第五十三話 合流
「……いないな〜」
施設内を歩き回って、約十分。成果はなし。
なぜだ、な〜ぜ見つからない!!
ここは確かに広い。しか〜し、水着が販売されている店はだいたい固まっている。
ならば、ティアと合流するのはさほど難しくない筈である。
「もしや、先に出たか?」
い〜や、それはない。ああ見えて、ティアって結構しっかりして……いるのか?わからんな。
「どうするものか……父さん達も待っている訳だし……」
こういう時に携帯電話があれば便利なのだが、この世界では上流階級の人達ぐらいしか持っていないのが現実なのだ。
私のようにたまたま貰った人なんぞ、そういないであろう。
「一旦、トイレ行くか」
いろいろと複雑になってきているから、一回リフレッシュしてこようと、私は用を足しにトイレに向かった。
ー◆ー
「いないなー」
一方その頃、紙袋を抱えたティアもルビアを探していた。
「やっぱり、突っ走り過ぎちゃたよね……」
ティアは己の言動を思い出し、引きずりつつも、周りに目を凝らす。
「うッ……こういう時に限って……」
彼女は立ち止まると、周りをぐるりと見渡す。それはルビアを探す行為ではなく……
「あった!」
ティアは早歩きでトイレへと向かって行った。
ー◆ー
「スッキリスッキリ」
ふぅ〜、思ったり出たぞ。若さ故の代謝の良さは最高である。
「さぁ〜て、ティアを――ん?」
目の前に紙袋を抱えたティアの姿が映る。
あっ、いたわ。
「お〜い、ティア!」
「ん?――あっ!」
手を振りながら呼ぶと、ティアは目を見開き、こちらに駆け寄って来る。
「やっと会えたな、ティ――」
「ごめんなさいッ!」
「え?」
私の言葉を遮り、深々と頭を下げる。今日は良く謝れるな。
「私、今日がとっても楽しみで……えーと、その、自分勝手にしっちゃって、ごめんなさいッ……!!」
あ〜、そういうことね。
「ティアよ、気にすることはない。誰でもそんなことはあるものだ。さぁ〜、頭を上げたまえ!」
「ルビア……」
「それで、その紙袋は何かな?」
「えっ、これ?み、水着だよ……」
「う〜む。なるほどね……」
無事に買えたのね〜。
「ならば、さっさと行こうかね!」
「うん!!」
ティアは満面の笑みを浮かべた。




