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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第二章 それぞれの邂逅
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第三十話 私は空を飛べるのか?

 私はあの後、車庫へ華麗に逃げ込んだ。


 そし〜て奇跡的にゴルフカートが鍵の付いたまま停車してあったので、そのままかっ飛ばし、なんやかんやで今に至る訳だ。


「さぁ〜て、これからどうしたものか?」


 ゴルフカートでこのまま森を爆走するのも楽しいのだが――


「まぁてぇぇぇぇーーーー!!」


 ま〜ずは車で追ってくる騎士団をどうにかしなければ、何も始まらん!


「どうするのルビア!?」


「さすがにゴルフカートでは限界があります!」


「ふ〜む。何か後ろに積まれていませんか?」


 そう言うと、ウィーラさんが手当たり次第にゴルフカートを探し出す。


「えーと、ゴルフ道具一式と発煙筒が積まれています」


「そうですか……」


 まぁゴルフカートにある物なんぞ、たかが知れているから期待はしていなかったが――


「良しッ、あと少しだぁ!!」


 さて、そうこうしている内に騎士団との距離が縮まってきて大ピ〜ンチ!!

 

「うぉ〜〜〜〜だぁ~〜!!」


 アクセルを精一杯踏み込むが、スピードは変わらない。


「どうしよぉールビア!?」


「おのれ〜……ん?」


 諦めかけたその時、右前方に崖が見えた。そしてその先には道路が伸びていた。


 それが見えたその瞬間、私は一つの策を思い付く。


「よぉ〜し二人とも!今から飛ぶので、しっかり掴まっていてくださぁ〜い!!」


 ハンドルを右に切り、崖に出る。


「ちょ、ちょっと、ルビア!?」


「ルビアさぁん!?」


「アイ、キャン――」


 そのままスピードを緩める事もなく、私はゴルフカートで崖から飛んだ。


「フラァァァァァァイ!!」


 ゴルフカートは宙に浮きながら前へと進んで行き、道路に着地した。


「フッフッフ。成功したぞ」


 崖の方を見ると、騎士団が凄まじい形相でこちらを睨んでいる。運の神様は我々に味方したのだ!感謝感激!!


「……ルビア」


「ルビアさん……」


 おっ、なんだ?私へのありがたきお言葉かな!?


「なんであんなぶっ飛んだ事したの!?」


 あ〜れ?


「ああいうのは事前に教えてください!!」


 まさかの大バッシング!!


「あ、えっ、ほら!逃げ切られたではあ〜りませんか!?」


「そういう問題じゃなぁい!」


 するとティアが後ろから私の席を揺らす。


「あばぁ〜あばぁ〜……」


「ティアさん、ルビアさんは運転中ですよ!」


「あっ、ごめん」


「い、いいさ」


 ふぅ〜、一旦一安心しようではないか。



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