第二十一話 タッグは化け物
その輝きは腕輪から離れ、大きな人型を形作っていく。
やがて輝きは消え、大剣と大盾を持った純白の騎士が姿を現す。
「フォジュック・ライト、ここに見参――」
「こ、これは……!」
賊の多くは何かを察したかのように冷や汗を流しだす。
「おお……これなら」
一方、騎士団員の二人は安心したかのように顔色を良くした。
「フォジュック、準備はいい?」
ラーミルは剣を抜き、フォジュックの横に立つ。
「言うまでもないわい」
短い言葉を交わした二人は剣を構え、戦闘態勢に入る。
「二人は後ろから援護をお願い」
「「はっ、はい!」」
騎士団員の二人も遅れて戦闘態勢に入る。
「へっ。『守護獣』がいるからって勝てると思うなよ!!」
そして賊は虚勢の張った声を出しながらラーミル達に向って突撃する。
「ハッ――」
「ふんッ」
ラーミルとフォジュックはそれと同時に踏み出す。
『光の壁』
フォジュックはラーミルの方に大盾を向け、唱える。
するとラーミルが空中を駆け出した。
「どうなってやがる!?」
賊は突然の事に思わず足を止める。
彼女はそれを見逃さなかった。
「はぁあ!」
ラーミルは空中から賊に突っ込む。
「しまっ――」
賊は彼女の予想外の動きとスピードに対応できず、次々と斬られていく。
「よそ見はいかんぞ!」
「ぬぁぁぁぁああ!!」
フォジュックはで大剣を地面に振り下ろし、賊を吹き飛び、一気に数を削る。
そして賊はさらに数を削られていき――
「聞いてないぞ。こんな化け物だって……」
最後に残った賊は既に戦意喪失で、武器を手放していた。
「詳しい話は後で聞くわ」
ラーミルは剣の柄で最後の賊の頭を殴り、気を失わせた。
こうしてダマキ盗賊団は完全に壊滅した。
「お疲れ様、フォジュック」
「そうだな、我が姫よ。」
「我々は何も出来ませんでしたよ」
「いいえ。貴方達も良くやってくれたわ」
「それで、こいつらをどう運ぶ?」
フォジュックは高く積まれた賊を見ながら言った。
「そうね。この量は一回戻って車を手配しないと」
「もしよろしかったら、私達が手配しに行きますよ」
名乗り上げたのは二人の騎士団員だった。
「そう?なら、お願い――」
「――その必要はない」
突然、また誰かがラーミルの言葉を遮る。しかし声の主は賊ではない。
「誰!?」
「そのうちわかる事さ」
声の主は嘲笑うように答える。
「何を言って……はっ――」
「なっ、なんだ!?」
「どうなってる!?」
「動けんぞ!?」
ラーミル達が気付く頃には時既に遅く、誰も動けない状況になっていた。
それはまるで、金縛りにあっているかのように――




