第四十七話 気まずっ
「いい加減、諦めてよッ!」
「それはこっちのセリフだぁ!」
「はぁ~〜〜〜……」
さぁ〜て、どうするか。いつもであれば私かライダー兄さんが仲裁するのだが、ライダー兄さんは外出中だし、今は我々は同類な訳だし、そもそも暑くて仲裁する気にもなれない。
「とりあえず……シャワーでも浴びて、一回スッキリするか」
こうして考えてるだけで汗でベトベトだし、少しはマシになるでしょう。
「ホントッ、大人げない!」
「なんだとぉー!?」
私はあの二人を放って浴室へ向かった。
ー◆ー
「ラ・ラ・ラ・ラ、ラ〜ララ〜」
気分爽快!汗を洗い流すのは気持ちいいぞいッ!
二人も醜い争いなんかせずにシャワーでも浴びれば良いものを……やれやれ、あれでは無駄に汗をかくだけだというのに。
はぁ~、自分を同類なんぞ言ったのが恥ずかしくなってくる。
――あっ、そ〜うだ!
せっかくだ、二人にもこの素晴らしさを教えてあげようではないか!!
私はシャワーを止め、勢い良く浴室の扉を開けた。
「オ〜〜プ――――ん?」
「えっ?」
すると、目の前には下着姿のティアがいた。
「……」
「……」
暫く沈黙が続き……
「う……う〜〜〜〜……っ!!」
「あっ」
自分が素っ裸だというのを気付くと同時にティアが沈黙を破った。
「わ〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
「い〜〜や〜〜〜〜ん!!」
完全にやらかしたわ。
ー◆ー
「――なるほど、そんなことかぁ。人騒がせな奴だぜぇ」
ティアか私の悲鳴を聞いて、浴室へやって来た父さんは呆れたように言った。
「そんなことじゃなぁいッ!」
「そうそう」
私はともかく、ティアはお年頃だし、こういうのは結構気まずくなるものなのだから。問題なのだよ。
「はぁ……家族なんだから、気にするなよ」
「だから、そういうのじゃないんだって……」
ほら見ろ。顔は真っ赤だし、尻尾はブンブンと動いているではないか。
言っておくが、私は今、タオルを巻いてるから素っ裸ではないぞ!
「まぁあ。何がどうあれ、今回は互いの不注意ということで手を打ちましょう」
「ああ、そうしろ、そうしろ」
「えっ!……う、うん、そうだね」
父さんはリビングへと戻って行った。
「ではティアよ、服を着たいから、すまないが一回出てくれないか?」
「うん、わかった……」
ティアも待っているし、さっさと着替えなければ。
と、服を取ろうとしたその時、扉の方に目が入った。
「ん?」
そこには扉の隙間からこちらを覗くティアの姿があった。
えっ、どうしよう?ちょ〜気まずっ!!




