」
「食べ辛いんだけど」
「いいのいいの。罰ゲームだから」
お二人さんは罰として昼飯抜きの刑。まあ自業自得でしょ
「ひもじいよー」
「おいしそう・・・」
テーブルの端で恨めしそうに覗く二人組。ニッコリ笑ってやると即座に目を反らし小刻みに震え始めた。そんな怖い?
「おうおう霞、結局二人の部屋どうすんだ?一部屋に三人は流石に狭くねーか?」
「隣の部屋使うしか無いな。親父の部屋だけど今は何も無いからな」
コーンスープを飲んで一息。未だに顔だけ出して深娜のパスタを見てる二人の頭に手を乗せる
「反省した?」
ものすっげー早さで頷く二人に冷蔵庫からサラダとパスタを出してやる
「ならどうぞ召し上がって下さい」
召し上がってとはいったけど問答無用で抱き付いて深呼吸はどうかと思うよ。羨まし顔しないでよ洸夜。無茶苦茶あっついんだよ
なんとかひっぺがし、居間でソファーに腰掛ける。クーラー涼しー。だらーっとしてると食事を終えた深娜が居間から歩いてくるので少し端に移動。当然のように隣に座りクーラー地帯に居座る。まあいつもこんな感じです
「あ、アイスコーヒーあるけど飲む?」
「飲む」
「ちょっと待ってろ」
カップ2つに氷と冷えたコーヒーを入れて片方を深娜に差し出す
「ほらよ」
「ん。ありがと」
来た頃の深娜なら絶対言わないありがとうも今では割と聞いている。今の深娜の方が絶対いいね
背後からの強烈な視線を成るべく無視して読み掛けの文庫を手に取る
外では蝉が短い余命を必死に泣き叫び、蝉を刈り取るべく虫網・虫籠を装備したチャイルドファイターが真夏の炎天下を走り回っている。若いっていいねぇ
「何年寄り臭い顔してんのよ」
「ん、すまん」
「別に」
「なんじゃそこのラブ空間はぁぁぁ!霞!取り敢えず謝って!」
何故か激怒してる加弥はズンズン迫ってきます
「謝れって言うかラブ空間って何それ?」
「深娜ちゃんばっかヒイキしてさ!よくよくかんがえたら告白した私達より深娜ちゃんの方が待遇いいって男としてどうなのさ!」
「加弥もいったい所つつくなぁ。でも改めて友達からよるしくって言って納得したよね?」
「それはそれ!これはこれ!」
台所からは洸夜の羨ましそうな視線がグサグサ突き刺さってきます
「じゃ聞くけど主に何をしてほしいわけ?ちゅーでもして欲しいの?」
「ちちちちちちゅぅぅぅぅ!それは・・・その・・・でも・・・あの」
真っ赤になった加弥は両手で顔を隠しながら一目散に逃げ出した
「はぁ。霞、少し言葉を選んだら。刺激が強すぎるのよ」
「ああすりゃ嫌でも落ち着く。戻ってくる頃にはまともに話が出来るだろ」
「質がわるいわね」
「加弥の扱いは昔とたいして変わらんよ」
ついでに未だ台所で見てる洸夜に視線を向ける
「洸夜はどうなの?」
「ひぇっ!わ、私は・・・・ゆっくりでいいと思うから」
洸夜は洸夜なりに考えてるのかね。まあ加弥みたいに強引だったりさっきみたいに爆発しないのが助かるんだよな
取り敢えず頭を撫でてみると眼を細めて嬉しそうにしている。たまに洸夜のネコみたいな仕草はめちゃくちゃ可愛くて思わず抱き締めたくなるのだが後の制裁の為にも我慢
ふと廊下の方を見てみると今にも泣きそうな顔の加弥がいた
深娜はチラッとみて直ぐに視線を反らし洸夜は何と無く後ろめたい感じの顔つきになっていた
これはあれか?私だけ仲間外れみたいなあれか?
「霞、取り敢えず加弥に構ってやったほうがいいぞ。へたすりゃその内泣くから」
「泣かれると俺の精神衛生上非常によろしくないな」
「まあ総合してお主が悪いんだからマニアックな所にキスでもしたら」
「慎、今日のお前の晩飯は味の素な」
「せめて茶漬けで!」
中指を立てて返事を返してからゆっくり加弥に近付く
うわマジで泣きそうだし。ほらもう高校生なんだからしゃっくりあげないの
「あー。加弥?別に加弥だけ仲間外れって訳じゃないからな。なんかして欲しい事とかあったら遠慮するなよ。無理な事は無理だけどな」
「・・・ぐすっ。いらないもん」
駄々っ子になった!え?加弥ってこんな子なの!今までの付き合いでこんな姿初めてみた!
「霞君、加弥ちゃんっていつも元気だけど打たれ弱い所あるんだ。大川さんが来た時も家で泣いてたから」
これはまぁ新たな一面ですな。取り敢えず頭をナデナデ
「・・・・・・」
そっぽ向いて黙ってるけどその仕草が可愛いなぁおい。ネコみたいだなぁもう可愛いなぁ我慢無理
ぽふって感じでハグハグ
「ひぇっ!霞!」
それからほっぺぷにぷにして頬擦りしてまた頭撫でていやもう可愛いなー。加弥の小動物的仕草は反則だな
「はっ!俺は何を!」
ふと我に返ると胸元にはとろーんとした加弥がものスッゲー熱い視線を注いでいる
何故でしょう。背中がゾクゾクとこう・・・・・真夏なのに寒気が
「かすみー」
「はい、何でしょうかお嬢さん」
「だっこー」
言うなり首に手を回し飛び付く加弥。倒れまいと腹筋背筋総動員で踏ん張りなんとか持ちこたえた。よくやった俺
昔あっただっこちゃんみたいにくっついて離れる気まるで無い加弥を仕方なくそのままにしてソファーに座り直す
自然と目線が同じになってしまい見方によっては大変イヤらしく見えてしまいます
考えるな。我無心なり
「んふふぅ。かすみー」
自我崩壊の危険。我救援を所望する!慎!慎はおるか!
「無理。洸夜の乱心抑えるのでいっぱいいっぱいです」
後方でガチャガチャ音がしてるので無理か
問題は隣だ。もし闘気が存在するならテーブルのカップが砕け散っているだろう
「かーすーみー。かすみ良い匂いするねー。なんでー?」
「なんででしょーね。それよか加弥、熱いし人目もあるしちょっとはしたないよ。と言うわけで離れて」
「や」
や、ってあんたどんだけ駄々っ子なんだよ
(ふふふ。お困りのようだなブラザー)
テメェーが出たら余計めんどくさい事になっから引っ込んでろブラザー
(ちょっ!久し振りの登場もう少しいい扱いしろよ!)
寝てろ
夕月は即再封印してチラッと横を見る。深娜は新聞を広げているが相当不機嫌らしく心なしかドス黒いオーラを醸し出している。そろそろ限界だな
「加弥。そろそろいい加減にしろよ。夏休み中そうしてるつもりか?」
「だってかすみ良い匂いするから好きなんだもん」
「こらこら近い近い!首止めて!首だけは勘弁して!ちょっ!マジで止めて!」
貞操の危機に颯爽と現れたのはやはり深娜でした。何故でしょう。彼女を直視するのが死ぬほど怖いんですけど。深娜から視線を反らすとそこには無言で佇む洸夜がいた
台所では慎のマジ泣きの啜り声が聞こえ、時折刃物はダメとか呟いている。すいませんコッチも怖いです
二人に両脇を抱えられた加弥はまるで人形の様にピクリとも動かず廊下へと引き摺られていった
未だ抜けない恐怖に勇気を打ち付け慎の元へと向かう
「か、霞。俺、必死に止めた。止めてたけど包丁持った洸夜がにたぁって笑ってさ・・・俺取り上げるので精一杯だった」
「よくやった・・・お前は本当によくやったよ」
二人で生きてる事の素晴らしさを分かち合い、祝杯のサイダーを飲み交わした
20分程して最初に帰ってきたのは加弥で虚空を見ながら笑っていた
「えっと、加弥?」
「カヤ?ちがうよ。わたしメリーさん」
思わず加弥の頭を優しく撫でた。早く治れ。早くいつもの加弥に戻れ
加弥は相変わらず心の無い笑みを向けている。ほんと別室で何が起きてたんだろ。程なく二人も戻ってきたが先程の様な覇気は無く洸夜に至っては加弥の傍でひたすら謝ったりしてる
「霞」
いつものポジションに腰掛けた深娜はカップ片手に此方を一瞥する
「ああなりたくなかったら少しは自重したら」
「肝に銘じておきます」
こうして僕達の夏休みは幕を開けた
霞「作者は逃避行中ですので作者の作家仲間、Revさんからのコメントをどうぞ」
>明けましておめでとうございます!
>
>『midKnight tale』作者のRevでございます。いや〜新年ですね…え?なんでお前がここにいるかって?
>
>ウドさんに呼ばれました(´・ω・`)
>召集です。実は友人です。帰郷したら必ず飲みに行くぐらいの友人です。
>てなわけでですね、ウドさんの粋な計らいで(ドキドキですね)出さしてもらった訳ですが…
>
>
>「アタシも出るっつってんだよ!離っしやが・・・れッッ!!」
>
>ゴッ!
>
>「いってぇよコラ!姉貴は酒飲めねぇって事バレちまったんだから少しは自重しろや!」
>
>ゴッ!バキッ!
>
>
>えぇとまぁ邪魔が入ったわけなのでお早めに…
>新年これから皆様のますますの幸せを願いましてこれにて閉めさせていただきます。
>
>是非ぜひウドさんの作品読んでくださいね〜!
>
>あと…
>
>お酒は控えめに…
>
>
>「出せやコラあぁぁあぁあぁ!!」
霞「ありがとうございました。この人飲み過ぎで作者に担がれて帰ったそうですよ。それでは皆さん良い一年になりますことを」