第五十一話 クリティカルヒット!
う〜む。こういった店に入るのは初めてだが、なかなか面白い。男の子だからだろうか?
「それにしても高いな〜」
私は声を潜めて呟く。
安ければ、せっかくだし買おうかなと思っていたが……ど〜れも高い!
この前に盗ん――拝借したやつと似たモデルなんか、なんと一つ二十万ゴールド。私の前世の月給と大差ないではないか!それと誰のかわからんが本当にごめんなさいッ!!
「なんだよアイツ……」
「場違いにもほどがあるだろ」
複雑な思いを抱えつつ物色していると、ものすご〜く後ろから陰口を叩いてくる奴らがいる。いや、本人に聞こえているのなら陰口ではないのか?
まぁ、そこは置いといて、声の方向へ視線だけ向ける。
「おっ!お〜う……」
目に映ったのは鎧を身に着けた大男二人だった。
なるほどなるほど。うん、気付いた。彼らの言う通り、場違いだ。
今、この店にいる人は私以外鎧を身に着けている。つ〜まり、この店はそっち向けの店という訳だ。私のような半袖短パン姿の奴など、来るべきところではない。
良しッ、出ようッ!!
私はそ〜っと店を後にした。
ー◆ー
店を出て、息を整える。
「さてと〜、ティアを探しますか」
他に気になるところもありませんし、父さん達も待っているであろうからな。
「う〜む。だがしかし、どこから探したものか……」
先程マップを見たが、水着を売っている店だけでもそれなりの数がある。しかし一つ一つ見ていくのも時間は掛かるし、何か効率良い方法はないものか?
私は思わず上を見上げる。あっ、照明眩しッ。
とりあえず進むか〜と、決めたその時だった。
「――急げ、急げ!」
前から全速力の少女が迫る。
「おっと――」
私はギリギリのところで少女を避ける。セーフとなる筈だった――少女の背中に剣がなければ――
「――ここぉ!コォオ!!」
鞘の先端が私の股間にクリティカルヒット!した。
「あ〜お……」
私はその場に崩れ落ちた。




