第五十五話 微かな希望
「――成程、そうか。まあ、そんなことだと思ってはいたが……」
コランはレイヴンからの話を一通り聞くと、ため息をついた。
「それよりも、こっちはどうしてくれるのかね?」
コランは懐から新聞を取り出し、レイヴンの前に放り投げた。
「おっと、これはこれは……」
レイヴンは座ったまま新聞を拾うと、その見出しを見て声を漏らす。
その見出しはこう書かれていた。
『フカーヨス領で謎の黒い流星!?隕石か?』
「ここまでやるとは聞いておらんが?」
「はい、この件に関しましては申し訳ないとしか言いようがありませんね」
新聞の記事を読みながらレイヴンは軽く謝罪する。
「はぁー、揉み消すこちら側のことも考えてくれないかね?」
「貴方のご考えも十分承知しておりますが、私にもそれなりの考えがあるのですよ」
新聞を後ろに放り投げ、前のめりになるレイヴン。
「というと?」
「ルビア……という少年はご存知ですか?」
「ああ、もちろんだとも」
「私は彼に微かではありますが、希望を感じております」
「冗談……かね?」
コランの声からは微量な苛立ちが感じられた。
「いえ、冗談ではありませんよ。でなければ彼らにあんなに情報を渡す訳ある筈ないでしょう」
「……君は何を考えておるのかね?」
「そのうちわかりますよ」
ー◆ー
私とティアは父さん達が待っている海岸へと向かっているのだが……
「ほらルビアー、早く早く!」
「は、はぁ〜い……」
あっ、アッツ〜い!ベリーホット!!
途中まではライダー兄さんに乗って来たぶんのツケがまさか、ここでくるとは。
「ねぇー大丈夫?手、貸そうか?」
「あっ、いや、大丈夫だ」
「そう?本当に?」
ティアよ、本当はマジでキツイ。
でもそれでは妥協したようなものではないか?
「ああ、大丈夫だとも!ほら行くぞ、ティアよッ!!」
「えっ、ああ、うん」
私は身体に鞭を打って、歩き出した。




