4・そんな悲劇の昼下がり
霞の人生初の最大ピンチに襲われてるころ、彼の通う光世高校では・・・・・。
「えー、皆も薄々気付いていると思うが」
2ーCの担任、尾崎先生は、皆に聞こえるようハッキリとした口調で話している。生徒もただじっと耳を傾けている。
「霞のことなんだが・・・・」
先生は覚悟を決め重い口を開いた
「今日、あいつは、欠席だ」
クラス全体に雷が落ちたような衝撃が走る。ざわめきがクラスを包む
「先生、なんで霞が欠席なんですか!アイツは学校を休む人ではありません。アイツがいない学校は寂しいです!」
学級委員の大武君の素晴らしい発言に
周りからも
『そーだそーだ!』
と賛同の声があがる。
先生はクラスの団結力に目が潤んでいる。
果してこんなクラスが全国にどれだけあるだろうか。テレビのドキュメンタリーに出ても問題はないくらいだ。
視線を窓際の正面に向けてみよう。そこにはビデオカメラを回す人が一名。
「はいOK、お疲れ様です」
カメラを回していたのは、後ろで髪を束ね表情に乏しいように見えてしまうクラスのカメラマン。先塚洸夜。するとクラス中で複数の溜め息が吐き出された。
「いやー疲れた疲れた」
「熱演だったねあたしたち」
「団結力がちがうからな」
口々に喋るなか先生も
「これで今年のベストムービー賞は貰ったようなものだな」果してこんなクラスが全国にどれだけあるだろうか。生徒一人を餌にこんなことを出来るクラスが
そんな外道クラスの中でも数名だけだが本気で心配してくれている生徒もいる。この生徒については後日語るとしよう