第二十話 第二ラウンド ファイッ!
「ルビアさん、その紅茶どうですか?」
「とても美味しいです」
あ〜歯に滲みる〜。
まさかこんな散々な目にあうとは。何を揉めていたのかは知らないがもう少し周りを見てほしいものだ。
「ルビアこのお菓子、とっても美味しいよ!」
「ほう。どれどれ〜」
だがこんなに美味しい物が食えるのだ。とりあえず今を堪能しようではないか!
歯がとても心配だが。
私は後の事は考えず、目先のお茶菓子を口に放り込んだ。
「そういえば今日はラーミルさんはいないんですね」
「言われてみれば確かに」
「ラーミルさんなら、任務で遅れて来ると言っていましたよ。まぁ、言ってしまえばラーミルさんの到着待ちなんですけどね」
おい、おい、おい。領主とは言え、少し羽目を外し過ぎではないか?
「やっぱり口実だったじゃないですか」
「ですからあれはですね――」
あ〜これはまずい。また始まるぞ。
普通ならここで止めるべきだが、もうこれ以上怪我はしたくないのでね。今回は止めんぞ!
ふ〜む。これは父さんの所に行くのが吉か?
いや。これから大事な話もあるし、どうせすぐ終わるだろう。
今は歯の痛みに耐えながらお茶菓子でも頬張っておこう。
ー◆ー
「これはどういう事かしら」
「完全に途切れてますね」
ラーミルと二人の騎士団員はタイヤ痕を追って辿り着いたのは、一つの崖だった。
それを見てラーミルは頭を抱える。
「これ以上は追えませんがどうしますか?」
「さすがに厳しいわね」
追っていたタイヤ痕は崖の端で途切れていたからだ。
勿論の事、崖下にはバイクの残骸はなく、ただ川が流れているだけだった。
「この件は一旦後回しにして廃村に戻りましょう」
ラーミルは渋々と決断する。
「よろしいのですか?関係しているのはほぼ確実ですが」
「わかっているわ。でもこんな不可解な事、下準備なしに探るのは危険よ」
「そ、そうですね」
「わかってくれたならいいわ。じゃあ車に――」
「――本当にいたぜ!」
ラーミルの言葉が遮られる。
すると奥から武装した賊が次々と現れ、ラーミル達を崖に追い込む。
「貴様ら誰だ!」
騎士団員の一人が問う。
「ハッハハハハハ……オレ達はただ兄貴の敵を取りに来ただけだ!!」
あちこちから下品な笑い声が響く。
「兄貴……成程、ダマキ盗賊団の残党ね。まさか罠を仕掛けていたとは」
ラーミルは余裕な表情を見せる。
「へぇ~騎士団長の肩書きは本物なんだな。だがその余裕、いつまで持つかな?」
「団長、どうしますか?」
「問題ない。私には彼がいる」
ラーミルは左腕を掲げ、一言。
「来て、フォジュック・ライト――」
彼女の左腕の腕輪が輝き出した。




