21・命短し恋せよ乙女(私は関係ないわよ)
はい、いつも読んでくれてありがとー。
なんと今回の前書きは私加弥がおおくりしまーす。やっぱあれだね。ヒロインにはこーゆーのをやる定があるんだね。ほら、私霞とも絡むじゃん
あ、そう言えば作者何か言いたいんじゃなかった?
「今回から前書き、後書きに僕の書いてるキャラが出るから」
だって。
やっぱ最初に私を出すのは当たり前よね〜
さ、前書きの仕事しなきゃ
え?終わり?まってよまだ仕事してないよ〜
「ねー深娜ちゃーん、霞の事どう思ってるの〜」
「いきなり何言ってるの」
「だって結構嫉妬してなかった〜」
ニヤニヤ笑いながら加弥は頬杖を突いて問いつめる。
霞といい加弥といい何故読まれてるんだ。
昔は幸澤にすら読まれなかったのに。ここ数日で私は変わったのかもしれない
「って言うか嫉妬は流石に違うと思うわよ。霞はただの知り合い程度の存在よ」
「嘘だね深娜ちゃーん。ばればれ〜」
「何を根拠に嘘だと決めてるのかしら?」
「あれ?気付いてないの?深娜ちゃん本心じゃないこと言うと眉間のシワが普通の1.02倍位に増えるんだよ」
「彼方の眼は何で出来てるのかしらね」
洗面器の湯を被り濡れた髪を白く細い指が払う
170の長身は瑞瑞しく、長くしなやかな手足は無駄のない引き締まった体だ
割と広い浴槽に三人の女性がゆったりと浸っている
「ほら深娜ちゃーん、白状したら〜。気になってんでしょ」
「ええそうね。なんで私の過去を知りながら普通に過ごせるのか理解に苦しむわね」
「過去って昔なにかあったの?」
長い黒髪は艶があり、意外にも出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んだナイスボディーな先塚は、深娜といい勝負を繰り広げそうです
「教えれないわよ。あくまでこれは私の問題だし。それに話した時も酔ってたからつい口が滑ったのよ」
「微妙に嘘まじってるね」
この女は何者なのよ
「分かったわよ。白状するわ。昨日の夜に二人で散歩行ったときに話したのよ。あいつの昔話聞かせてもらったから」
二人はふ〜んと頷く
「それに認めてくれたのよ。私を家族って」
『・・・・・・・』
何この視線
「ふ〜ん、やっぱ気になるんだ霞」
「だから違うっていってるでしょ。あいつは何でもないわよ」
視線を反らし天井を見上げる
私自身知らないわよ。私が霞をどう思っているのか
すると加弥はクククっと笑う
「じゃあ私が告白しても文句ないよね?」
もろに滑って浴槽に沈む二人
「加弥ちゃんなに言い出すのよ」
先塚は両肩をガッシリ掴みガックンガックン揺らす
「あはは〜。だ〜って私の初恋カスミンだも〜ん」
「酷いよ加弥ちゃん、応援してあげるって言ってたのに」
「命短し恋せよ乙女〜」
やはりまだ酔いが覚めてないようだ
だが
「ねえ加弥さん、告白するのはいいけど果たして上手く行くかしらね」
何処か強気な発言に眉をひそめる加弥
「どーいうことかな?」
「その体で霞が落ちるかしら?」
そう、加弥は確かに可愛い。しかし二人にあって加弥に無いもの。
それは色気
なぜ自分がこんなことを言ってるか分からなかった。気付いたら口を開いていた
「な、なんですと〜。カスミン言ってたじゃんこだわりは無いって」
「そうかしらね。もし二人から選べって言われたら無いものより有るものを選ぶのが普通じゃない?先塚さんの方が上よ」
加弥は視線を先塚に向ける
「これがいけないのね。このたわわに実ったコレが!」
「か、加弥ちゃん、な、何、やめて。やめて〜〜」
浴槽で暴れる二人を横目に考える
霞は私を認めてくれた
捨てられ、人を殺し、罪を被り続けた私を
家族と
私は霞をどう思っているのかしら
「か、加弥ちゃん、深娜さんだって敵の一人だよ」
「先塚さん、何言って・・・・」
ユラリと動く闘気
「確かに深娜ちゃんだってコウちゃんと同じ・・・」
「ま、待ちなさい、私は関係無いっていっ――」
「これがいけないのね。このたわわに実ったコレが。そしてこの細さが!」
「騒がしい風呂だな」
「浸りながらも風呂場に向かうため必死に手錠をはずす努力をしないで下さい」
居間ではソファーに腰を下ろす私と壁に張り付けになり、あらゆる場所に手錠やロープによって拘束された慎様がいる
「と言うか着替えていい?この後お風呂だし」
「いいんじゃない?」
意外な反応です
「慎様なら確実に『やめろ、俺の理想像を壊すような真似だけはするな』とか『膝枕するまで許さない』とか言うと思ってました」
「いや、このままその格好で居られたらやめられなくなってしまう。流石に男に恋は不味い」
さいですか
さーて着替えるかなー
ピリリリリリリラ
ラ?
いつ家の着信音変わった
ピリリリリリリリラ
はいはい今行きますよ
「はいもしもし」
ちなみに着替前でボイスもそのままでした
「あれ?大川君、声が違うね。いつもの棘がないな」
やっばーい。声そのままだった
「もしや霞君かね?」
「いえ違います。霞君の友達です。今霞君を呼びますので」
急いで受話器を保留にし、ビャバッと着替、階段から滑ってコロゲ落ちた
「か、霞ですがどちらさんだ」
「やあ霞君、久しぶりだね。拉致した会社の者だよ」
「幸澤か、何の用だ」
「いやーこんな時間に女を連れ込むとはハーレムじゃないか。うらやまし――」
ガチャ
ピリリリリリリリラ
「はいもしもし、野崎ですが」
「切るなんて酷いじゃな――」
ガチャ
ピリリリリリリリラ
「はい」
「わかった。本題だ」
「初めからそうしろ」
まったく面倒な奴だ
「君達に頼んだゼオンについて我々も色々と調べたんだがね、面白い情報を掴んだ」
「面白い情報?」
電話向こうではしのび笑いがする
「実は洸世高校のコンピューターに侵入しようとしたんだがね、セキュリティーが固かったんだ。はっきり言えば国家クラスのセキュリティーレベルだ」
国家?規模がでかすぎないか?
「深層部にはまだ侵入出来そうになくてね、その代わり学校の地図を入手することが出来たから後程送る。後深娜君は居るかね?」
「入浴中だ」
「覗きにはいったのかね?」
ガチャ
ピリリリリリリリラ
「野崎ですが」
「君に冗談は通じないのかね?」
「知るか。後で深娜に伝えておく」
「ああ頼むよ。それから君にお嬢様から伝言がある」
ガチャ
ピリリリリリリリラ
「なぜ切った」
「気分だ」
「まあいい。お嬢様からだがゼオンの事はお嬢様のお父上から聞いた物だそうだ。名前と場所以外は教えてくれなかったようでどうしても探し出して欲しいそうだ。私からも頼む。お嬢様の為に探し出してくれ」
あー卑怯くせー
「分かったよ。努力する」
どうもこの手の理由がつくと断れん
「ありがとう、これからも深娜君を頼むよ。ちなみに彼女はDカップだ」
「この世から死んでしまえ」
ガチャ
ったくあの馬鹿たれは何を考えているのか
「霞〜。誰からだ」
「ああ、ちょっとした知り合いからだ」
誤魔化しておくしかあるまい
どうにもややこしくなってきたものだ
果して国家クラスのセキュリティーを持つ学校をどれだけ探れるのやら
不安がつのるばかりだ
改めて着替を済ますソファーに腰を下ろす
「いやー、ようやく解放された。俺って言えるってすばらしい」
「ようやくカスミから霞に戻ったわけだ。それにしても霞、お前やっぱり変わってんな。恋愛ゼロってのが特に」
「やかましい。仕方あるまいあれが俺なんだから。それに俺よりいい奴は五万といるだろ」
「さいですか。やっぱお前は変わり者だ」
下らない会話は延々と続く
「さっぱりした。入っていいよ〜ってなに着替えてんのよカスミン」
「黙らっしゃい。もういいだろ。満足したろ」
「まだよ。これからマッサージしてもらって一緒にお酒飲んだりしなきゃいけないのに」
「ちょっと加弥ちゃん、なに勝手に話を進めてるのよ」
討論を始めた二人を無視し、深娜に先程の事を伝える
「話が大きくなりすぎじゃないかしら」
「一応地図は来るらしいからそれを見て今後の計画を練るしかあるまい」
「そうね」
その瞬間殺意に満ちた気配に居間は支配される
ゆっくり振り向くと
「霞ー、深娜ちゃーん、何をコソコソ話てるのー」
「大川さん、さっき興味ないって言ってたのに酷い」
勘違いですから
これは勘違いですから
「慎、風呂場に走れ」
ダッシャで風呂場に走り、神聖なる聖域を作り上げ、犠に深娜を差し出した
すまん深娜、後でなんが奢るから許せ
心で黙祷を捧げ、一日の疲れをとるための休息に浸るのだった
その後さらに飲み出した加弥を速攻で寝かせ、静かになった居間で映画鑑賞。
先塚、最終絶叫計○なんてマニアックな映画じゃありませんか。
楽しかったから良いけどさ
さて一人づつ眠りにつき、最後はやっぱり俺しか起きてなかった
結局片付け俺だかんなー
明日もまた楽しめるかもしれん。多分明日はイジメられないだろう
多分
読んでくれてありがとーございました。
今回の後書きはしっかりやるよ
ん?また言いたいことあるの?
「えーいよいよ読者様がミレニアムに近付いてます。ですので突破記念に番外特別企画を実施します。基本はRPGで皆様のネタを基礎に頑張って読み切り短編を連載する予定です。書いてほしいネタがもしありましたら秘密基地の小説ヒントに書いてみてください。ではでは」
終わり?なら張り切って後書きするよー
え?後書き終わり?ちょっとまってよ。私まだちゃんと仕事してないよ〜。次回もだしてよ〜