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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第二章 それぞれの邂逅
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第二十三話 えんざぁ〜い!!

「何度言ったらわかってくれるんですか!」


「なら認めてください。ルビアの事、すすす好きなんでしょう!!」


「だからどうしてそうなるんですか。それにも、もし好きだとしてもティアさんには関係ないでしょう!?」


「ありますよ家族ですから!!さあウィーラさん、答えてください!?」


 ティアはウィーラにジリジリと寄っていく。 


「わ、私は……ルビアさんの事を……」


「たいへ〜んです!事件で――」


 運悪く、そこへルビアがやってくる。

 しかし二人は気づいていない。


「――好きではありません!!」


「へ」


 彼女の一言で場の空気が凍りつき、ルビアは石像のように固まる。


「あ、ルビア……」


「ル、ルビアさん!?ちっ、違うんです!これはその……」


 ウィーラは顔を真っ赤にし、目をぐるぐると回す。


「あ、大丈夫です。そういうの慣れているので……ハハハ」


 ルビアはロボットのように片言で話す。


「はっ!違う違う。そんな事より大変なんです!」


「なんですか!?」


「あ、話ずらした」


「殺人事件が起きま〜した!」


「「えっ!?」」


ー◆ー


 あの後ウィーラさんを現場に連れて行くと、冷静になってフカーヨス領の騎士団を招集した。


 ラーミルさんにも連絡は入れたらしいのだが、応答がなかったとか。


 まぁ、今の私には関係ないことだが。


「出してくれ!私は無実だぁ〜〜!!」


 ガンガンと、鉄格子を揺らす。

 だが誰もいないからただの独り言だ。


 ふぅ〜やはりこうなるのか。

 事情聴取を受けて「こちらへどうぞ」みたいな感じでついて行ったら、牢屋にブチ込まれる……


「はぁ〜……」


 当初の目的とは全く違う方向へ向かっている。

 なんだ?私が転生したのはサスペンス系の世界なのか?


「う〜む。とにかくまずは私の無実を証明しなければ人生終了のお知らせだ。どうにかしなければ――」


ー◆ー


「ルビアは無実です!」


「落ち着いてください。私もルビアさんが犯人じゃないのはわかっています」


「ならどうして!!」


「一応そういう決まりなんですよ……」


 二人は応接室に戻り、騎士団の事情聴取が終わるのを待っていた。


「いつまで続くんですか?」


「数日は掛かると思います」

 

「長いです!!」


「と言われましても……」


 部屋の空気が重くなったところで、騎士団員が部屋に入って来る。


「お持たせしました。聴取が終わりましたのでご報告を」


「お願いします」


「この屋敷の人間、一人を除いて全員に聴取をしたところ、アリバイがなかったのは被疑者のみです」


「そうですか。……ん?一人を除いて?」


 ウィーラはその言葉に引っ掛かる。


「ええ。実はメイド長のジェームズの行方が不明になっているのです」


「ジェームズって……」


「お父さんに付き添っていた……」



 


 

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