第十話 人狼
「――というものじゃ」
「成程、成程……」
彼の話によると一部の家系には不思議な腕輪が受け継がれているらしく、それには魔物を自由に出し入れできる力があるんだとか。
そして腕輪によって所持者と繋がった魔物を《守護獣》と呼ぶらしい。
ただほとんど認知されてないため、魔物として扱われるそうだ。
きっと苦労してきたのだろう。それにあんな騎士団長の《守護獣》なんて……
あぁ〜昔のイヤな上司が蘇ってくる。
「大丈夫、ルビア?気分が悪そうだけど」
「あ、あぁ……ちょっと昔のトラウマが……」
マズい、吐きそうだ……
「なんか大変そうだね……」
「そういえば、なんで家にいるんだ?その腕輪の中にいればいいんじゃねぇか」
「それは我が姫に頼まれたからだ」
「どういうことだ?」
「我が姫はお主らが逃げ出すことを危惧しておる。私情も入っておるがあれでもしっかりとした騎士だ。どうか、わかってくれ……」
フォジュックさんはそう言うと頭を下げる。
「……気にしないで下さいフォ、フォジュックさん……我々は同士でばないでずが……」
あっ、これ、無理だ。
「感謝する。……しかしルビア殿、同士とは……あれ?」
「ルビアならトイレ行きましたよ……」
ー◆ー
一方、ラーミル達は襲撃者を制圧し終えていた。
「それで、貴方達の目的は何?私達が王国騎士団ということは車で判断できたでしょう」
ラーミルは拘束した襲撃者の男に問う。
「……フ、フハハハハ、ハッハハハハ!」
すると男は笑いだした。
「何がおかしい?」
「そんなの最初から知っているさ。オレ達の目的はあんたらの無力化だ!!」
「何を言って――」
「――ぎぁぁぁああ!」
それは突然のことだった。
ラーミルが振り返ると、そこにはさっきまで立っていたはずの騎士団員が八つ裂きにされていた。
代わりに立っていたのは――
「じ、人狼!?」
人狼。それは全身灰色の毛で覆われ、鋭い爪を持つ魔物。
「くッ、厄介な」
ラーミルは剣を抜き、構える。そして人狼に向かって突撃する。
「はぁッ――」
ラーミルは剣を人狼に向かって突く。
人狼は、軽い足取りで躱す。
しかしラーミルはそれを見越し、先回り。
そして一閃。
「ワォーーーー」
まず一匹目。
ラーミルは別の人狼に向かって行く。
人狼は右腕をラーミルに向かって振り下ろす。
彼女は華麗に避けると同時に横薙ぎ。
「ワォーーーー」
人狼の上半身がズレ落ちる。
二匹目。
すると今度は二匹の人狼がラーミルに向かって襲いかかる。
ラーミルは地面を強く蹴り、二匹の懐に入り込み、斬る。
「「ワォーーーー」」
三匹目、四匹目。
「ふー。よし、終わり」
人狼は基本四匹で一グループ。つまり、終わりである……はずだった……
「さて、他の団員は……はっ――」
ラーミルは何かを感じ振り返る。そこには飛び掛かってくる人狼がいた。
人狼は目と鼻の先。これでは反応出来ない。
ラーミルはそう悟ったその時だった――
突然、目の前で人狼が爆散した。
「えっ!?何が起きたの?」




