第六十一話 いざ、王都へ!
それから時は経ち、手紙に書かれていた日となった。
数日分の荷物を持ち、後は王都行きの電車に乗る為に指定された駅に向かうだけなのだが、ここ〜で一つ問題が起きた。
「ど〜うしよう、駅までの通行手段がない!」
「ほんと、すっかり忘れてたよね」
「どうする?俺がぶっ飛ばせば、全然間に合うぞ?」
「ハハ……それは今回はやめた方がいいかな……」
う〜む。ティアの言う通りであるが、現状それ以外の方法だと時間的にとて〜も厳しい。
ああ〜、大失態!!
「――まったく、もっとしっかりして欲しいものだ」
揉めていたのが聞こえたのか、ライダー兄さんが家から出てきた。
「返す言葉もありません」
「あはは……」
「おうよ」
「はぁ……まあいい。俺が送ろう」
「い〜や!しかしそれは――」
「大丈夫だ、やることは既に済ませてある。それに俺のことなら心配ない」
「はへ〜〜」
やっぱりライダー兄さんはすごいな〜。
この前の家族会議でライダー兄さんは人目とかもあるし、今回は送ってもらわずに違う方法で行こうとなったのに、ここまで気を回してくれるとは。
まぁ、もとは私達が何も考えていなかったのが一番悪いのだが…………
これで家族孝行とは、良く言ったものだな。もっとしっかりしなくてはいけないな!う〜む!!
「なんか……すいません……」
「別に気にしなくていい。これはこれで結構楽しいからな」
ライダー兄さんは少し明るい声色で言った。
「ズッキュ〜〜〜〜ン!!」
私の兄、なんてかっこいいんだろう!
「どうしたの、ルビア?」
「ん、ああ、大丈夫大丈夫」
危ない危ない。危うく惚れてしまうところであった。
「早く行こうぜ?楽しみで仕方ねぇ!!」
「はいはい」
私は左腕を父さんに向けて掲げる。
『入ってくださ〜い』
「おい、おい、おい!ちょっと待てッ!?展開が早いぞをォォォォ――」
父さんは何か言いながら腕輪に吸い込まれていった。
「さてと〜、行きましょうか!!」
「ああ、うん」
「そうだな」
ライダー兄さんは大型バイクへと変形する。
「さぁ、乗れ」
「「はぁーい」」
そして私達は指定された駅へと向かうのであった。
ー◆ー
グリーンズビル駅。
それはルビア達が指定されたフカーヨス領のターミナル駅として栄える駅である。
多くの人が行き交う中、壁際で座り込み、この駅の地図をじっくりと睨む背中に剣を携えた少女が悶えていた。
「うーん……ちっともわからない!」
少女は深く被ったフードの上から頭を掻く。
「…………やっぱり、ウチは出来損ないなのかな……」
少女は地図を強く握りしめた。




