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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第九十七話 決意表明

「なるほど、そういうことですか……」


 腑に落ちたのか、ウィーラさんが物憂げな表情を見せる。

 が、まだ何かを疑っているようにも見えた。


「……あっ、えーとつまり、単刀直入に申し上げますと王都に攻撃をしたのはセットン王国によるものだと……」


 ハテナマークを飛ばす我々に歯切れの悪い助け舟を出すウィーラさん。

 で、だから、ど〜いうことだよ!?


「でも、どうしてそんなふうに繋がるの?」


「……そうだな」


 すかさずティアが疑問を呈する。

 良いぞティア!よっ、代弁者!!


「そうですね…………文明崩壊(スタート・ワールド)後、生き残った私達の先祖にあたる研究者達は、迅速な復興を目指しました。しかし、()()()()()()()から二つの勢力に分かれました。これがサライズ王国とセットン王国の先駆けです」


「う〜む。要するにその“食い違い”から両国は〜〜〜〜……仲が悪いと?」


「一昔前まではです。ここ近代ではそういったしがらみは忘れて、新たな良好関係を築いてきました。ですので――――」


 ウィーラさんは国王に視線を向ける。

 なるほどなるほど。確かに今の話を聞けば、矛盾が生まれるな。

 それにそもそも、なぜこれでセットン王国が攻撃したことになるのか?


「――そうだったな、具体的なことをおぬしらは知らないのだったな……」


 はいそうです、アイドンノー!!


 それから国王は私達が来る前の出来事を詳らかに話した。


「――――宣戦布告?」


「そんな……」


「…………なんということだ」


 ことはどうやらものすごく大きくなっていたようだ。

 セットン帝国、巨大な《無獣》か……。


「――クソがッ!!」


 黙っていた父さんが怒号を放つ。

 

「父さん」


「お父さん……」


「……ああ、すまない。ちょっとある頭を冷やしたい、腕輪に戻してくれ」


「わかった」


 父さんの意思を汲み取り、私は腕輪を父さんに向ける。


『戻って、父さん』


「……」


 そして光に包まれ、父さんは腕輪へと姿を消していった。

 そりゃ、父さんへのダメージは大きいだろう。

 ただでさえ衝撃がデカいんだ。気持ちの整理に時間が掛かるに決まっている。


 私に何かできないのだろうか?


「ルビア」


 ティアがそっと肩に手を置く。

 

「……ティア」


 気持ちは同じようだ。わかっているよ。


「国王陛下、協力させていただけないでしょうか?」


 私は国王に跪き、懇願する。


「私からもお願いします」


 ティアも続いて跪く。


「ルビアさん……」


「私は――いえ、私達はただ見ているだけなのは、もう嫌なのです。そして家族が大切です。だからこそ、放っておくことなんてできません。ですから!どうかお願い致します!!」


「……その言葉が何を差しているのかわかっておるのか?」


「もちろん、覚悟の上です」


「そうか…………これが若さ、いや強さというものか……」


 国王は小さく呟くと、起き上がる。


「陛下?」


「すまなかったなウィーラ、このような醜態を晒してしまって」


「いえいえ、私は……」


 あれ、なんか国王に覇気が戻ってきている?


「ルビア少年もすまなかったな」


「い、いえいえ!!私のことなぞ――」


「いや、おぬしのお陰で目が覚めたわい」


 お、おおう。なんか知らんが国王が全回復したぞ!!


「行くぞ、皆の家族を救うために!!」


「「「はいっ!!」」」


 



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