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英雄にすることもまた一つの恩返しである  作者: 若村鬼海
最終章 英雄を照らす者
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第九十九話 結成、夢のドリームチーム!!

 王の間を出たのは良いものの、はてさ〜て、どうしたものか。

 今のところ、王城のだだっ広い廊下をただ歩き回っているだけである。


「う〜む」


 チーム……ねぇ。はてさて、誰を選べばいいか?

 まずティアは確定で、こういう時一番頼りになりそうなウィーラさんは用事があるから無理。

 ラーミルさんはあれ以降姿を見ないから、王国騎士団団長としての対応に追われているのだろう。となれば厳しいか。


 できれば諸事情に詳しい人は一人は欲しいところだが――――あ〜イリスは……イリスはどうなんだ?

 第二王女だし、思い返してみた辺り知っているのは間違いないだろう。

 だがな〜……う〜む、一応声を掛けてみるか。

 

 私はイリスを探しに王城を駆け出した。


 ――数十分後。


「へぇ、へぇ……広すぎだろ……」


 イリスを尋ねて数十分。

 今だ発見には至らず、もうどこかもわからない廊下で私は這いつくばっていた。


 なぜだ、なぜ見つからない?

 あちこち聞いて目撃証言もあったのに、なぜなのだ!!


「――安静していないとダメですよ、フォジュックさん!!」


「そうです!大人しくしててください!!」


「大人しくなどしていられるか!!」


 突き当たりの方から聞き覚えのある声が複数。

 これはティアとイリスと……フォジュックさん?

 なんだ、なんだ?声が荒ぶっているが、何かあったのか?


 私は這いずりながら突き当たりの方へ向かう。


「あれは……」


 行ってみると突き当たりの右側で全身包帯のフォジュックさんとその下でぴょんぴょんしているティアとイリスの姿があった。


 う〜む。何かあったのには間違いなさそうだ。

 とりあえず行ってみるか。


「よっこい、しょ〜いち!」


 私は立ち上がり、服についた汚れを落とす。

 あれ?汚れがあまりない。さすが王城、掃除が行き届いておる。


「お〜い、どうしたんだ〜い!?」


 息を整え、駆け寄る。


「あっ、ルビア……」


「ルビアさん……」


「……ルビア殿」


 何、この塩らしい空気。


「え、え、ええと、何事かな?」


「実は……」


「――――我が姫がおらんのじゃ」


「え」


 我が姫――ラーミルさんがいない?


「それはどういう……?」


「それが先の出来事から姿が見えないんですって」


 つまりコラン達の襲撃の最中にいなくなったということか。

 状況からしてコランに攫われた?

 コランの所在はライダー兄さん同様わかっていないからありえない話ではないが……

 断定は無理だな。


「……我が探さなければ」


 まだおぼつかない足取りで歩き出そうとするフォジュックさん。

 なるほど、そういうことか。


「重傷なんですから動かないでください!」


 イリスはどうにか止めようと必死にぴょんぴょん跳ねる。

 私も止めたい気持ちは同じだが、私達の図体では無理があるしな〜。


「我……が…………うっ……あ、ああ……」


 フォジュックさんの足取りが怪しくなってきたので一旦離れると、糸が切れたように倒れた。


「――フォジュックさん!?」


「「!?」」


「ガー……ガー……」


「寝とる〜」


「あんなになるまで戦ってたし、無理もないよ」


「そう、ですね……」

 

 まぁ、ぶっちゃけ誰も止められないからこれが一番丸く収まる方法ではあるな。


「で、ルビアはどうしたの?」


「ん?」


「私はてっきり何か用事でもあるのかなーって」


「ああ、そうだ」


 そうだ、そうだ、チームだ。

 もう疲れたしこのまま話して決定しよう。


「君達にお願いがあってだね――」


 彼女達に交渉の話から私がどれだけ苦労したかまでの経緯を話した。


「ははは……そういうこと……別にいいけど」


「ウチもいいですよ」


「ふぅ〜、良かった!」


 よぉ〜し、なんとか夢のドリームチームを結成できたぞ〜〜!!

 今年もありがとうございました!!

 本作品もとうとう最終章、九十九話まできました。昨年も言いましたが、皆様の応援のお陰です!来年の春辺りには完結予定ですので、どうかもう少しお付き合いください。

 では皆様、良いお年を!!

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