表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第二章 それぞれの邂逅
27/102

第二十七話 隠れ鬼

「ガキが逃げたぞー!!」


 脱走して早々に私がいない事に気付かれ、騎士団は屋敷内を捜索していた。まさかこんなにすぐバレるとは。

 とりあえず仕事が早いのは称賛しておこう。


「どうする?もしウィーラ様に気付かれたら厄介だぞ」


「安心しろ。応接室には誰も入れないように厳重にしてある」


「だがこんなに騒いでいるんだ、急いだ方がいいな……」


 ほうほう。どうやらウィーラさんの所へ行くのは困難のようだ。

 フンッ。だがそれは私が見つからなければ良い事!


 私は前世の少年時代、鬼ごっこをかくれんぼで制した男だぞ!!


 誰も私が今、通気口の中に隠れているなんて気付きもしないだろう。

 さ〜て、さっさと応接室へ向かって言い訳をしなければ。


 そして私は応接室を目指して、通気口を這いつくばるのだった。


ー◆ー

 

 一方その頃、ウィーラ達はというと……


「……なんだか屋敷が騒がしいですね」


「それより早く進んでくれます?」


「ちょっと待ってください。今、ここがどこに繋がっているか思い出しているので……」


「やっぱり通気口を通って行くなんて厳しいですよ」


 ルビアと同じく、二人は通気口内を四つん這いになって進んでいた。


「それは仕方ないじゃありませんか!誰にも気付かれずに牢屋に行く方法はこれしか思いつかなかったんですから!!」


「静かにしてくださいよ。バレちゃうじゃないですか」


 ティアは声を殺して後ろからウィーラをなだめる。


「そ、そうですね、これは失礼しました。えーと、確かこっちですね――」


 ウィーラは我を取り戻し、先へ進もうとする。

 その時だった。


「な〜んて入り組んだ通気口だ。さて、今度はこっちへ進もうではないか」


 今から進もうとした所から、二人の聞き馴染みのある声が聞こえてきた。

 

「この声は……」


「もしかして……」


 そして奥から黒髪赤目の少年が現れる。


「おや?これは……」


「ルビアさん!」


「ルビア!」


「ウィーラ様とティア!!い〜や、これには深い訳が――」


「ええ、わかっています。それより今は状況を整理しましょう」


「へ?あっ、はい」


 それからウィーラ達はお互いの情報を共有し、現在起きている事態を整理をする。


「成程、これで騎士団は今回の事件の共犯だとはっきりしました」


「だ〜がどうしてそんな事をするんだ?」


「多分重要なのはジェームズさんとお父さんの失踪の方だと思うよ」


「確かにドラゴンさんが失踪するのは不自然ですよね」


「ふ〜む。となると、どこかで情報が漏れたことになるが……」


「ですが屋敷内でドラゴンさんの事を知っているのはジェームズぐらいで……ハッ!まさか……」


 ウィーラは今までの事が一つの線で繋がったような気がした。


「黒幕はジェームズさん……」


「でも彼がそんな事をする理由なんて……」


「……なら確かめに行きましょうか」


「どうやってですか?」


 そう言うとルビアの口角が上がる。


「簡単な話ですよ。爆発した小屋は庭園の近くなのでしょう?ならばそれをしたのがジェームズさんと考えるのが自然だろう?」


「確かにそれなら混乱と称して騎士団も動く事が出来るし、合図にもなるよね」


「……つまりそこに行けばジェームズに会えるということですね」


「ええそうです。ウィーラ様、いかが致しますか?」


 ウィーラはうつむき考える。

 そして、


「行きましょうかルビアさん」


「わかりました」


「それで、どうやってそこまで行くの?」


「あ」


「それなら一旦応接室に戻りましょうか」


「だそ〜だ。ティアよ、早くバックしてくれ」


「ちょっと待ってよ!ドレス着ていると動きづらいの!!」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ