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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第百一話 空の旅

「……ふざけているの?」


 投げ掛けられた言葉にラーミルから怒りが滲み出る。

 

「ふざけてなどおりません。ただ到着まで少々時間が掛かりそうですので、それまでいろいろとお話ししようと思いまして」


「到着?」


「ん?ああ、貴方はご存知ないと思いますが、ここは飛行要塞『デウス・エクス・ボエール』。その名の通り、我々は今何千メートル上空にいます」


「なんですって!?」


「驚きますよね?(わたくし)としても熱く語りたいのは山々ですが、それよりも貴方は聞きたいことがあるのではありませんか?(わたくし)は知っておりますよ?」


「――ッ!」


 レイヴンは今の彼女を見透かしたように聞き返す。 

 今のラーミルが知りたいこと、聞きたいこと、一番気にしていること、それは――


「貴方がサライズ王国()()()()でありながら、なぜここ最近まで《無獣》の真実を知らされていなかったのか、とか?」


 それは国王がルビアを呼ぶようラーミルに指示した時に初めて告げられた真実。


「貴様ッ!」

 

 次の瞬間、ラーミルは単純で幼稚と自覚しながらも自身の置かれた状況など関係なく、レイヴンに突っ込む。

 しかし目前のところで鎖が謎の引力で天上に引き寄せられる。ラーミルは抵抗も虚しく宙に浮かび、吊るされた状態となった。


「お気持ちはご察しますが、落ち着いてください。あまり手荒れなことはしたくありませんので……」


 レイヴンはいつの間にか置かれていた椅子に腰掛け、嘆いた。


「どうして!なぜ貴様がそのことを……まさか……」


「はい。そのまさかですよ。コランと(わたくし)は仲間ですよ」


 この時、一足遅れてラーミルも王城襲撃の概要を理解する。


「――おや、着きましたか」


 と、レイヴンは立ち上がり、扉へと向かう。


「どこに行く?」


「目的地に到着しましたので、次の準備を。ですので大変申し訳ありませんが、続きは後ほどということで」


 そう言い残すと軽く一礼し、部屋を後にする。

 空間には吊るされたラーミル()()が残された。


「私は……」


 静けさの中、鎖がジャリジャリとただ鳴るだけであった。


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