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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第九十六話 カッ、こちらルビア、これより空気の入れ替えをする

 窓から見えたのはまるで地獄のような光景であった。

 一体、私達が下にいる間に何があったというのだ!!


「……完全にやられた」


 国王は弱々しい声で発する。

 なんか急激に歳を取ったかのように感じる。

 私はそんな国王の様子にふと疑問が浮かぶ。


 なぜ、こんなにも衝撃を受けているのだ?

 

 う〜む。どうにも腑に落ちん。

 いや、一国の王として重く受け止めているのは良くわかるが、あまりにも強く受け止め過ぎではないか?

 詳しくはわからんがこういった場合は早急に対応すべきなはずだ。だが国王にそんな気配がない。

 状況時に《無獣》絡みなのは間違いないと思うが、関係者であってもここまで動揺するものか?


 考えるとしたら、何かまだあるぐらいしか……。


 い〜や、それよりも今はこの空気感をどうにか打破しなければ!

 さすがに何もしないはまずいだろ!!


「被害状況はどうなんですか!?」


「――ッ!そうです、陛下!!」


 私の発言にウィーラさんがフォローに入る。


「……ん?…………ああ、そうだな。……直ちに騎士団を派遣せよ」


「承知致しました。イリス、至急騎士団を編成し、対応にあたりなさい」 


「は、はいっ!わかりました!!」


 ウィーラさんがイリスにそう促すと、彼女は慌てて駆けて行った。

 ……速いけど〜、周りには気を付けて。う〜む。


「…………我も行こう。我が姫が気になるしな……」


 遅れてフォジュックさんがイリスの後に続こうと父さんから離れ、歩き出そうとする。しかし足元はおぼつかない。


「お、おいフォジュック!そんな傷じゃあ、危ないだろ!俺も――」


「いや、大丈夫じゃ……。それにドラゴン殿が堂々と王城内を歩くわけにもいかんからな…………」


 フォジュックさんは父さんを手で制して、壁伝いにゆっくりと進んで行った。

 心配だが、父さん以外に今は手を貸せる人はいないからな。申し訳ないがやむを得ん。


「それで、私達はどうする?」


 ティアは言う。

 確かに取り残された面々でどうしよう。


「――陛下、せっかくです。起きたことも含めてお話されてはいかがですか?ルビアさん達にはもう関係ないで済むような領域にいませんよ」


 ウィーラさんの言葉を聞いて、国王は目を見開く。

 やはり何かあるのか。


「…………実はな、セットン王国の王族も……《無獣》の研究者の末裔なのだ……」


 え〜と、つまり……どういうことだ? 


 

《お知らせ》

 最終章に入って早々、大変申し訳ないのですが、来週の投稿はお休みさせていただきます。

 誠に大変申し訳ありません!!

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