条件
「……でも、お姉ちゃん。助けてもらっておいて、こんなことを言える立場じゃないことは分かってるつもりなんだけど……それでも、こういうことはもう止めてほしいな。もちろん、お姉ちゃんを信用してないわけじゃないよ? それでも……ほら、相手が正々堂々挑んでくるとも限らないじゃない? 複数で囲んだり、不意打ちで襲ってきたり……もしそうなったら、お姉ちゃんがいくら強くても……」
「……鴇杜くん」
その後、ややあってそう口にする鴇杜くん。その声音からも、甚く心配してくれているのが伝わって。……まあ、それを言われちゃうと返せる言葉もないけれど。なので――
「……うん、分かった。でも、条件があるかな」
「……条件?」
「うん。私がこういうのを止める代わりに、鴇杜くんは今度から何かあったら……ううん、何かある前に必ず警察に通報すること。じゃないと……また出しゃばっちゃうよ? 私」
「……ふふっ、そっか。うん、分かった。お姉ちゃんがまた出しゃばっちゃうと困るから」
そう、少しおどけて言ってみせる。すると、そんな私に呼応するように少し可笑しそうに答えてくれる鴇杜くん。……うん、これなら大丈夫かな。
……ところで、ずっと聞きたいことがあったりするんだけど……でも、流石に今じゃないよね。いや、今に限らずそもそも迂闊に聞いていいことでもないんだろうけど……それでも、愛斗さんに言われたあの言葉がどうしても――
「……あの、お姉ちゃん。その……全然、楽しい話じゃないんだけど……もしよかったら、お姉ちゃんに聞いてほしいことがあって……」
「…………へっ?」




