第五十八話 安心できない
夏の終わりが近付き、気温も徐々に下がってきて過ごしやすくなってきた頃のことだった。
「これは――」
ウィーラさんから一通の手紙が届いた。
彼女からの連絡自体久しぶりであったが、電話などではなく手紙とは、一体なんであろ〜うか?
「どうしたのそれ?」
ティアが横から顔を覗き込ませながら現れ、聞いてきた。
「ウィーラ様から手紙が届いたのだよ」
そう伝えると、ティアはジトーっと手紙を睨みつけ、私に謎の質問を投げかけてきた。
「私がまず読んでいい?」
「それはな〜ぜ?」
「イエスかノーで答えて」
「……」
なんであろうか、ティアから感じるこのとてつもない圧力は?
私、何か変なことでも言ったのか!?い〜や、ただウィーラさんから届いた手紙を見せただけで何も言ってない筈だッ!!
「それでどうなの?」
「え〜と……イエ〜ス」
「よろしい」
なんか怖かったので承諾すると、ティアは自身の尻尾を私の手首辺りに絡め、私から奪った手紙を読み始めた。
「…………」
「……う〜む」
とて〜も真剣に読んでいる。
そんなに大事なことでも書かれているのか、どうなのかね?ティアよ!
「なるほどー……そういうことね」
ど〜ういうことだよ?
「はい、どうぞ」
「えっ?あっ、どうも」
読み終わったらしいのか、手紙を渡してきたので、驚きつつ受け取る。
あれ?そういえば、さっきの圧力がないがどうしたのかねティアよ……まぁ、大丈夫か。
「どれどれ〜」
そして、私は手紙に一通り目を通した。
「――う〜む」
なるほど〜……そういうことか。
ウィーラさんからの手紙を要約するとこうだ。
彼女の屋敷関係の件はひとまず落ち着いたらしく、今は王国からの援助を受けているなどのことであった。
そして、どうもこの国の国王が一連の事件を深く捉えたらしく、父さんも含めて私達に王都へ来てほしい……らしい。
「はぁ~……」
国王からの呼び出し……な〜んか、また大きな面倒事の予感しかないのだが?
というかティアよ、これを読んでなぜ普通でいられるのかね!?
「ルビア、頑張ろうね?」
私が隣を見ると、ティアがそう鼓舞してきた。
ティアよ、そうではないだろッ!!
「……う〜む」
さて、これからどうなるか……




