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会話
「土日は何して過ごしてたん?」
「あ、サイクリングとかしてました。」
「サイクリングね、この辺できるとこあったっけ」
端座高校は大阪の天王寺区にある。殆ど真ん中みたいなところだ。私は八尾市という、少し離れた田舎から通っている。田舎は道も広くサイクリングには適している。
「えーと、少し離れたところの大和川を下ってました。」
「あー、あの辺か、橋本さん八尾住みやもんな。晴れてて気持ちよかったやろ。」
「そーっですね。暑いくらいで」
「確かにな、熱中症には気を付けや?じゃあ前回どこまでやったっけ?」
良い。この会話の感じ。前に居た学校では味わえない教師との会話。全日制に居た頃教師と話す機会は対面の懇談くらいしかなかった。それ以外は基本陽キャが絡みに行く。私はそれを見て「生産性が低いな、勉強すればいいのに。」と、思っていた。
「あ、空間ベクトルに入ったとこです。」