ひしゃげたフェンス
2m程の高さのフェンスが立ち並ぶのを見れば、そこが立ち入り禁止の場所であることは一目瞭然であるはずだ。しかし、何か所もフェンスがひしゃげているところがある。おそらくは、フェンスの上からその中へと侵入した形跡であろう。全体重をかけるから、その部分が折れ曲がってしまうのだ。その数からして、一人二人の話ではない。20人以上が、この高いフェンスを乗り越えているのだ。そこまで大変な思いをして、どうしてこのフェンスを乗り越えたいのかなんて、今の私には理解が出来ない。
――あ。新しい跡だ。
今日もひしゃげている場所が一つ増えた。その傍にはリュックサックがひとつ、置かれていた。
読んでいただき、ありがとうございました。