第六十七話 うちの父さんがすいません
こちらへと歩いてくる大人びた藍色のドレスのラーミルさんとライトグリーンの清楚系ドレスのウィーラさん。
似合ってますぞ〜…………って、感想を述べている場合ではない!
どうして二人がここにいる!?もしかして、あれか?当事者的な、的な、テキーラ?
う〜む。よ〜く考えれば、普通はそういうものだな、多分。いくらなんでも緊張し過ぎなようだ。
――と、そうこうしているうちに二人は私の隣で跪いていた。
「これで、人は揃ったな。ではルビア少年、ドラゴン殿を呼んでくれないか?」
「えっ?あっ、はい!只今!!」
私は立ち上がると、後方へ左腕を掲げ、一言。
『出てこ〜い』
腕輪が輝き始め、やがて光は巨大な形を形成し、父さんが現れた。
「ああーっ!やっとシャバだぜぇー!!」
結構の時間腕輪の中にいた為か、出て来てそうそう大きく両手を挙げて場違いなことを叫ぶ父さん。
「父さん父さん、今!今!!とて〜も大事な場面ですぞ!?」
「――えっ?」
父さんは体勢を変えずに周りを見渡す。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……ね?」
う〜む。気まずいな。
私はそ〜っと、姿勢を落とす。
そして次の瞬間――凄まじい速さで父さんは土下座した。
「これは失礼しやしたっ!!」
「…………いや、気にしなくていい。こちらこそ急に呼び出して悪かったな」
あれ国王、ちょっと困っているように見えるのは気の所為か?
…………な〜んか、うちの父さんがすいません。
「いえいえ、滅相もありゃせん!」
というか父さん、心配だったが案外しっかりしておるな。良き良き。
「ゴホン。では、本題に入るとしよう……」
辺りの空気が一変した。
「今回、君達を呼んだのは他でもない。春先からフカーヨス領で起きた二つの襲撃事件。それにドラゴン殿、貴殿が関わっているのは本当かね?」
「…………はい、その通りでございやす……」
「……」
……その通りである。
あの二つの事件は最初はよくわからんが、フカーヨス邸での事件は確実に父さんを狙ったものだ。
国王が深く捉えるのもよく理解できる。
「ねぇ、ルビア」
ティアが声を潜めて話し掛けてきた。
「なんだティアよ?」
「思ったんだけどさ、最初の襲撃ってお父さん、そこまで関わっていないよね?」
「何を言っておるのだ、しっかり――――ん?」
う〜む。待てよ。
確かに言われてみれば、父さんと私達は事件に介入したが、それだけだ。そうだ。
それにあの時は父さんが村に住んでいるという問題でラーミルさんとウィーラさんは来ただけで、二件目との関連性も見当たらない。
もし、あるとするならば、
――――《無獣》。




