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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第百二話 列車でゴ〜〜!!

 私達は今、王国の最新技術を使った列車でセットン帝国に向かっている。


「へぇー、やっぱ王族はすごいね」


「そ、そうだね……」


 超高速でな〜んと一時間弱で着くことができるらしいのだが、見た目が完全に前世の新幹線だったんだよな〜。

 本当に違和感でしかない。


「段取りはわかってますか?」


 向かいに座るイリスがこの後することの確認を取ってくる。


「わかっているさ」


「同じく」


「あ、え、ホ、ホホホントですか?」


 明らかに挙動がおかしくなるイリス。

 お〜や〜、これは……。


「イリスよ、段取りを言ってみてくれ」


「ええっ!?」


 すぅ~。


「えーと、あれですよね?セットン帝国に到着したら、そのまま王城に向かって直談判ですよね!?」


「「…………」」


 う〜む。ダメだ、こりゃ。

 

「ご、ごめんなさい。ウチ、昔からこういう覚えることが苦手で……」


「別にそこまで気にしてないよ。ね、ルビア?」


「ああ、そうだな。他のところで頑張ってくれたら良いさ」


 大変申し訳ないが、正直そういうところでは期待していないんだ。本当に……う〜む、ごめん。


「じゃあ、私が代わりに話すね」


「頼むぞ、ティア」


「まず、セットン帝国から宣戦布告されている上に一切のコンタクトも取れない以上、正面から行くのは危険が高いから避けて密入国する」


「密入国……。あれ?じゃあこの列車はどこに向かっているの?」


「セットン帝国近くの避暑地の駅に向かっておる。そこで変装して密入国だ」


 要するにそこから歩きだ……うぅ。


「なるほど……それでその後は?」


「その後は――」


 目を泳がせ、最終的に私に目を向ける。


「どうにかして王城に忍び込む!以上!!」


 私はとりあえずガッツポーズをして言い切る。


「へ?」


「……ハハハ」


「――って、ちょっと待ってください!!なんですかそれ!?ここが一番大事なんじゃないんですか!!??」


 ザッツライト!なんだが仕方ないではないか!!

 他に方法見つからなかったし、国王からも一応ゴ〜〜でたよ!!


「ま、まあ、私達な〜らどうにかなるよ!」


「そ、そうだね」


「ウチら、ホント大丈夫かな?」


ー◆ー


 同時刻、サライズ王国王の間にて。


「陛下、本当に良かったのですか?」


 家臣の一人が国王に問い掛ける。


「何がかね?」


「あの作戦はさすがに強行手段過ぎではありませんか?場合によっては今より状況が悪化する可能性もあると思いますが」


「確かにその通りだ。だがな、それが最適解だと思うのだよ……」


「なぜですか?」


「そうだな」


 国王は一枚のある書類を手に取る。


「――――()が近い、かな」


 その書類の表紙には『フカーヨス邸にて起きた事件要項』と記載されていた。




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