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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第一章 動き出す歯車
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第六話 終わる平穏

 あの後ルビアたちは朝ご飯を食べ、近くの村に買い物をしに来ていた。


「何か他に買うものあったっけ?」


「う〜む、なかったはずだが」


「いやある……酒だ」


「何か忘れてると思うんだけど……」


「無視か?無視なのか?」


「残念ながら兄さんから貰ったお金は余りがないようになっているので〜」


 ルビアは兄さんに言うように言われていた言葉を容赦なく言い放った。


「なっ!あいつめ〜」


 三人は楽しく?会話をしながら村を歩いていた。


「そういえば、あいつはどこ行ったんだ?」

 

 父さんは話題を変える。


「お兄さん?お兄さんなら少し遠い村に魔物を狩りに行くってよ」


「あ〜そういえば朝早くに出て行きましたからな」


 実はルビアが広げ始めた噂は、ただ父さん達のことを匿名にしただけの紛れのない事実だ。

 ちなみに父さんたちが魔物を狩っていたのは、ただの食料調達である。


「じゃあ、お兄さん帰るの遅いのかな?」


 ティアは疑問を口に漏らす。


「まぁ〜兄さんとはいえ、それなりに掛かるだろう」


「あいつも良くやってるよ」


「まぁ、とりあえず帰りますか……」


 そして三人は家に向かって帰って行った。

 

ー◆ー

 

 近くの森を数台の車が隊列を組んで走っていた。


 先頭と後頭にはジープのような車が、中心にいる綺麗に装飾された車を守るように走っている。

 そして、装飾された車からは二人の女性の話す声がした。


「本当によろしいのですか?」


「えぇ、これも騎士としての務めですので」


 一人は動きやすいドレスを着た、緑髪を腰まで垂らしたお淑やかな女性。もう一人は重厚感のある鎧を身に着け、金髪を一つに束ねた美しい女性だ。


「お言葉ですが、これはただの調査です。おう……いえ、騎士団長自ら出向く程のものではありませんよ?」


 緑髪の女性は何かを言おうとしたが、途中で止めた。


「いえ、この件については王国はとして考えています。例え、噂であろうと我々には確認する義務があります」


「こ、これは大変失礼しました。それでは改めてよろしくお願いいたします……ラーミル騎士団長」


「お任せ下さい」


 ラーミルがそう言うと同時に車が止まった。


「騎士団長、到着いたしました」


 外から騎士団員の声が聞こえた。


「どうやら着いたようですね」


「では参りましょうか……」


ー◆ー


「なぁルビア、回覧板知らないか?」 


「それなら、ティアが届けに行きましたぞ」 


「二度手間になっちまったなー」


「ですな〜」


 二人は日常会話をしながら、くつろいでいた。

 

「大変、大変、たいへ〜〜ん!」


 すると、ティアが大慌てで帰って来た。


「どうしたティアよ」


「そうだ、そうだ」


 二人は無気力だった。


「それがさっきまでいた村に、領主様と騎士団の人たちが来てたの!!」


「「はぁ〜〜〜〜!?」」


 二人の声が重なり、飛び起きた。

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