39・怪我の代価と小さな仕返し(あらすじ)
はい、お久し振りです。目前のGWに財布が心配なウドの大木です
今回は(あらすじ)編と言うことで次の投稿が本編的なものになります
ですので次の投稿も一歩闇で御送りします。晴れのち行方不明やノインを期待してた方はもう暫く御待ちください
それではどうぞ
生きてます俺
漸く完治致しました。本当に苦労の毎日で思い出すと泣けてきま
事故から一週間
すいません栄養のある物下さいお腹一杯食べさせて下さい美味しいのを食べさせて下さい
「おいおい、日に日に痩せすぎだろ。ほらこれ食えよ」
慎母のおにぎりを頬張る
うんめぇぇ
「何で霞だけ窶れてるんだろ?み〜なちゃ〜ん」
「・・・・・」
我関せずといった感じでサンドイッチを食べる深娜。単純にそう見えないだけでどちらも割とマジで空腹だと思う
「霞君・・・食べる?」
タコさんウインナーを箸で摘まむ洸夜。彼女から後光を感じてしまう程俺は空腹です
口元まで運ばれたタコさんウインナー。微かながら手が震え箸先のタコは逃げ出そうと懸命に震えていた
アレか?食べさせてあげようかはいあ〜んってやつか?
待て洸夜、この場でその行為は非常にマズイ!ほら、なんもして無いのに椅子持上げてるよこのお嬢さん
咄嗟に慎を見ると凄まじい早さで爽やかな笑みを浮かべ親指を立てて俺を奈落に突き落とした
深娜に助けを求めると、既に食事を終え此方を無視していた
何故でしょう、心なしか首筋に冷たい刃を当てられる死刑囚の気分だ
不味いぞ、早くせねばタコさんが落ちてしまう
ええい逝くしか無いのか
「南無三!」
素早く箸先のタコを頂き、席を素早く飛び退くも壊れたこの身体では満足に動けません
結果捕まりました
「霞!さあ大きく口を開けなさい!」
「待てぇ!なんだそのシュウマイの上に山盛りの辛子は!誰だ加弥に練り辛子のチューブ渡した奴は!ってテメェかチビマッスル!」
「俺は無実だ」
「クソムカつく程に爽やかに笑ってんじゃねぇ!夜喜さんに虚偽の報告するぞ!」
慎は暫し未来予想をし、その場に卒倒した
そして間も無く俺も悶絶の末卒倒した
更に一週間
先週本格的に生命の危機を感じた俺は何故か台所への立ち入りを禁止されていたのだが強行突入した。生きるためです
「何よ」
「俺も立ち合わせてもらう。本当に毎食パンは嫌だからな」
深娜も若干抵抗したが遂に折れ、深娜おねーさんのお料理教室の始まりである
「とまあ流れで来たがお前は料理下手ではないからな。いらん物入れなきゃいいだけなんだよ」
反論は許しません
決められた材料以外使わなければ十二分に美味しい料理を作れる筈なのです。それを意味もなくその他の調味料を無駄に使うから酷くなるのだ
「黙ってたが明日お嬢来るからな」
「!!」
「料理はお前が作る。もし何か混ぜてみろ。どうなるか分かるだろ?」
砂糖、塩、酢、醤油、味噌、辛子、洗剤
明らかに入れてはいけない物が有るがその他の調味料も入れ過ぎは非常に不味い
「俺は知らんぞ。お嬢に恩が有るみたいだが仇で返すのか?」
「・・・・ぐっ」
何故深娜はそこまで考えねばいけないのだろうか。何事も挑戦とは言うが無知の挑戦は無謀以外の何物でもない
数分の脳内審議の末、深娜が折れたのは言うまでもない
そして翌日も誰一人倒れる事無く無事食事会は閉幕した。これには後日談もあるが又日を改めてお伝えしよう
更に日にちは進み
久し振りにのんびりと夕時を過ごしている
何を隠そう深娜が料理をしているからだ
前回のお嬢訪問以来率先して台所に立つようになった深娜はその隠れた才能を開花していた
まあ決められた材料以外使わなければいいだけなんだが
『いただきます』
程なく出来上がった夕飯は、利き腕の使えない俺にも優しいクリームシチューとコーンポタージュ
大変美味です
「うん。本当に美味い。やれば出来るじゃん」
「それでもまだあんたの方が美味いじゃない。治るまでだからね」
相変わらず素直じゃないな。まあそれが深娜らしいと言えばそうなんだが
これなら皆を呼んでも問題は無いだろうな
と言うことであっという間に土曜日の夕方
「久し振りにお泊まり会だぁ〜。イェイッ!」
「い、いぇい」
無理に合わせなくていいよ。洸夜は洸夜のペースでね
「あ・・・・・うん」
うんうん本当に可愛いな洸夜は。意味もなく頭を撫でてると意味もなく加弥がチョークスリーパー
「か〜すみ〜。捻るのと外すのどっちがいい?」
どちらを選んでも待ってるのは車椅子生活ではなかろうか
「じゃあ加弥を膝枕って事でどお?」
「早く家に入ろ♪」
変わり身の早さは天下一品ですな
皆が中に入ったのを確認し、自分も入ろうとすると深娜に襟を掴まれた
「グェッ」
「何勝手に呼んでるのよ。料理する身にもなりなさい」
「あえて反論するが今まで俺はしてきたが?」
「あんたは別でしょ」
「うわ傷つくなその言い方。お嬢に虚偽の報告するぞ」
「その時は覚悟なさい」
「暴力は何も生まない。暴力はんた・・」
玄関から伸びる手は男を掴むと有無言わせぬ間に引き摺り込んでいった
「うわぁ、や、止めてくれ・・・・うひゃぁぁぁぁぁぁ!」
程なく開いた扉の奥で悶絶する男と何処か満足気な二人の少女が居た
深娜はあえてスルーした
さてさて台所は深娜に任せてもいいようだし俺は接客に力を入れますか
膝の上では既に睡眠モードの加弥と寄り掛かってウトウトし始めた洸夜
慎はシュミレーションゲーム『ふたまた』たる男としてどうかと思う最低なゲームに励んでいる
あ、主人公刺された
相変わらず呑気なものね
鍋に具材を詰め弱火で火を通す。季節外れではあるが今日の献立はキムチ鍋に決った
箸を使えない男が要ることだしたまには良いだろう
先日いらした御嬢様の話だと、あの校舎には幾つか地図には記載されていない部屋が存在する。校長室がいい例だ
私達で調べ回ったが最初に貰った地図で調べていない部屋は無い
だが今回一層目のプロテクトが解除され新しく出てきた地図には知らない部屋が増えていた
近々霞達と話し合う必要があるし完治したら直ぐに調べよう
『ちょっ加弥!寝惚けてるのか!ヤメッ止めてくれ!噛まないで!』
『ひゃむ・・・おかし・・・おかし』
『うわあぁぁ!洸夜もかぁぁ!』
取り敢えず霞の椀にキムチの素を注いでからにしよう。後慎のにも
『大川料理長!何かとばっちり受けそうな気がするんですが!』
ドバドバドバ
その夜いざ睡眠へと思っていると突然の来客
「・・・・何だ、何かおかしいか?」
「高校にもなってネコがプリントされた寝間着はどうかと思うわよ」
態々それを言いに来たのか?追い出すぞ
「そんな事よりこの前はよくも御嬢様が来ることを黙ってたわね」
「うわまだ根に持ってるのか?いいじゃん料理上手くなったし」
深娜は腕を組み不敵に笑う。まるで勝ち組の様に
「近々御嬢様の誕生日があるのよ。当然既に出席扱いにしてるから」
「・・・・・・・」
イヤーな顔をした瞬間目の前が真っ赤にいいいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!
叫びたい!叫びたいけど近所迷惑ぅぅあぁァァぁぁぁぁぁぁ!
「何て言えばいいか分かるわよね?」
「出席します是非出席させてクダサイぃぃぃ!」
「良くできました」
漸く解放された俺は床に倒れ怨めしげに深娜を見上げる
むにぃっと踏まれました
「日時は後で教えるから逃げないでね」
帰り際もう一度踏みつけ深娜は部屋を後にした
俺に慎の様な変わった快楽が無く心底ホッとした
そう、こんな日々を乗り越え今の俺が居る分けである
頑張った俺!
利き腕も完治し、朝から腕によりを掛けて作り上げたお弁当。当分これを越える物は作らないだろう
「霞、夕飯は作らなくていいからね」
突然隣で林檎のウサギを箸で摘まむ深娜がそんなことを言った
「ん?夕飯作ってくれるのか?」
「今夜御嬢様の誕生日だからよ」
「ぶふぅぅぅ!」
「ぎゃぁぁあ!」
思わず飲んでたお茶を向かいの慎に吹き出してしまった
ああ勿体無いなお茶
「おまっ!女の子ならまだしも男に吹き出されるお茶なんざ嬉しくも何とも無いわい!」
「同感だ。だがそれを平気で口に出せるお前は新性なアホだ」
久し振りにチビマッスルVSキリンのデスマッチのコングが鳴り出そうとしたが加弥と洸夜の乱入で即終了となった
無論床行きは慎だ
「ねえ深娜ちゃん、誕生日会って?」
「御嬢様の誕生日よ。悪いけど招待されてるのは二人だけなの」
ぶーぶー文句を言い出す加弥を言葉巧みに宥めながら逃亡を企てる
無論その度に殴る蹴る絞める引き摺るから具体的に抜き手や目潰し合気など様々な武道を駆使し拘束する我等が女王様
すいません勘弁してください目の前が真っ赤にいいいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!
下校時にも色々理由を見付け逃げ出そうと試みるも首輪を付けた犬(実際今腕にロープ)が如く逃げれません。トイレぐらい外してよ
「僕は無力だ」
「さっさと支度なさい」
玄関で崩れ落ちる俺はもう逃げる術を失いました
行きたくねー
「光栄に思いなさい。御嬢様の誕生日に招待されるなんて大企業の社長でもそう呼ばれたりしないのよ」
別に行ったからって何か有る分けでもないしめんどくさいし
「包丁何処だったかしら・・・・」
「わぁ今スゲーお嬢を祝いたくなった!早く行こうよ!」
僕は無力だ
加弥「加弥と!」
洸夜「洸夜の!」
加・洸『テレフォンショッキング!』
加「今回のゲストは何故か深娜ちゃん!」
深「作者が急に決めたのよ。それで、何の用?」
洸「用って言うかここでは本音で一言言ってもらうコーナーなんです」
深「なら言わせて貰うけど。霞、帰ったら覚悟しときなさい」
加「お誕生日に何あったの!まさかお嬢様って人と!」
洸「ふえぇぇん。酷いよ霞君。信じてたのに!」
『霞、覚悟なさい!!』