プロローグ1
いくら考えてみても何故自分がこの場にいるのかも思い出せず、直前の記憶が一切ないことに戸惑っていると少し離れた所に人影が集まったいるのが見えた。
いつまでも立ち尽くしていてもしょうがないので近づきつつ周りの様子を見てみるとちらほらと自分と同じ様に戸惑っている人が何処からか集まってきているようだ。
集まっている人を見ると自分と同じ様に現状を把握できていなさそうな人が殆どのようだ、だかその中に明らかに雰囲気が違う数人が集まり何かを話している。
他の人の中にもそいつらに気づいたのか話しかけようとしてるのが数人いたが躊躇っているのか中々話しかけない。
そんな中話し合いが終わったのかさっきまで話し合っていたやつらがまわりに向かって話し始めた。
「みなさんは今何故ここにいるのかわからない人が殆どだと思います。中には直前の記憶がまったく無い人もいるはずです。
その辺の事情の説明とこの後についての話をしたいので今から班分けするのでその班ごとに分かれて下さい。」
周りは戸惑っているがそもそもここが何処なのか、何故自分達がここにいるのかも分からない現状ではどうしようもなく、それぞれが指示された通りに分かれ始めた。
どんな基準なのかは分からないが老若男女は関係ないようで自分の班は見た感じ十代後半から三十代前半で男3人、女2人の5人グループになった。
私服だったり制服やスーツだったりと格好もバラバラで共通点などないように感じる。
どうすればいいのかわからないままお互いに顔を見合わせたままでいると、中肉中背に七三眼鏡でスーツ姿の銀行員や役所の人間と言われてもしっくりきそうな男が寄ってきた。
「お待たせして申し訳ありません、私がみなさんの担当をさせていただきます。」
男は5人揃ってることを確認すると話し始めた。
「今ここにいる皆さんはここにくる直前までの記憶がないと思いますがそれについては後から説明致しますのでまずはこれからについてのお話しをしたいと思います。」
男が説明しようとするとこの班で最年長と思われる男がおずおずと話しかける。
「すみません、その前にここはいったい何処なんですか?」
他の3人も気になるのか同じ様に答えをまっている。
「何処と言われましても、強いて言うなら何処でもない場所といったところでしょうか?」
その答えにますます分からなくなる
「我々は便宜上は分類センターと呼んでいます。
本来は亡くなった方のその後について決める場所となったいます。」
「亡くなった?ちょっと何言ってるかわからないのですけど」
「「本来は」死んだ後こちらに来て頂き所謂天国だったり地獄だったりにご案内する場所です。
普通の方のイメージで言う所の閻魔様にあたる仕事を我々がおこなっております。」
つまりここはあの世的な場所とでもいいたいのだろうか?ドッキリといわれた方がまだ納得出来る。
「急にそんなこと言われても信じられるわけないでしょう」
「そもそも死んだ覚えも無いのに意味がわからない」
皆も納得出来ないのか口々に文句を言い始めた。
「ここに来る直前の記憶を戻して欲しいと言うのなら戻すことも可能ですよ、あまりオススメしませんが」
記憶を戻せると聞いて、何故消したのかと余計に不満の色を見せ始める
「ただ事故、殺人、病気等殆どの場合に文字通り死ぬほどの痛みや苦しみを味わっている事が多い為の処置です。」
想像したのか皆の顔色が悪くなってきた。
「まぁ皆さんの場合はまだ死んだわけではないですし他にも色々と例外なんですが。」
説明が終わらなかった…