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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第二章 それぞれの邂逅
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第三十一話 決意=死亡フラグ!!

「やはり合流地点をもっと近くしておくべきでしたか」


 トラックを運転する鳥面の人物はボソッと、呟いた。


「ですが、時間が稼げる程度には効果はあったようですね。これならでも本格的に活用しても問題なさそうか……」


 鳥面の人物は片手を胸に当てる。

 それはどこか苦しそうにも見えた。


 そうしていると、前方に一台のゴルフカートが現れた。


「ゴルフカート?なぜこんな所に……いや、それよりあそこに乗っているのは……」


 注目したのはゴルフカートの後部座席に座っていた一人の女性。


 彼女がどうしてあそこにいるのかはわからない。しかし今、目の前にいるという事は騎士団を撒いて来たのは明確であった。


「さて、どうしましょうか。彼女がいるという事は、おそらく例の少年も同乗しているでしょうし――」


 鳥面の人物は思考を巡らせる。


「まあ、彼女なら問題ないでしょう」


 そう言うと、アクセルを踏み込んだ。


ー◆ー


 落ち着いた今、私は改めて考えた。


 冤罪で投獄されるが騎士団員を便所に誘導し、その後脱獄。そして現在、ゴルフカートで逃亡中。


 これはもう犯罪者ではないかぁ〜〜!!


 あの時は死の危険であれだったが、冷静なってみれば非常にまず〜い。


 このまま逃亡生活になるのか?父さんとライダー兄さんに家族孝行も出来ずに?


 いや、そんなのあってはならない!!


 私は決めたのだ。全身全霊を賭けてあの二人に恩返しすると!


 だからこそ、現状を打破しなければ――


「ふぬぬぬぬぬぬ〜〜……」


 だが、頭をフル回転させるが何も思い付かない。


「ちょっと、ちょっと、ルビア!スピード上げて!!」


 ティアよ、今は席を揺らさないでくれ。


「ルビアさん早くしてください!」


「ぬぬぬぬ、何ですかね!?こっちは打開策を――」

 

「「後ろ!!」」


「へ?」


 二人の言葉に促されるまま後ろを見ると、大型トラックの正面がいっぱいに目に映る。


「トラックゥゥゥゥゥゥウウウウ!!」


 その瞬間、私を本能的にアクセルを踏み込んだ。


「なんだ、あのトラックはぁ〜!!」


「あのトラック、殺意がすごいよ!」


 ゴルフカートは既にスピードマックスだが、差が延びるどころか縮む一方である。


 すると、ウィーラさんがある事に気付く。


「あっ!このトラックは!!」


「なんですか」


「このトラックは、ルビアさん達が乗って来たものです!」


 何!?という事は――


「運転しているのはジェームズさんなのですかぁ!?」

 

「いやここからじゃあ、運転席までは見えないよ?」


「そ、そうですね」


 チラッと後ろの座席の方を見ると、ウィーラさんは必死に運転席を見ようといていた。

 気持ちはわかるが今ではない!


「というかそれより今はどうするか、では!?」


「と言われても……」


「これじゃあ……ね?」


 はぁ~、あの決意は死亡フラグだったのかもしれない。

 

 そう私は後悔した。


 

 

 


 

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