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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第二章 それぞれの邂逅
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第十七話 いざ、フカーヨス邸へ!

「ねぇールビア、電話鳴ってるよ」


「はいは〜い」


 騒動から数日が経ち、村はウィーラさんと王国の支援により徐々に復興しつつある。実に素晴らしい事だ。 


 私も普段通りの生活を送っているのだが……


「もしも〜し」


『あっ、もしもしルビアさん?今って大丈夫ですか?』


「えぇ、大丈夫ですよ」


 あれからというもの、毎日ウィーラさんが電話を掛けてくるのだ。別に嫌なわけではない。

 話すのは世間話ばっかだから、むしろ楽しい。

 

 だ〜が良いのだろうか?


 この世界には携帯電話があるのだが、どれも高値で貴族や王族ぐらいしか持っていない。

 今持っているのはウィーラさんから連絡用として貰ったものだ。

 そんな高価なものを私なんかにあげて良かったのだろうか。


『ルビアさん聞いてくださいよ。今日の朝、庭を歩いていたらいきなり猫が飛び出して来て、思わず尻もちをついてしまったんですよ!』


「それは災難でしたね〜」


 まぁ、彼女が楽しそうだからいっか。

 

 それから彼女と話し始めて数十分後――


『あっ、そうでした。ルビアさん、今日は大事なお話があります』

 

 あ、今日は本題あるのね〜。


「なんでしょうか?」


『遅くなってしまいましたが、お話の場が整いました。ですのでルビアさん、ご家族とフカーヨス邸に来ていただけませんか?』


 成程〜、要するに父さんの件を解決しようということか。まぁ、対策は後でティアと考えればいいから大丈夫か。

 

「わかりました。ですが父さんはどうしましょうか?」


『そちらに付きましてはこちらがお迎えに上がりますので、日時さえ教えてくだされば』


「了解です。では父さん達に空いている日を聞いておきますので、また改めてご連絡させていただきます」


『承知致しました。ではまた』


「はい、また」


 よ〜し、計画の為にも頑張るぞ!


「随分とご機嫌だね」


「うぉ、なんだティアか。あっ、そんな事より大事な話が――」


 ティアに一連の事を話した。


「とりあえず状況はわかったよ。作戦を後で決めるのね……」


「そのと〜おり!」


「作戦ってなんだ?」


 あっ、この声は……


「なんでもないよ、ライダー兄さん!」


「そうか。てかいつからそんな呼び方になった?」


「どう呼んだって良いではないですか」


 私は襲撃事件の後、兄さんが帰って来た時に本名をすぐに聞いた。ど〜うやら、HB7《エイチビーセブン》ライダーというらしい。

 これでは馬かどうかわからないのが残念だが、まぁ……馬だろう。きっと……


「まあ、そうだな。もうすぐ飯だ、準備するの手伝ってくれ」

 

「「は〜い」」


 ライダー兄さんはキッチンに戻って行った。


「ルビア、お兄さんにあの事話しておかないといけないんじゃない?」


「ん?ああ、そうだな」


 ライダー兄さんは留守番になるだろう。

 だが彼には結構負担をかけてしまっている。たまには独りの時間を楽しんでもらうのも良いかもしれない。


 そんな事を思いながらライダー兄さんと父さんに例の件を伝えた。


 そしてあっという間に当日となった――


ー◆ー


 私とティアは家にあった正装を着た。

 私は黒のスーツ、ティアは青を基調としたドレスだ。

 ちなみに父さんはそのままだが、昨日酒を強引に抜かせた。


 スーツなんて前世以来か。いや、それより……


「これはこれは」


「お、大きい」


「こりゃたまげた」


 ウィーラさんの迎えが来たのだがまさか大型トラックとは。

 大きさはそこらのトラックより大きい。確かにこれなら父さんも乗れるがなんか、思ってたのと違う。


「えー、皆様はこちらへどうぞ」


 運転手の人はそう言うと、コンテナの扉が開いた。


「「「おぉ〜」」」


 そこにはきらびやかでお洒落な空間が広がっていた。


「今回の為に改造されていただきました」


 ものすご〜い待遇ではないか。ウィーラさん、気遣いありがとうございます。


「いざ、フカーヨス邸へ!!」


 私達はコンテナに乗り込み、フカーヨス邸へ向かうのだった。


ー◆ー


 物陰からルビア達をうかがう者がいた。


「やっとか。さて、俺も動くとするか……」


 その者は懐から携帯電話を取り出し、誰かにかける。


「もしもし、俺だ。そっちに向かった。行動を開始しろ」

 

 電話を切ると、今度はルビアの家に目を向ける。


「少しは楽しませろよ」

  

 気が付くとそこには誰もいなかった。


 

 

 

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