第三十二話 カッコいい登場?
「なッ――!」
「きゃッ――!」
「やぁああ~〜!!」
ガツン!と、鈍い音とともにゴルフカートに強い衝撃が走る。
トラックが激突したのだ。
「よくも〜!」
ゴルフカートは火花を散らしながら、トラックに押されていく。
「このままじゃ……まずいですよ」
「事故っちゃうよ……」
と言われましても、このゴルフカートは操作出来ませんッ!!
クソッ。こうなれば、一世一代の大博打だぁ!!
「とぉうさぁぁ~ん!!へ〜ルプミィィィィイイイイ!!!!」
私は大きく息を吸って、父さんに助けてを求めた。
それと同時に緊迫していた空気が一瞬にして凍りついた。二人は冷めた目で私を見ていた。
「呼ぉんだ、かぁ?」
するとどこからか、こもった声が聞こえてきた。
「え?今のって……」
「まさか……」
えっ?嘘でしょ?運の神様は本当に私の味方なのか!?
「ハッ、ハッ、ハァ〜クションッ!!」
今度はトラックの方からこもったクシャミと爆発音が聞こえてきた。
「ふ〜む!」
運の神様が何をしてくれたのか確認する為に私は横から身を乗り出した。
「ん~~――へっ!?」
トラックを見ると、コンテナに大穴が空き、煙が立ち昇っていた。
そして中から見慣れた人影……ではなくドラゴン影が見てた。
「ひっく……オェ、気持ちワリィ」
「父さぁぁん!!」
私は手を大きく振った。
「ちょっとルビアさん、危ないですって!」
「お父さぁぁん!!」
「ん?うぉおおお!ルビアとティア!!」
父さんが気付いた。うむ、すごいベロベロだ。
「待ぁていろぉ?今そっちにぃ――」
父さんがコンテナから出ようとしたその時だった。
「――あっ」
「あ」
「あ」
「あ」
父さんが足を滑らし、落ちる。父さんは咄嗟にコンテナを掴む。
そしてその拍子でトラックのバランスが崩れ、横転した。
「いかだぁぁぁああ!!」
ゴルフカートはスピンし、同様にバランスを崩し、横転した。
「だ、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫です」
「私もー」
なんという奇跡。
おお〜感謝を、運の神様と父さんに!!
「ウォ〜い。生きてるかぁ〜い?」
父さんがふらふらになりながら、こっちに向かって来た。
「あっ、父さぁん!!」
「お父さん!!」
こうして私達は何時間ぶりに再会した――




