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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第三章 陽に照らされる陰
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第四十八話 そうだ、海だ

「じーーーー……」


 え〜と、私はどうしたら良いのだ?


 こっ、声をかけた方が良いのか?それともこのまま放置が良いのか?うぉ〜、わからん!


 い〜や、待てよ。

 ティアはもう私の裸をみているのだ、今更なんだというのか?


 ――ならばッ!取る行動は一つ!!


「タッタ、タッタラ〜」


 普通に着替えよう。


「うぉ、ばっ、ちょ!」


 そしたら、外からティアの奇声とドンッという音がした。


 あれ〜、違ったか?


ー◆ー


「ふぅー、スッキリした」


 着替えた後、リビングでゆっくりしていると、ティアもシャワーをして戻って来た。


「そうだろ〜」


「う、うん……」


 ん、なんだ?のぼせたか?まぁ、いっか。


「それにしてもこの暑さはどうにかならんのか?」


「ホントだよなぁ」


 いや、扇風機を陣取っている貴方が言うな。


「――夏だからって、ダラダラばっかするなよ」


 ライダー兄さんが買い物から帰って来た。 


「おかえり、ライダー兄さん」


「ああ、ただいま」


 我々は暑さでダウンしているのに、ライダー兄さんはピンピンしている。なんという気力だ。


「今日はいつもより遅かったね、お兄さん」


「どっかで涼んでもしてたんじぁねいか?」


「そんなまさか〜」


 父さんでもあるないし。


「いや、涼んでたぞ」

 

 あっ……父さん、ごめんなさい。


「正確に言えば、冷やしていただがな」


「冷やす?」


「黒い身体は陽の光を集めるから、熱くなった身体を冷やす必要があるんだ」


「あー、そういうことか」


 なるほど、ライダー兄さんは兄さんで夏が大変な訳だ。


「あっー、ホントあちぃー!」


「ですな〜」


 はぁ~、何かないのか?少しはマシになる方法は!


「あっ、そうだ――」


「どうした、ティア?」


 なんか思いついたのか、ティアよ?


「近くに川とか海はないの?」


「カバとウマ?」


「川と海な」


「ほっほう……」

 

 なるほど、なるほど、その手があったか。


「水浴びできたらいいなーって、思って」


「おおッ、いいじゃねぇか!!」


 父さんよ、その食いつき具合だと子供だぞ。


「まぁ、たまには良いのではないか」


「そうだな。たまにはいいかもな」


「じゃあ、決まりね。あとはどこに行くかだね?」


「この近くに川はあるが……」


「せっかくなんだから、海の方がいいんじゃねぇか?」


「さんせ〜い!」


 その考えは一理ある。川もいいが、海だからこその楽しみもあるからね〜。


「海なら北西部にある海岸がいいかもな、あそこは人は滅多に来ない」


「よぉーし!そこで決まりだぁ!!」


「やったー!!」


 子供が増えた。


「だが、今から行ったら日が暮れる。行くなら明日だ」


「「そんなぁーー!!」」


 やれやれ〜……


ー◆ー


 サライズ王国王城にて。


 ラーミルは国王が待つ、王の間へと向かっていた。


「貴方は……」


「これはラーミル騎士団長、お久しゅうございます」


 ラーミルが出会ったのは白髪をオールバックにし、杖をつく初老の男性だった。


「お久しぶりですね、“コラン”さん――」




 

 いつも本作品をありがとうございます!

 今年の投稿はこれが最後になります。ここまでやってこれたのも皆様の応援のお陰です。来年もよろしくお願いいたします!

 では、良いお年を!!

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