気になることがありまして。
「……ああ、悪りぃ悪りぃ。あれはパンチラってレベルじゃねえよな。えっと、だったら――」
「いや他の表現を開拓しようとしないで!! あれはもう忘れてって言ってるでしょ!!」
「……いや、流石に無理だろ。もうそれなりにここにいるが、あんな端ないことした客は後にも先にもお前だけだし」
「……いや、そりゃそうだろうけど」
その後、呆れたように告げる愛斗さん。……いや、そりゃそうだろうけども。むしろ、私以外にいたらこっちもびっくりだけども。
さて、何の話かと言うと――以前、甚く心配してくれる鴇杜くんに火傷も怪我もないことを証明するため、咄嗟にスカートを捲し上げた時の……いや、説明するまでもないよね。
「それで、結局どうした? 夕谷」
「……あ、うん、それなんだけど……その、鴇杜くんって彼女とかいるの?」
「……まさか、お前も……」
「あっ、いやそうじゃないの! ただ……その、どうなのかなぁ、なんて思っただけで……」
ともあれ、おずおずとそう尋ねる。すると、心做しかそんな私に鋭い目を……いや、絶対気のせいじゃないよね。どう考えても、お店として歓迎する類の問いじゃないし。……うん、なんで聞いちゃったんだろう。とは言え、今更なかったことにも出来――
「……いねえよ。あと、作るつもりもねえと思う。店側の事情を除いてもな」
「……へっ?」
すると、徐に背を向け呟くように告げる愛斗さん。そして、私の反応を確認することもなくキッチンへと……えっと、どゆこと? いや、どゆことも何も言葉の通りなんだろうけど……でも、いないのはともかく、お店の事情を除いても作るつもりもないとは――
……いや、考えすぎかな? 彼自身、そういう事にはまだあまり関心がないだけかもしれないし。




