表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/61

25・英雄達、進撃せよ!

こんにちは霞です

今回のお客さんは深娜さんです



「で、何のコーナーなの?」

前書きですよ

「そんなことやる暇あるなら少しは作戦を考えたら」

いや、そんなこと言われても・・・

「いいから早くしなさい!」


・・・はい




それではどうぞ



昼休み、教室は静寂に包まれている

「今言ったのが今回の作戦だ」

黒板に記された記号の様な字の羅列

暗号化された作戦は全員に伝わった

「後は運に任せるのみ。皆、心してかかるように!」

2ーCは一つになった瞬間だ






深夜11:20分、校舎は静寂に沈み、闇に支配されていた






玄関に立つ黒い影の集団


一人は校舎の鍵を開けセンサーを全て解除する。合図が出ると影は音もなく校舎に侵入する


暗闇の中小さな動きでサインを送りそれぞれ配置につく


「これより『BSE』を開始する」

BSEとはbest school excursionの略である


「A班C班配置につけ。B班はこれより我々と共に第二生徒会室に向かう。確実に鋭兵が潜んでいる。心してかかるぞ」

『了解!』



闇に紛れる様に黒服の集団は北階段前に向かう


暗い階段の前につき辺りを見渡す

ここに敵は配備されていないようだ

階段を登りそのまま三階に行きたいところだが三階への階段は見事に封鎖されている。大量のワックスに一段毎に配置されたハードル。どちらにしてもこれを越えて戦闘に突入すればワックスにより滑る足。

負けるのは我々だ。

予定通り西階段から向かうことにする

廊下の奥は完全に見ることが出来ない。

霞他四名は暗視ゴーグルを作動、奥に敵はいない。しかし妙な物がぶらさがっている

あれは・・・・

「空き缶?」

慎は暗視ゴーグルから赤外線ゴーグルに変え、改めて見てみるとあらゆる場所から赤外線レーザーが巣を張っている

これでは完全装備の五名以外は通行出来ない。

霞は直ぐ様新なプランを作成する

「B班はこの場にて待機、先塚はA班の後藤、山下をここに呼んでくれ。慎は西通路、深娜は東通路を監視、加弥は外の監視部隊に現状報告を」

皆は迅速に命令をこなし、霞は望遠鏡で先程の缶を調べた。改めて見るとあれは空き缶に偽装された何かだ

「B班!第二防御体勢、西通路を塞げ!」

直ぐ様張られた第二防御、黒いビニールのような物が西通路を完全に封鎖する。

それと同時にビニールに何かが数十発着弾した

奇襲が終わりビニールから顔を出す霞は安全を確かめ防御体勢を解除した


着弾したものは

「くそ、ガムか。しかも誰かが噛んでた奴だ」

ミントの香りのガムが付いたこれはもう使えない。その場に破棄し、二人の到着を待つ


数分して駆け付けた二人に霞は指令を出す

「後藤、山下、二人はそこの階段を通行できるようにしてもらいたい。出来るな?」

「隊佐、舐めては困る。我々の実家は掃除専門業者だぞ」

後藤は胸を張る

「任されよ隊佐!三分以内に終らせる」

山下は雑巾をヒュバッと構える

二人は敬礼をし、階段に対峙する

「ワックスは多いからって綺麗になると思うな〜」

「早く、薄く、美しく!それが掃除の神髄だ!」

二人のプロの掃除人の手により輝く階段が姿を現す


「さあ隊佐殿!我等が研きし道を!」

「我等の想いを頼みます隊佐殿!」


「任せろ!」

三人は固く拳を握り先へと進む




三階、西階段前


「これより東通路の第二生徒会室に向かう。B班は二手に別れ移動する。南ルートの者は出来るだけ派手に頼む。我等わ2分後に北ルートへ向かう」

二手に別れたB班は一列に並び敬礼する

『我等の夢を貴方に託します。御武運を隊佐!』

「必ず叶えて見せる。君達の働きに期待する!」

武器を持つ英雄達は雄叫びを挙げ走り出した

「深娜、タイムを」

英雄に背を向ける霞は静かに告げた







「突入だ」

静かに告げた霞は低い姿勢で校舎を移動する

遠くで銃撃戦が繰り広げられているようだ


西通路を北へ向かう霞達、相変わらず暗闇に包まれている


カチ


そんな音が微かに聞こえた時、霞は叫んだ

「全員伏せろ!」一斉に伏せた皆の頭上を銃弾が通過する

直ぐ様第一防御体勢をとる霞達は少しづつ距離を縮め、敵は後退をしている。相手が角へ身を引くと同時に霞は懐から筒上の物体を投げつける

「目を閉じろ!」

その瞬間辺りは眩しい閃光に包まれて敵は目を抑えのたうち回っている


「ふん。暗視ゴーグルに頼り過ぎたな」

縛り上げた敵兵を盾の様に掲げ雄叫びをあげる


「打ち首だぞ〜!」

「落ち武者カットするぞ〜!」

「髷剃るぞ〜!」

「水責めだぞ〜!」


飛び交う銃弾は盾により防がれ(当たる度に幸せな顔をしている)一気に東通路まで攻めた


東通路、第二生徒会室前は敵の拠点により守りに徹している。スナイパーにより近付く事も出来ず、閃光弾を投げつけても打ち返す凄腕の鋭兵だ


「こちら南ルートB班、近付く事は困難かと」

「こちらも同じ状況だ。しかしここを落とせば我々の勝ちだ。勝気を逃すな」

「了解しました。指示を待ちます」

通信を切り、何か案はないかひたすら考える

「霞、挟み打ちで一気に仕掛けたらどうだ?」

「慎、あちらに着く前にスナイパーの餌食だ。恐らくマシンガン部隊も待機してるだろう」

「こっちも狙ったら?」

「こちらからでは場所が不利だ。頭を出した時点で狙撃される。第一加弥、こちらのスナイパーは二丁だけだ」


戦況はこちらの不利だ。戦況を覆す一手が欲しいが・・・・




その時頭に一筋の光が落ちる

霞は無言でサインを送る


〈合図があるまで耳を塞げ!これより対聴覚、精神攻撃を始める。絶対に聞くな!〉

直ぐ様無線で同じ指示を出す

「無線の合図があるまで耳を塞げ。必ずだぞ!」

全員が耳を塞いだことを確認し、そっと深娜に合図を送る

〈恐らく俺も精神破壊を受ける。その後の指示は任せた〉

まさかの為に準備をしていた秘密兵器が役に立つとはな・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「秘密のままの方が良かった兵器か・・・・」

ペンダントを首にかけ息を吸う



俺は女俺は女俺は女俺は女俺は女俺は女俺は女私は女私は女私は女私は女私は女私は女




私はカスミ!私なら出来る!




「隊長〜、弾薬が尽きました〜。早く補給してくださ〜い。ねえ、は・や・く♪」




去らば俺


その場に崩れ去る俺は無線で合図を送る

「・・・突撃だ」

遠くで怒声が響く

「霞、そこまでしても勝ちたかったの?」口を開くことが出来ない俺は手で返事を返す

〈勝ちたいさ。早く行け。治まったら俺も行く〉

頷く深娜は突撃を指示する

「全軍、総攻撃を始めるわ。行きなさい!」

銃を掲げ高らかに宣言する深娜、それに続く英雄達は走り出した



敵兵の拠点は総崩れを起こしていた

いきなりあんな声が聞こえた為、半数は悶え、半数は頭を抱え震えていた


そこに突撃してきた黒服の集団はあらん限りの銃弾を乱射し兵が次々と倒れ、残り数名となってしまった。

第二生徒会室にたて隠る


入り口を固め銃を構える



開けたら蜂の巣にしてやる!







「開けたらまず蜂の巣でしょうね」

深娜は現在の残り武器を確かめる

マシンガンのマガジンか3、閃光弾1、投げナイフ4

「苦しいわね」


「策はまだある」

先塚に支えられながらゆっくりと近付く霞


「最後の最後に使うことになるとわな」



霞は小さな無線を取り出した




「お願いします。隊佐殿」






たて隠る兵は後ろからする小さな音に振り向いた


「やあ、初めまして」

それは全身黒のスーツに身を包み、ナイフを片手にそいつは立っていた

「そしてさようなら」

素早く身を低くし一番近い男の足を払い倒れた相手の頭に踵をぶつけ倒す。

室内で乱射される弾は蹴り上げたテーブルで防ぎ、そのままテーブルごと敵に向けて蹴り飛ばし二人を仕留める


「後三人か」

死神の声を響かせた







「隊佐って貴方霞じゃないの!」

「すいません。隊佐殿に影武者を頼まれまして」

顎を掴み上に向かって引っ張ると皮が剥げるように霞の顔が取れる

「隊佐に何があってもバラすなと言われてまして今まで黙っていました」

「この技術は特科研部のだな」

慎は皮をヒラヒラさせている

「なら作戦とかは君が?」

「いえ。昨日メールで一通りの作戦は伝えてもらっていました」

「つまり霞君は全部分かってたんだ!」

「改めて霞が何者なのか分からなくなってきたわね」

皆は生徒会室を見ていた







「貴様が最後だ」

ナイフを構え一歩づつ近付く霞


「くそ、最後の最後にこんな策を持ってたとわな」

「貴様の作戦がずぼらなだけだ」

「だか最後に笑うのはやはり我々だ」

男はビデオテープを見せる

「貴様達が深夜に校舎に侵入して暴れた映像が入っている。教師の目に入ったら終りだ」

男は立ち上がり三階の窓を開け放つ。そこには隣の校舎の一階までロープが引いてある


「貴様の敗けだ、霞!」

男は闇の中へ消えた




残された霞は用紙を摩り替え生徒会室を後にした




「諸君、作戦は成功だ!」


歓喜が校舎を包んだ






深夜、家に帰り、霞は深娜に一部始終を話す


「つまり私達の負けってことよね。いくらなんでも生徒と先生じゃ話にならないわ」

「深娜、俺は皆に勝利を宣言したんだぞ?この程度の壁、紙に銃弾を撃つくらい脆い」

霞は笑いながらテープを取り出す

「策とは最後の一手まで決めるものさ」

「そのテープは?」

「明日になれば分かる」










ぴ〜んぽんぱ〜ん〜ぽん

なんだ今のベルは!

「野崎霞君、大川深娜さん、今すぐ職員室に来なさい」

ざわめくクラスに問題無いことを伝え、職員室に向かう



「どうゆうことかね?昨晩学校に侵入して暴れたそうじゃないか」

「誰がそんなことを?」

とぼけた様に笑う霞はさりげなくポケットの中のスイッチを押す


「こいつらが校舎に入るの見ました」

2ーDの山崎が勝ち誇った顔で言う

「野崎、どういう事か指導室で―――」

「まーまー先生」

割って入ってきたのは生徒会会長、月野屋政樹である

「先生方、彼等が学校に侵入した確な証拠をお持ちですか?更にたとえ証拠を持っていても彼等の言い分をちゃんと聞くつもりでしたか?」

「しかし月野屋君、深夜に校舎に侵入など退学処分の検討が必要に―――」

「上からばかり見ているから生徒側の不審も募り、その様な奇行に走ると考えれなかった事に問題があるのでは?第一証拠と言ってもいくらでも偽造の余地があるこの世の中それだけを信用し犯人を決めるのは教師として軽率過ぎではありませんか?」

「いや・・・しかし・・・」

教師を言い負かすこの会長は敵でないことがなにより幸いである

「そこで私に審議を勤めさせてもらいたいのですが。私情を挟む気はありません。平等に見るだけです」

その堂々とした振る舞いに教師陣は折れ、場所は第一生徒会室に移った



「さて、山崎君、君は証拠を持っているのだろ?見せたまえ」

拒否をさせないもの言いに山崎は素直にテープを渡す


一通りの見終わった会長はテープを巻きとると

「証拠としての価値は無いに等しいな」

そう言ってなんの躊躇もなく壊した


「あ!何しやがる」

「このテープでは修正が容易に出来る。こんなものは証拠にならん」

「会長、実はこんなものを俺は持っているんだが」

それは昨日深娜に見せたテープである

「プロテクトレベレAA、成程、修正はほぼ無理だな」

そう言ってビデオを再生する






「おい!やっぱ洋者は最高だぞ!」

「見えそうなんだよな後少しで!」

「たまんね〜!」

「よっしゃ、モザイク消えた〜」

「うほ〜!!」









再生終了




「・・・・・・・」

深娜はまるでゴミ虫や害虫を見る様な目で山崎を見る

霞と会長は遠くを見ている

「これは・・・その・・・・」

「なあ会長、俺は今気付いたんだがこのテープはさっきのテープと同じに見えないかい?」

「ああそうだね。そっくりだね。今気付いた。危ない危ない。これを教師に渡すかもしれなかった」

「そういえば会長、さっきの映像はまるで教室のようだったね」

「ああそうだね。今気付いた。誰だろうねいったい」

「その・・・だから・・・」

「会長、この机の上のスイッチは全校放送のスイッチではないかい?」

「危ない危ない。うっかり押してしまったら全校に筒抜けだ」



わざとらしいやりとりは更に10分程続いた


「さて、何の話をしてたんだっけ?霞君」

「それはそこの山崎に聞きましょう。なんの話だっけ?」

「・・・・・・・・・・・・何でもありません」


深娜は何も見ていないふりをするしかなかった









放課後







「助かった会長。これは約束の物だ」

一冊のノートを渡す

「この程度の事、どうとゆうことはない」

霞は更に二枚のチケットを渡す

「これはほんの気持だ。三木原さんと行くといい」

「うむ、ありがたく頂こう」

霞は生徒会室を出ていき、入れ替わりに三木原が入ってきた

「何か用?」

「半径50m以内に人はいないよ?」

「そう、どうしたの政樹?」

「いやね、君の誕生日が近いから早めのブレゼントを」

三木原は頬を朱に染め笑う

「そんな・・・プレゼントなんて」


「照れなくてもいいのだよ三木原君」

「政樹、二人の時は・・・」

「そうだったね麗奈」

政樹は立ち上がりプレゼントのノートを渡す

「霞君のノートだ。ようやく交渉成立してね」

麗奈は嬉しくなり政樹に抱きつく

「ありがとう政樹!」


「いいんだよ麗奈。それから今晩は暇かい?」

チケットを見せる

「食事でもどうかね?」

麗奈はにっこりと笑い頷く




「さあ、行こうか」

「ええ、政樹」


日の落ちた生徒会室で、二人はほんの一瞬だけ繋がった







上機嫌の霞は台所でフライパンを巧みに操る

「霞〜まだ〜」

「待て〜加弥。後少しだ・・・・出来た!チャーハンお待ち!」

出来立てチャーハンを皿に盛り、テーブルに運ぶ


『いただきます!』


豪華な晩御飯を食べながら慎はぺラぺラの霞の皮を見せる

「お前もよくあんな作戦思い付いたな」

「そうだよ。全部分かってたをだよね」

先塚は尊敬の眼差しを送る

「いやいや協力者がいたんだよ」

「会長ね?」

深娜は即答する

「ああ。大分前に頼んでおいたんだ。おかげで色々と情報が入ったよ」

笑いながら餃子を口に入れよう・・・



ピンポ〜ン






嫌な予感がした




さあ次は修学旅行編に突入!

誰だ晩飯時にきた奴は!邪魔するなってテンションで進みます

「もう帰っていい?」

何そのテンションの低さ!折角次も呼ぼうと思ったのに。いいよ加弥か先塚呼ぶからびつるよかー!

「私が来てあげるわよ」



・・・・さいですか


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ