第八十七話 今、扉は開かれる
「え?知り合い?」
ティアは私に聞く。
「う〜ん……まあ、知り合いと言われれば、そうなるの、かな?」
「ん?」
私の歯切れの悪い言葉にティアは訝しむ。
申し訳ないが、とて〜も今言うような話ではない!股間にクリティカルヒットだなんて!!
「ま、まぁまぁ!ちょっとウチがその人に迷惑かけてしまって、てんやわんやしたって感じだけなんで……大丈夫ですよ?安心してください!!」
だいぶオブラートに包んでいるが、フォローにはなっていないぞ、多分。
あと、後半はどういうことだ?警戒しないでってか?
「……そ、そう。えーと、それでどちら様?」
そういえばそうだな。
「そうでした!ウチは――」
「これは裏切りかな?」
遮ったのはさっき吹っ飛ばさらたコランであった。
お〜や、顔にうっすらタイヤ痕が残っているぞ。
「そうですよッ!家族には手を出さないって言うから手を貸したのに話が違うじゃないですか!!」
コランに向かって激昂する少女。
な〜んか雰囲気が……。
「バレないようにしていたつもりだったんだがね」
「ウチ、聞くのは得意なんで」
「もう何がなんだかわからなくなってきちゃった……」
「私なんか、とっくのとうに置いてけぼりさ」
本当にそれで良く痛い目にあったよ!!
「……それよりも私は君がここにいることに驚いているよ」
コランは少女から視線を外すと、別のところに移動させる。
そこにはバイク状態のライダー兄さんがいた。
やはり、関係があるのか……。
「何を言って……」
少女は疑念を抱く。
ん?この様子からして、ライダー兄さんの正体に気が付いていないのか?
う〜む。となると彼女はライダー兄さんをただのバイクだと思っていたのだろう。
「確かにお前に会うのはあの時以来だな」
「え!?」
ライダー兄さんは変形し、人型になる。
それを見た少女は驚きのあまり、尻もちをついた。
「《無獣》……だったの…………?」
「黙ってて悪かったな」
ライダー兄さんは少女に謝罪すると、コランと対峙する。
「久しぶりの再会だ。ゆっくり話でもしないか?」
「あいにく俺は身内を迎えに来ただけだ」
「そうか、それは残念だね――」
コランが踏み込み、拳を振り上げる。
ライダー兄さんはその拳を片手で受け止め、押し返す。
ライダー兄さんを両腕をコランに向ける。
すると二の腕が展開し、回転し始める。
『リボルバー・ボム』
ミサイルのようなものが発射される。
『硬度変化<メタル>』
コランはそう告げると、身体が引き締まったようになる。
そして全て命中。
「……やはり、馬鹿げてるなそのスキルは」
「どうなっているの?」
「お兄さん!?」
「……」
え、私、こんなの聞いてない!




