第四十一話 あれ?そういえば、
どんどん地面が近づいていく。
「やぁ~〜もう無理ぃぃぃぃぃぃ!!」
ここで私の人生は終わりのようだ――
家族孝行をまた出来ずに終えるのは嫌だったが、さすがにここから助かる方法なんぞ、奇跡が起こらない限り無理だ。
「うおーーーー!」
はぁ~……とうとう変な幻聴まで聞こえてきたか――
「ルビアーー!!」
あっ、今度はしっかりと――ん?この声は――
すると何かにキャッチされる感じがした。
ゆっくり目を開けると、父さんの姿があった。
「あっぶねぇー、なんとか間に合ったぜぇ……」
「と、と、と、とととと父さんッ!!」
「うぉお、危ないだろぉ!」
まさかまさかの奇跡に思はず、父さんに抱き着く。
いや〜、助かった、助かった。……ん?待てよ。ここは空中だ、翼のない父さんはどうやって空を飛んでいるんだ?
気になったので身を乗り出して下を見てみると、父さんの足の裏から炎が凄まじい勢いで出ていた。
え?父さん、そんな力あったのか?前にスキルがどうのこうのとか言っていたが……まあ、空は飛べるのはカッコいいと思うし、良いと思うぞ!
「ありがとう、ほんとぉ〜うにありがとう!!」
「おぉうよ!」
「ここまで死ぬと思ったの――は――」
――あれ?そういえば私、父さんに投げられたからこんな思いをした……よね?
なんだったら父さんは飛べるんだよね?
てことは――
「元はあんたのせいではないかぁぁぁぁ!!」
「いきなりどうしたぁ!?」
沈んでいく太陽を背に、私は初めて親子喧嘩をしたのだった――
ー◆ー
日が沈み、静まり返った森に焚き火の音がよく聞こえてくる。
焚き火の近くには気を失っている三人が寝ている。
その中の一人は金髪の女性――ラーミルだった。
「……ん、んん……ここは……」
目を覚ましたラーミルは身体を起こし、辺りを見渡す。
部下の二人が目に入ると、無事なことに安堵する。
「良かった――」
「目が覚めたようだな」
すると奥の方から誰かの声がし、近づいてくる。
「なっ――」
その姿を見た瞬間、ラーミルは目を見開いた。
それは馬のような顔をした人型の《無獣》だった。




