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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第九十八話 すみっコピーー

 メリークリスマス!!

 あれからの国王の行動は早かった。

 王の間に緊急対策本部を設け、空間は運ばれてきた机や書類、関係者であっという間に満たされた。


「被害状況は?」


「王都各地で多くの死傷者が出ており、対応に追われています」


「……そうか。王城の病棟を解放しろ。重傷者を中優先的に搬送、現場にも出来る限りの人員を回せ」


「はっ!」


 国王は一番大きな机に広げられた王都の地図と手に持つ書類を交互に見ながら、的確な指示を出している。

 はひゃ〜、これが一国を束ねる人の力か〜。


「やっぱりすごい人ですね、ルビアさんは」


「え?」


 さすがに口を出すのはまずいと思い、すみっコ!で腕輪を眺めているとウィーラさんが隣に来た。


「すごい、ですか?」


「はい。あそこまで気を病んだ陛下を再起させるのはすごいことですよ?」


「いや〜、私はそんなつもりはありませんでしたし、特に刺さるようなことも……」


 本当、私の言葉のどこにそんな効果があったのやら。


「まぁ……ここだけの話、陛下結構熱いのに弱いんですよね」


「はぁ……」


 そうなのか。う〜む…………う〜む。


「あれ、そういえばウィーラさんは参加しなくてよろしいのですか?」


「そう、ですね。本当は参加すべきなのですが、これから急ぎでやらなければいけないことがあるので、抜けさせていただくんです」


「そうですか!これは失礼しました!!」


「いえいえ。ちょっと挨拶を、と思っていましたし――――あっ、すいませんそろそろ」


「ああ!お気に召されずにどうぞどうぞ、くれぐれもお気を付けてくださいね!?」


「…………はい、ありがとうございます」


 優しく微笑むと、ウィーラさんは静かに王の間を後にした。

 大公は大公でいろいろと忙しいのだな〜。


「――ルビア少年、少しいいかね?」


「はい!」


 と、今度は国王に呼び出されたので周りの邪魔ならないようにしながらも国王のもとに向かった。


「只今参りました」


「ルビア少年……改めて巻き込んですまないな」


「そんなそんな、よしてください。私は問題ありませんから」


 国王は頭を下げようとしたので、手で制して止まる。


「強いな。……ん、んん。話が逸れたな。すまないが君に頼みがある」


 ほほ〜う。頼みね〜。


「なんでございましょうか?」


「セットン王国――いや、セットン帝国にどうにかコンタクトを取ろうとしておるのだが、中々うまくいかなくてな。そこで君に交渉役としてセットン帝国に赴いてほしいのだ」


「へ?」


 今この人、なんて言った?


「君のような若い者に責任を負わせるのは酷であり、無責任なのはわかっておる。だが君という存在なら、この状況を変えられると思っている」


「ひ、ひひ一人でですか?」


「そこは安心したまえ。ルビア少年、君が信頼に値する者でチームを組んでくれて構わない」


「は、はぁ……」


「で、どうかね?」


 う〜む。う〜む!ちょ〜重大責任ではないか!!

 まぁ、確かに前世含めば五十は超えるし、経験は豊富よ?でも、う〜む……

 い〜や、迷うな!!それが私にできることなら!!!!


「お任せください!!」


 ただやるの〜み!!


「そうか、では頼むぞ」


「はい!」


 よ〜し!そうと決めれば作ろう、夢のドリームチームを!!

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