表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
第一章 動き出す歯車
11/103

第十一話 どこ!?/あのクソ上司〜

 ラーミルは何が起きたのか、わからなかった。

 

 自分に飛び掛かってきた人狼は、焦げた肉片と化していた。

 

 それを見たラーミルはいぶかしみの表情を浮かべる。


「騎士団長!ご無事ですか!!」


 そう言ったのは、こちらへ駆け寄って来る騎士団員だった。


「えぇ……。そっちの様子は?」


「村の住人の保護が完了しました。それにしても人狼とは厄介ですね」


「そうね。それに今回はいくつか腑に落ちない点もあるわ」

 

 なぜか魔物を複数使役している襲撃者、なぜか本来と違う生態の魔物、そして何より……


「騎士団長、この肉片は?」


「私にもわからないわ。いきなり爆発したの」


 なぜか爆散した人狼。

 周りに気配はなかったし、近くに爆発するようなものはなかった。

 彼女は気になって仕方がなかった。


「そうでしたか。さっき何かが飛んでいくのが見えたので、てっきり爆弾でも投げたものだと……」


「そうね、まるで爆弾でも投げ……え?今、なんて言った?」


「で、ですから、さっき何かが飛んでいくのが見え――」


「――どこから!?」


「は、はいっ!そ、そこの草むらから……」


 そう言うと、彼は奥の草むらを指差した。

 その草むらは人狼が飛び掛かってきた方向であった。


 ラーミルは誰彼構だれかれかまわず、草むらに向かう。

 そして草を掻き分ける。


「これは……」


 そこには大きめの一筋のタイヤ痕があった。


「騎士団長、これって……」


「バイクのタイヤ痕ね……まったく気付かなかったわ……」


 ラーミルはそれを一目見た瞬間、複雑な感情を抱いた。

 助けてもらうことしか出来なかった自分の情けなさ、迅速に対応出来なかった自分の未熟さ、胸のざわめき……

 しかし、彼女は深く考えてる暇はなかった。

 

「ラーミル騎士団長、緊急事態です!!」


 そう言ったのは大慌てで来た別の騎士団員だった。


「今度は何?」


「ウィーラ様の乗った車が人狼の群れに襲われています!!」


「はっ!しまった――!!」


 その時、奴らの真の目的が明確になった。


ー◆ー


 私は今、トイレに籠っている。


 おのれ〜、あのクソ上司め。

 新しい人生でも私の邪魔しやがって〜〜。


 てかあれ?なんで私はこんなこと考えていたんだ?

 あ、あれだ、フォジュックさんが大変な思いをしていて、わかる〜その気持ちってなって……ん?


「はっ!騎士団!!」


 そうだすっかり忘れていた。村に行くってなって放ったらかしにしてしまった!


 彼女らなら村の安全は保証される。しかし問題はその後だ。

 フォジュックさんがいるってことは必ず戻って来る。そうなれば確実に終わる!!


 だがどうする。ヘタに外に出られない以上、何も出来ない。

 兄さんが帰ってくるのも時間の問題…… 


「ルビア大丈夫?」


 この声は……ティアだ!そうだ。


「ティアよ、作戦会議だ……」


「作戦……成程、そういうことね」

 

 おぉ〜〜、わかってくれたか。流石ティアだ。


「このままでは、確実に詰みだ。何か、打開策はないか?」


「そうだね〜、例えば騎士団の手助けをするとか」


「ほう、だがもう終わっていると思うが?」


「それがウィーラさんの所にが現れて、ピンチらしんだよね……」


 なんという好都合。


「なら申し訳ないが、利用させてもらおうではないか!!」


「そうだね!」


 それにしても彼女の情報網はどうなっているのだろうか?

 事情は知っているとはいえ、まさかここまでとは彼女には驚かさせられてばっかりだ。


「後はどう外に出るかだが……」


「それなら良い案が――」

 

 ふむふむ、面白い。一か八かだがやる価値はある。

 

「――よ〜し、作戦開始だぁ~〜!!」


 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ